ひつじ書房, HITUZI SYOBO publishing company

ひつじ書房, HITUZI SYOBO publishing company 1990年に創立した日本語学・言語学の学術出版社。言語学を中心にことばを巡って、文学研究、メディア研究、文化人類学、社会学などの分野でも出版しています。

学術出版とはオープンであることだけでなく、重要なのは、出版を通した共有への推しである。

数人でやっている小さな学術出版社です。言語学、日本語学、国語教育、日本語教育、英語教育、日本文学、民俗学、文化人類学の研究書を出版しています。これらのジャンルの大学での教科書も出版しています。
7月から、日本文学協会の『日本文学』の発売元になります。

日本語教育の夏フェス2025.9.13 東京外国語大学参加費 3000円ひつじ書房も出店します。13時からですが、午前11時からセミナーを開催します。詳細が決まりましたら、告知します。
01/08/2025

日本語教育の夏フェス

2025.9.13 東京外国語大学

参加費 3000円

ひつじ書房も出店します。13時からですが、午前11時からセミナーを開催します。詳細が決まりましたら、告知します。

 2017年から始まった「日本語教育の夏フェス」、今回は第4回目の開催となります。2025年9月13日(土)、場所は東京外国語大学府中キャンパスで開催します。ワークショップや講演は、明日の授業につながる実践や、教育に...

大学で学ぶアカデミック・ライティングの教科書〈書く力〉を引き出す問い109甲田直美著A5判並製カバー装 定価2400円+税ISBN978-4-8234-1302-5装丁:大崎善治Academic Writing for University...
01/08/2025

大学で学ぶアカデミック・ライティングの教科書
〈書く力〉を引き出す問い109

甲田直美著

A5判並製カバー装 定価2400円+税

ISBN978-4-8234-1302-5

装丁:大崎善治

Academic Writing for University Students: 109 Questions to Unlock Your Writing Power
Koda Naomi

ひつじ書房

【内容】
アイディアの発想からアウトライン、パラグラフの組み立て、推敲まで、文章作成に必要な技術を効率よく学べる、「一歩上を行くレポート・論文作成」を目指す人のための教科書。イラスト、写真、図解、問いをふんだんに盛り込み、授業用としても独習用としても万全の1冊。109題掲載した問いは、ペアワークやポイント確認にも使える。この1冊で大学で必要な論理力、分析力、思考力の肝要が学べる。書く技術を一生の宝物に。

【目次】

各章のタイトルと本書の構成
はじめに
文章作成についてのQ&A
科学の発展と論文、そして盗用・剽窃の禁止

序章 必要な技能と習慣化のコツを知る
1 教科としての「国語」に収まりきらない文章技術
2 文章作成のプロセス
3 ゴールは具体的に
4 スモールステップと強化
5 計画を見積もる
6 誰でも本当はできる
コラム 表現は改善できる

第I部 観察・分析から学ぶ

第1章 書きたい文章のフォーマットに精通する
1 正統的周辺参加
2 事例を集める
3 コミュニティの一員としての正統性
4 文献の探し方:国内から世界のトップジャーナルまで
 4.1 J-STAGEを使ってみよう
 4.2 主な論文プラットフォーム・検索データベース
 4.3 すぐ調べることの積み重ね
5 「書く」ことを意識して「読む」
 5.1 情報を得るための読み
 5.2 手本として学ぶための読み
 5.3 批判し、位置づけるための読み

第2章 クリティカル・シンキングで論理をみがく
1 論証はいたるところに
2 事実と意見
3 主張は根拠(データ)と論拠に支えられる
4 クリティカル・シンキング
5 情報源を吟味する

第3章 パラグラフ・ライティングは思考を整える
1 パラグラフの内部はどうなっているか
2 パラグラフ作成の実際
 2.1 トピックセンテンスの作成
 2.2 パラグラフの作成と評価
3 パラグラフ・ライティングの利点
コラム 説明したつもり

第4章 テキスト批評で上達する
1 検討する読み方
2 批評のための準備
 2.1 多様な読み方で情報を集める
 2.2 著者が解決したい問題を見つける
 2.3 的確な要約をする
3 メタ読みのすすめ
4 誰でも質問できる方法
5 テキスト批評を書いてみよう
6 引用のしかた
コラム コミュニケーションの構成要因

第II部 実践につなげる

第5章 アウトラインを作ってから書く
1 アイディアの整理・整頓
2 アウトラインを作ろう
3 構成は重要だが、直しやすい
4 拡散と収束:アイディアの産出と整理
5 文章の階層構造:見出し機能
コラム 優秀な人が書く前にやっていること

第6章 定型表現で論を導く
1 アウトラインだけでは書けない
2 定型表現で誘導する
3 導入部の分析
コラム 論文以外にも使える「型」の重要性

第7章 文献レビューで影響力を高める
1 高い山に石を積む
2 要旨と「はじめに」は絶対読んでもらえる
3 問いを共有するための序論
4 どうしたら問いを共有させられるか:文献の示し方
5 一貫性効果
6 参考文献リスト

第III部 他者の視点に立つ

第8章 生成AIを援用する
1 生成AIの登場
2 質問や依頼を入力してみよう
3 生成AIによる文章作成支援
 3.1 数打ち当たる
 3.2 指定のフォーマットに変換する
 3.3  構成や下書きをつくる
4 AIとの距離感

第9章 人間の特性をわかりやすさに活かす
1 伝わる構造
2 マジカルナンバー“7”
3 「針の穴に駱駝を通す」
4 連想のネットワーク
コラム ストーリーを際立たせる「しかし」と「ところが」

第IV部 学問の多様性から学ぶ

第10章 論文の構成と学問分野の広がりを知る
1 スクリプト、スキーマ
2 IMRaDとは:各分野での構成パターンを知る
3 文系、理系の区別って? 論文構成とIMRaD
4 学問の多様性と各分野の特色を知る
コラム 英語の論文から習う

第11章 データと問いを読み解く
1 データの切り取り方
2 知識の更新可能性とコミットメント
3 その問いは価値ある問いか?
 3.1 縦軸の吟味:展開する答えの質
 3.2 横軸の吟味:問い(リサーチクエスチョン)の質
 3.3 縦軸×横軸:論の質
4 書かなければ何も残らない
5 アイディアを形にする
 5.1 発想まで
 5.2 アイディアをリサーチクエスチョンの形に構造化する
 5.3 研究デザインを言語化する(研究プロトコル)
コラム アウトプットのすすめ

第12章 評価者との対話から振り返る
1 教師との対話とレポートの工夫
 1.1 努力の跡を示す
 1.2 レポートでは、実体験を組み込む
 1.3 大学レポートは3割くらいが引用でもOK
2 査読者との対話
コラム もの書く人のかたわらには

付章 テキストマイニングで文章を分析する
1 テキストマイニングの重要性
2 文章の難易度を確かめてみよう:リーダビリティとは
3 Wordの校閲機能
4 タイトルを分析してみよう
 4.1 タイトルの分析
 4.2 タイトルの頻出語を調べる
5 文章内のことばを図示してみよう
6 コンコーダンサーで学ぶ定型表現

問いのヒント
参考文献
本文で言及した図書・雑誌の書誌情報、URL
索引
あとがき

著者紹介
甲田直美(こうだ なおみ)
東北大学大学院文学研究科・教授
〈経歴〉2000年京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。日本学術振興会特別研究員(DC,PD)、滋賀大学教育学部助教授、文部科学省在外研究員(Faculty Scholar, Department of Psychology, University of Massachusetts)を経て現職。
〈主な著書〉『談話・テクストの展開のメカニズム─接続表現と談話標識の認知的考察』(風間書房、2001年)、『文章を理解するとは─認知の仕組みから読解教育への応用まで』(スリーエーネットワーク、2009年)、『物語の言語学─語りに潜むことばの不思議』(ひつじ書房、2024年)などがある。

『週刊読書人』第3599号(2025年7月25日)「2025年上半期の収穫から」でご紹介いただきました。ありがとうございます!小松原哲太著『概説レトリック 表現効果の言語科学』(評者:言語学 井上逸兵)https://www.hituzi....
28/07/2025

『週刊読書人』第3599号(2025年7月25日)
「2025年上半期の収穫から」でご紹介いただきました。ありがとうございます!

小松原哲太著『概説レトリック 表現効果の言語科学』(評者:言語学 井上逸兵)

https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1297-4.htm

『週刊読書人』第3599号(2025年7月25日)
「2025年上半期の収穫から」でご紹介いただきました。

澤西祐典著『芥川龍之介における海外文学受容 旧蔵書越しに見える風景』(評者:日本近現代文学・文化 日比嘉高)

https://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-8234-1279-0.htm

https://dokushojin.net/

ひつじ研究叢書(言語編) 第216巻「打ちことば」の研究モバイルメディアコミュニケーションから再考する日本語落合哉人著定価7800円+税 A5判上製 360頁ISBN978-4-8234-1303-2白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)ひつ...
24/07/2025

ひつじ研究叢書(言語編) 第216巻
「打ちことば」の研究
モバイルメディアコミュニケーションから再考する日本語

落合哉人著

定価7800円+税 A5判上製 360頁

ISBN978-4-8234-1303-2

白井敬尚形成事務所(ブックデザイン)

ひつじ書房

A Study of “Uchi-kotoba”: Rethinking Japanese through Mobile Media Communication
OCHIAI Kanato

【内容】
近年、日本語研究では、インターネットを介して伝えられることばを話しことばでも書きことばでもない「打ちことば」と呼ぶ動きがある。しかし、いまだ体系的な研究は乏しく、特性の違う複数のメディアをどのように比較できるかという点からして内実は曖昧な部分が多い。本書は「打ちことば」の典型である2000年代の携帯メールと2010年代のLINEの比較を端緒として、言語使用の本格的な実態把握を行う初の試みである。

【目次】

第1章 本書の社会的背景と学術的背景
1. はじめに
2. 日本国内における通信技術の普及過程:携帯メールとLINEを中心に
2.1 I.携帯メール普及以前(〜1999年)
2.2 II.携帯メール普及期(1999年〜2012年)
2.3 III.LINE普及期(2012年〜)
3. 「打ちことば」とCMDA
3.1 「打ちことば」概念の出現
3.2 CMDAの周辺における批判と本書の研究の位置付け
4. 本章のまとめ

第2章 先行研究概観
1. はじめに
2. 言語使用に関する先行研究
2.1 携帯メールとその周辺に関する記述
2.2 LINEに関する記述
2.3 日本国外のモードに関する記述
2.3.1 SMSに関する記述
2.3.2 IRCに関する記述
2.3.3 IMに関する記述
3. メディア・モードの特性に関する先行研究
4. 本章のまとめ

第3章 対象とするデータ
1. はじめに
2. メディア・モードの特性
3. データの収集方法と取り扱い
3.1 対象とするデータとその収集方法
3.2 音声会話におけるデータの取り扱いとターンの認定
4. 本章のまとめ

第4章 「打ちことば」の基礎的観察と言語量仮説
1. はじめに
2. 質的観察に基づく分析単位の規定
2.1 表現上の特徴の確認と「発話の分割」の観察
2.2 分析単位の規定
3. 量的観察に基づく言語使用とメディア・モードの特性の関係の分析
3.1 調査の内容
3.2 調査の結果と分析
3.3 考察とタイムスタンプに基づく検証
4. 言語量仮説
5. 本章のまとめ

第5章 文・節から独立して現れる要素の観察
1. はじめに
2. 接続詞・感動詞の出現傾向に関する既存の報告
2.1 話しことば・書きことばにおける接続詞の出現傾向に関する報告
2.2 話しことばにおける感動詞の出現傾向に関する報告
3. 調査の対象と観点
4. 接続詞・感動詞の全体的な出現傾向と分析
4.1 接続詞の出現傾向
4.1.1 全体的な出現傾向
4.1.2 位置ごとの出現傾向
4.1.3 書きことばとの比較
4.2感動詞の出現傾向
4.2.1 全体的な出現傾向
4.2.2 位置ごとの出現傾向
4.3 状況的側面の影響
5. 個別の語の使用実態の分析
5.1 「打ちことば」において顕著に出現が少ない要素の分析
5.1.1 「で」
5.1.2 「だから」
5.2 「打ちことば」において顕著に出現が多い要素の分析
5.2.1 「というか」
5.2.2 「あと」
5.3 「打ちことば」・話しことばの内部で特異な出現傾向が見られる要素の分析
6. 本章のまとめ

第6章 文・節の末尾に現れる要素の観察
1. はじめに
2. 終助詞の出現傾向に関する既存の報告
3. 調査の対象と観点
4. 接続助詞・終助詞の全体的な出現傾向と分析
4.1 接続助詞の出現傾向
4.1.1 全体的な出現傾向
4.1.2 位置ごとの出現傾向
4.1.3 書きことばとの比較
4.2 終助詞の出現傾向
4.2.1 全体的な出現傾向
4.2.2 主節または引用節末尾の活用語終止形に後接するものの出現傾向
4.3状況的側面の影響
5. 個別の語の使用実態の分析
5.1 「打ちことば」において顕著に出現が少ない要素の分析
5.1.1 「けど」
5.1.2 「よね」
5.2 「打ちことば」において顕著に出現が多い要素の分析
5.3 「打ちことば」の内部で特異な出現傾向が見られる要素の分析
6. 本章のまとめ

第7章 文・節の内部に現れる要素の観察
1. はじめに
2. 指示詞の出現傾向に関する既存の報告
3. 調査の対象と観点
3.1 調査対象の選定理由
3.2 用法分類の基準
4. 指示代名詞「これ」「それ」「あれ」の出現傾向と分析
4.1 「これ」「それ」「あれ」の出現傾向
4.1.1 全体的な出現傾向
4.1.2 書きことばとの比較
4.1.3 用法ごとの出現傾向
4.2 状況的側面の影響
5. 個別の語の使用実態の分析
5.1 「打ちことば」において顕著に出現が少ない要素の分析
5.2 「打ちことば」において顕著に出現が多い要素の分析
5.3 「打ちことば」・話しことばの内部で特異な出現傾向が見られる要素の分析
5.3.1 「ソ系文脈指示」の「それ」
5.3.2 「状況指示」の「これ」
6. 本章のまとめ

第8章 「打ちことば」の基盤的特徴に対する考察
1. はじめに
2. 言語量仮説と「打ちことば」の位置付け
2.1 言語量仮説の検証
2.2 「打ちことば」の位置付けと多様性
3. 話しことば・書きことばとの類似性から捉えた「打ちことば」
4. 個別の表現・表記に関する特徴との対応
5. 本書の検討から捉えられる話しことばの性質
6. 本章のまとめ

第9章 おわりに
1. はじめに
2. 各章の概要
3. 本書の学術的貢献
4. 今後の展望

参考文献
あとがき
索引
【著者紹介】

落合哉人(おちあい かなと)
1993年生まれ。東京都出身。筑波大学大学院人文社会科学研究科一貫制博士課程文芸・言語専攻修了。博士(言語学)。専門は日本語学、談話分析。東京福祉大学助教を経て、現在、国立国語研究所助教。
主な業績
「指点字会話における『揺さぶり』―盲ろう者はいかにして自らの感情的態度を示すか―」『社会言語科学』24巻1号(2021年)、「現代日本語の発話末に現れる感動詞『え』」『日本語文法』23巻1号(2023年)、「『話すように打つ』ことばは簡潔なことばか?―携帯メール・LINE・対面会話・ネット通話における1発話の長さを比較して―」『日本語習熟論研究』1号(2023年)など。

【未草】2025.07.02目からウロコの百人一首|第8回 12 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ|はんざわかんいち天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ
18/07/2025

【未草】

2025.07.02

目からウロコの百人一首|第8回 12 天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ|はんざわかんいち

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ

天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ この歌が、五節会(ごせちえ)という宮中儀式の際に、乙女たちが舞を披露するという状況で詠まれたということを知らなくても、天女というイメージは浮かんでく...

芥川龍之介あれこれ事典石割透著A5判並製カバー装 定価3600円+税ISBN978-4-8234-1286-8装丁:奥定泰之Handbook on Ryunosuke AkutagawaIshiwari Toruひつじ書房芥川ファン必見!あ...
16/07/2025

芥川龍之介あれこれ事典

石割透著

A5判並製カバー装 定価3600円+税

ISBN978-4-8234-1286-8

装丁:奥定泰之

Handbook on Ryunosuke Akutagawa
Ishiwari Toru

ひつじ書房

芥川ファン必見!
あなたの知らない龍之介の素顔!

〈酒は飲まない〉文士のたしなみ“酒”とは無縁。一杯か二杯はやらないこともないが、もっぱら茶が好き。
〈読書速度が異常すぎる!〉列車の移動時間で何冊も読破する異能持ち。
〈なぜか万年筆は嫌い〉夫人がそこらで買ってきたGペンで名作を書いた。
〈原稿料が高騰する大正時代!〉文学でどれだけ稼いだのか…。芥川の収入と支出のリアル。
〈文豪たちとの交流録〉漱石に学び、志賀に憧れ、菊池寛や久米正雄らと親しむ。

【内容】
芥川龍之介の作品や生活に関わる事項を幾つか選び、それらに対する新しい見解を交えながら、同時代の作家や文化現象にも言及する。それらによって芥川龍之介のみならず、大正文化の一端を明らかにしようとする。筆記道具、照明、署名、発表雑誌、出版社などの執筆状況から収入などに及ぶ小説家としてのありようから、生き物、飲食、場所、学校、文化事象など、極めて斬新で多様な視角から芥川文学を捉えようとする試みである。

【目次】

執筆・発表

筆記用具
照明
投稿
書斎
原稿用紙
執筆
署名・本名
筆名
雅号
発表雑誌
発表枚数
校正
出版社
講演会
発行部数・版数
読者
円本・「現代日本文学全集」
収入
草稿
未定稿
書簡

生き物


髪の毛・蛇



飲食


煙草

カフェ

文明・文化

写真
自動車
電話
飛行機
ラジオ
スポーツ
水泳
勝負事・花札・将棋・麻雀など
一中節
講談
ダンス

場所

本所
隅田川
銀座
京都

教育

教師
第一高等学校
東京帝国大学文科大学

作品

家族・家庭

お伽噺
笑い・哂い
武士道
浮世絵・錦絵
分身・ドッペルゲンガー
南蛮・切支丹
サラリーマン
河童(河郎)
月・月光
阿呆
関東大震災
新時代

著者紹介
石割透(いしわり とおる) 1945年、京都市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程満期退学。駒澤大学名誉教授。専門は芥川龍之介を中心とした大正文学。著書に『大正文学断想―芥川龍之介を核として』(2022年、鼎書院)、『〈芥川〉と呼ばれた藝術家』、『芥川龍之介―初期作品の展開』、編著書として『芥川龍之介全集・全二十四巻』(共同編集、岩波書店)、『芥川龍之介書簡集』、『芥川龍之介随筆集』、『父帰る・藤十郎の恋―菊池寛戯曲集』(以上岩波文庫)など数多い。

「ナル的表現」をめぐる通言語的研究認知言語学と哲学を視野に入れて守屋三千代・池上嘉彦編集代表 角道正佳・栗林裕・岡智之・宮岸哲也編定価9000円+税 A5判上製カバー装 524頁装丁 坂野公一(welle design)ISBN978-4-...
30/06/2025

「ナル的表現」をめぐる通言語的研究
認知言語学と哲学を視野に入れて

守屋三千代・池上嘉彦編集代表 角道正佳・栗林裕・岡智之・宮岸哲也編

定価9000円+税 A5判上製カバー装 524頁

装丁 坂野公一(welle design)

ISBN978-4-8234-1200-4

ひつじ書房

The Verb 'NARU' in Crosslinguistic Perspective: With Cognitive Linguistics and Philosophy in View
Editors in chief: MORIYA Michiyo, IKEGAMI Yoshihiko
Editors: KAKUDO Masayoshi, KURIBAYASHI Yuu, OKA Tomoyuki, MIYAGISHI Tetsuya

【内容】
日本語の動詞「ナル」は、主に事物の「出来(例:実がナル)・変化(例:氷が水にナル)」を専用に表すが、ユーラシアの諸言語にもこうした「ナル相当動詞」があり、「主格/ゼロ格」を伴って「出来」を表し(例:実(が)ナル・氷が水(が)ナル)、派生的に「変化」の意味を表す。本書はこうした「ナル・ナル相当動詞」を伴う「ナル的表現」をめぐる28言語の調査結果と、記述言語学・認知言語学、および哲学の観点に基づく論考47本を収める。

【目次】

本書の概要
守屋三千代

第1章 「ナル的表現」研究の現在
第1章―1 調査項目の分析

日本語の「ナル表現」と調査項目の概要
守屋三千代

朝鮮語の「ナル的表現」
岡智之

モンゴル語の「ナル的表現」
角道正佳

トルコ語の「ナル的表現」
栗林裕

シンハラ語の「ナル的表現」
宮岸哲也

第1章―2 「ナル的表現」とは何か 出来・存在・変化の観点から考える

創世記から「出来」と日本語の「ナル」を考える
守屋三千代

出来・存在・変化の観点から考える
モンゴル語のBOL-の用法「~になる/~である」
角道正佳

トルコ語の「ナル的表現」
トルコ語版 創世記から
栗林裕

旧約聖書創世記第1章クルド語翻訳を題材としたクルド語の「ナル的表現」
岡智之・COLAK Vakkas

シンハラ語版創世記に見る「ナル相当動詞」
出来・存在・変化・コピュラとしての意味・機能
宮岸哲也

第1章―3 『星の王子さま』から見えること

日本語訳とトルコ語訳の対照
「星の王子さま」から見えること
栗林裕

日本語と朝鮮語の「ナル的表現」の対照
「星の王子さま」から見えること
岡智之

日本語訳とモンゴル語訳の対照
「星の王子さま」から見えること
角道正佳

日本語訳とシンハラ語の「ナル相当動詞」との対照
「星の王子さま」から見えること
宮岸哲也

日本語訳と英語訳の対照
「星の王子さま」から見えること
守屋三千代

日本語訳とフランス語(原文)・ボルズ語訳・ウーリ語訳・ドイツ語訳との対照
「星の王子さま」から見えること
岸 ZGRAGGEN Evelyn

フランス語(原文)と日本語訳の対照
「星の王子さま」から見えること
RENOUD Loïc・栗林裕

第2章 世界の「ナル的表現」

現代日本語の「ナル表現」
主観的把握の観点から考える
守屋三千代

日本古典文学における「ナル表現」
山本美紀

朝鮮語の「ナル的表現」の諸相
岡智之

モンゴル語の「ナル的表現」
角道正佳

ヤクート語の「ナル的表現」について
南謙吾

トルコ語とチュルク諸語の「ナル的表現」
GENÇER BALOĞLU Zeynep・栗林裕

中国語の「ナル的表現」
徐一平

ゾゾ語の「ナル相当動詞」
宮岸哲也

ベトナム語の「ナル的表現」
清水政明

サンスクリットにおける「ナル的表現」
動詞語根bhū-の用例

工藤順之
ペルシア語の「ナル的表現」šodanの対応可否について
JAY Behnam

クルド語の「ナル的表現」
岡智之・COLAK Vakkas

シンハラ語複合動詞における「スル/ナル/サレル的表現」
DE SILVA Kalugala Gayathri Kaushakie・宮岸哲也

現代ヘブライ語における「ナル的表現」に関する一考察
動詞ʿsaを中心に
平岡光太郎

アラビア語の「ナル的表現」
柳谷あゆみ

ロシア語における「ナル的表現」
LATYSHEVA Svetlana

ポーランド語の「ナル的表現」
JABŁOŃSKI Arkadiusz

ドイツ語の「ナル的表現」
三瓶裕文

フランス語の「ナル的表現」
RENOUD Loïc・栗林裕

チェコ語、リトアニア語、ルーマニア語、ブラジル・ポルトガル語、ハンガリー語、ハンガリー語トランシルバニア方言、バスク語(および、英語)における「ナル」相当動詞
池上嘉彦

第3章 「ナル的表現」の言語学的考察

「ナル的表現」と事態把握
池上嘉彦

言語類型論から見た「ナル的表現」
角道正佳

翻訳小説の文末のol-/bol-/bo‘l-の数量的比較
トルコ語、アゼルバイジャン語、ウズベク語訳の『星の王子さま』
栗林裕

ナル的授与動詞構文と「ナル(相当)動詞」構文
宮岸哲也

「ナル的表現」のスキーマをめぐって
出来文、中動態との関連から
岡智之

『古事記』と『古事記傳』から見た「ナル」の意味
守屋三千代

第4章 「ナル的表現」の哲学的考察

創世記1章1節―2章3節と出エジプト記3章における動詞h-y-h
越後屋朗

「ある」の哲学、そして「なる」の神学
永遠と時間とのはざまで何が語られうるのか
山崎達也

アラビア哲学における存在と生成
小村優太

サンスクリット古典文法学に規定される動詞複合語
「状態の変化」を動詞形に表現する事例のひとつとして
工藤順之

あとがき
池上嘉彦

索引
論文執筆者一覧
調査結果担当者一覧
   

【編集代表】
守屋三千代(もりや みちよ):創価大学名誉教授
池上嘉彦(いけがみ よしひこ):東京大学名誉教授

【編者】
角道正佳(かくどう まさよし):大阪大学名誉教授
栗林裕(くりばやし ゆう):岡山大学教授
岡智之(おか ともゆき):東京学芸大学教授
宮岸哲也(みやぎし てつや):安田女子大学教授

18/06/2025

2025年6月17日(火)

オープンアクセスと共有化のプロセスと推しについて

出版学会で論文のオープンアクセスのことが議論されていましたが、そのことについて述べます。学会でも発言しましたが、会場には学術出版の方がいなかったのか、ワークショップが終わってからも、出版社の方から私の発言についてコメントをもらうということが皆無で、反応がなかったということもあって、この内容は文書にしておいた方がよいのではないかと思いまして、記します。

オープンアクセス出版といった場合に、ほとんど学術雑誌の出版に関してのことで、書籍の学術出版との関わりは、どこまで波及するのかは不明なところもあります。そもそも、即時オープンアクセスといっても内閣府の文言によると実際には電子学術雑誌における学術論文の出版のことだけをさしているのですが、一般にいう出版全体を指しているかのように情報が流れていることもあり、注意が必要です。そのこともいわれていません。出版学会では、パネラーの方で元編集者という自己紹介をされた方が、モノグラフもオープンアクセスにするのが望ましいという発言もされていましたので、潮流としてオープンアクセスにいく世の中の流れだという考え方が、無前提にあるようでもあるので、学術単行本や学術論文集も刊行している立場から、発言しておく必要もあるでしょう。くりかえしですが、書籍学術出版にも関わる出版社の側からの発言が全くないようですので、発言しておく必要があるでしょう。商業的な学術出版社の将来にも関わることでもあるので、その点でも必要でしょう。この文章は、メールマガジンに出したものですが、ウェブにも掲載します。この発言がそれになります。

オープンにするということでは、博士論文はすでに、原則としてリポジトリなどを使ってオープンにすること、公開することになっています。私の述べたいことは、オープンにするということも論の共有化、公開の場所で議論されるための1つの段階であって、オープンにすれば全てが解決するわけではないということを思っています。共有化のプロセスというものに注目する必要があると思います。共有化のプロセスということについてはほとんど議論がないように思います。研究者の全員ではないですが、良い内容のものを書けば、自然に共有されると考えている方が多いのではないでしょうか。

ひつじ書房では、博士論文が元になっている内容で出版したいということで提案をいただくことがあります。その際に、内容についてプレゼンテーションや説明をしていただくことがあります。博士論文執筆の過程で、すでに指導を受けているはずではありますが、内容について質問したり、こういう風にいった方がいいのではないですかとお尋ねすることがあります。時にそういう質問や指摘は初めてですといわれることがあります。質問する側としては、そんなに込み入った質問ではなく、当然の質問をしているので、どういう指導をされたのかと思うことがあります。私たちの質問が素朴でストレート過ぎるということなのか、場合によってはあるいは、指導教官は、本質的なことを指摘できないのか。いや、そうではなく、こちらで普通だと思っている質問が、とんちんかんな質問をしてしまっているのかもしれません。ただ、いろいろな質問があって、議論されるということは博士論文にとっても意味があることなのではないかと思います。大学の博士論文の査読の委員会の審査だけなく、出版社が関心を持つこと、その上で出版社のコメントにも意味があるのではないかということを申し上げたいということです。

出版を出版社に提案されて、内容を聞いて、なるほど面白いと思って、その研究を応援したいということで、出版に向かうわけです。提案される前にこちらから、お願いすることもあります。それは、現代的ないい方をすれば「推す」ということだと思います。推されたものが出版されるということになります。オープンな論文がたくさんある中で、どれかを選ぼうと思ったら、出版社が世に出そうと思ってかたちにしたものは、目にとまる可能性が高くなるのではないでしょうか。博士論文は、出版社から出されてやっと価値がでるというといい過ぎかも知れませんが、オープンなだけの論文に、時間をかけて読む価値があるかどうか分からないということがあると思います。検索でヒットしたり、読んだ誰かが勧めることで出会うこともあるでしょう。出版社から出ただけで、価値がある、あるいは価値が増すとはいえませんが、少なくとも出版社の編集者が、出す価値があると思った、手間を掛けて世に送り出す価値はあるという判断はしたということ。はずれもあるにしろ、読者が、お金を払って読む価値があると判断したということ。読む価値があると賭けたということです。「推す」ということも、これまで議論されていないように思います。

科研費をとって研究した研究は、オンライン学術誌に投稿した場合、採択された時に即座に無料で公開するということを内閣府が求めています。(付記しますと即時公開というのが、世界的なトレンドかと思っていましたが、日本以外はそうではないようです。)無料で公開するということですが、学術誌の側としては著者から投稿料をもらうことになります。日本国外ですとNatureなどは7000ドルといわれているということです。7000ドルというのは100万円をこえます。7000ドルは多いとしても数千ドルということはあるということです。無料で公開するということですので、学会誌は、購読者モデルから、著者投稿料制度(APC)にかわっていくといわれています。オープンアクセスということは、もともとが学会誌の購読料の高騰に対する批判からいわれたもので、それ自体は正当な批判の方向かと思いますが、著者投稿料制度(APC)が伴うことによるのであるのなら、それを正義というのは、おかしいでしょう。出版学会の際、午後のワークショップではなく、午前のセッションで、中西秀彦さん(中西印刷)がプレゼンしていました。その時のスライドでは、正義と書かれたオープンアクセスという大きな拳(こぶし)が、人を潰していて、潰されているところに出版と書かれています。その拳の図の左には「情報流通のかわりに対価を得る 出版」と書かれています。出版が対価を払って読むモデルが不正義ということなのでしょうか。ということは、対価を払うという、つまり、読者がお金を払って読む購読モデルが正義でないということと推測されますが、著者が投稿料を負担するのも対極的な出版の方法ですから、負担の経路は違うにしても経費は発生することになりますので、私はどちらか一方が正義でどちらかが不正義ということはないと思いますが、そのことの説明はないのでこの図で正義が何を意味しているのかは、正確にはわかりませんが、オープンアクセスという正義によって、潰されるものとして出版があるように見えます。出版ということばの意味が、日本と欧米では違うので、意図が不明ですが、潰されるべきものとして、あるいはゆくゆくは潰されるものとして出版が文字化されているということだと思います。何が正義かということ以前に、議論の際に正義ということばを使うのは、実務レベルではなく、議論を抽象的なレベルにしてしまう危険性があるので議論中のものには使わない方が良いと私は思います。

著者投稿料制度(APC)モデルは、著者投稿料の高騰化を呼びます。科研費をとる時に著者投稿料も含めて申請することになるでしょう。優秀な研究者はいつも十分な科研費を取得することができるという前提があるのかもしれませんが、科研費を取らないと研究もできないし、さらに投稿もできないということになります。潤沢な研究費がなければ、研究も発表もできないということが起こるのなら、これを正義とはとてもいえないでしょう。著者投稿料制度(APC)モデルと購読料モデルの、両方から取るというのではなく、ハイブリッドなあるいはグレーなモデルというのもあってもいいのではないかと思いますが、難しいのでしょうか。

オープンアクセスと「推し」ということに戻ります。研究の共有化のプロセスについてです。学史ということを考えますと何が重要であるか、何を議論するべきかということも、流れがあります。正しいことが行われて、それが善であるから、自然と共有されていくというような単純なものではないと思います。

たとえば、こういうことがありました。議論の共有がかならずしも上手くいくとは限らないということの事例です。社会学というものは、宗教から脱した普遍的で科学的なものであるという通説に対して、そうではないのではないか、社会学の創始者がそもそもある宗教の重要な地位にあり、その宗教を脱したと社会学ではされていますが、墓碑を見ると宗教の重要な地位のまま死んだということが分かるという内容です。もし、そうであるのなら、宗教から脱した普遍的で科学的な社会科学というものを考え直さないといけないということになります。このような問題提起をする議論を起こそうとした本を出しました。書評誌に書評も出ましたが、技術的なミスがあるということで書籍の意義から否定されました。もともとの問題提起に対する議論はありませんでした。技術的なミスは致命的な誤りだというのかもしれないですが、本質的な問いについては、なかったことにしないでもらいたいと思いました。「推し」て、出版まで行ったわけです。推しがいつも、共有化について成功するとは限らないということでもありますが、ネット上でオープンであるだけで、共有化が進むわけではないということがいえます。

オープンにして、ネットで生成AIに聞けば、学問業界で主流派であり、定説となる学説にもっぱら近い内容がさらに共有化される可能性が高いのではないでしょうか。異論、新説というのが起こりにくいのではないかという危険性があります。

購読料モデルから、著者投稿料制度(APC)モデルへの移行の中で欧米の大手の学術ジャーナル出版社は転換契約というのを大学図書館と進めているということです。購読料モデルで大学図書館が、購読料を払い、さらに著者投稿料制度(APC)モデルで、著者に負担するということだと二重払いになってしまうので、購読料を払っている大学は、その購読料を著者投稿料に転換するというやり方です。購読料の分でオープンアクセスになってよいではないかと思われるかもしれません。しかし、日本の理系の科学雑誌は、投稿料を払ってもらって、英文学術誌をこれまで作ってきたということですが、大手の学術ジャーナル出版社は購読料を払っているところには結果的に無料で投稿できることになります。そうなると投稿料を払って日本国内の学会誌に投稿する必要がなくなってしまうということになり、日本国内の学会誌は英文学会誌を作れなくなって来ているということです。これでは寡占化が進むのではないでしょうか。

日本の学会誌の存続が危うくなるということです。内閣府のオープンアクセス施策によって、結果的には学術的発表の場は欧米の学術ジャーナル出版社に移ってしまいかねないということです。学術的経済市場は、日本国の科研費をつかって、欧米の学術ジャーナル出版社に支払っていくという貿易赤字的な情況が加速化していくということです。内閣府の即時オープンアクセスの政策は、そのようなことを招きかねないということもできます。国内に国際ジャーナルを育てるという政策があってもよいのではないかと思います。著者投稿料制度(APC)モデルへの全面的移行は、弱小学会誌を潰しかねないですので、結果的にそちらへ誘導することになる内閣府の主導での是非について、議論がないようですが、議論はあった方がよいように思います。

日本では、出版というとコミックや文芸を出している大手出版社ということで、出版というのはそういうイメージですが、欧米では大手の学術ジャーナル出版社があり、publishというとそのような学術雑誌で公開することを意味する出版も含めたイメージなのだろうと思います。ただ、出版学会の時に反応が無かったように日本の学術出版をしている学術出版社は、かなりの少数であり、そもそもプレイヤーと思われていないのではないかと思います。

特に人文系の学術出版さらには人文系の学術にとって、学術的な議論のためにも出版社による「推し」、そして、著者自身の読んでもらいたいという自分で自分を推すということ、読者を獲得して、読者に応援されるということは重要であり、オープンであることはよいことであるにしろ、そういう三者の推しが重要であるということは文書にしておいた方がよいということで述べました。学術出版に関わることですし、知の共有に関わることです。

これとも関連して、『情報の科学と技術』75巻6号に私が学術出版について論文を書いています。出版して共有化へ推すことも、学術情報の共有化へのステップではないかということを控えめに書いています。一般公開は半年後ということです。

NHKカルチャーセンター梅田教室にて周密先生のオンライン講座があります。梅田教室ですが、オンラインですのでどこからでも受講できます。
05/06/2025

NHKカルチャーセンター梅田教室

にて周密先生のオンライン講座があります。

梅田教室ですが、オンラインですのでどこからでも受講できます。

近年注目を集める中国のBL(ボーイズラブ)文化。本講座では、実写ドラマや映画を中心にその歩みをたどり、『魔道祖師』『二哈と彼の白猫師尊』などの人気作からセリフのニュアンスや文化的背景を読み解きます。また....

未発選書 32〈私〉の拡大と物語の現在戦後日本の近現代文学、サブカルチャー山田夏樹著四六判上製カバー装 定価6200円+税ISBN978-4-8234-1299-8装丁:中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)The Expansion of...
05/06/2025

未発選書 32

〈私〉の拡大と物語の現在
戦後日本の近現代文学、サブカルチャー

山田夏樹著

四六判上製カバー装 定価6200円+税

ISBN978-4-8234-1299-8

装丁:中垣信夫+中垣呉(中垣デザイン事務所)

The Expansion of the 'Self' and the Present of Narrative: Modern and Contemporary Literature and Subculture in Postwar Japan
Yamada Natsuki

ひつじ書房

【内容】
三島由紀夫、大江健三郎、北杜夫、村上春樹などの戦後文学や、手塚治虫、富野由悠季などのサブカルチャーを再読し、〈私〉の変容を探る。かつて内面的な自己表現の場であった物語は、現代のキャラクター化や断片的消費の中で新たな意味を持つ。戦後文学における〈私〉の語りとネット時代の自己演出を結びつけ、物語の受容とアイデンティティの変遷を読み解く。過去と現在を横断しながら〈私〉とナラティブのあり方を問い直す一冊。

【目次】

序章 物語受容の変化―コンテンツ・キャラクター・自己表現

I 問い直される〈私〉―戦後の足場と現在

第1章 大江健三郎「人間の羊」―「透明な壁」と「涙」

第2章 安部公房「プルートーのわな」―「沈黙の歌」をどのように聴くのか

第3章 三島由紀夫「橋づくし」―差別と模倣

第4章 三島由紀夫「鏡子の家」―「時代の壁」の解体

第5章 三島由紀夫「白蟻の巣」、北杜夫「輝ける碧き空の下で」、手塚治虫「グリンゴ」―ブラジル日系移民と勝ち組表象

第6章 北杜夫「楡家の人びと」―「基一郎の遺志」と語り手の位置

第7章 手塚治虫、梶原一騎作品の闇市表象―超越する時空

第8章 北杜夫「幽霊」―語り得ぬ「幼年期」に対峙する「ぼく」

II 模索される〈私〉―虚構との対峙

第9章 村上春樹「沈黙」―饒舌、「沈黙」の暴力

第10章 村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」―「唐突すぎる」切断/接続と連鎖する「選択」

第11章 阿部和重「アメリカの夜」、「インディヴィジュアル・プロジェクション」―「映画」の廃棄と〈私小説〉

第12章 伊坂幸太郎「終末のフール」―「父」とカタストロフ

第13章 川上弘美「神様2011」、竜田一人「いちえふ」、カトーコーキ『しんさいニート』―戦後の「壁」

第14章 震災マンガの表象―「機動性」・「主観」性・「実用性」

第15章 さくらももこ「ちびまる子ちゃん」、「神のちからっ子新聞」―創造される「私」(「作者」)

第16章 キャラクターとしての「萩原朔太郎」―群集に対峙する個

第17章 富野由悠季「機動戦士Zガンダム」―大量破壊と可能世界

第18章 富野由悠季「機動戦士ガンダムF91」―語り手のキャラクター性

著者紹介
山田夏樹(やまだ なつき)
〈略歴〉1978年、東京都出身。東京学芸大学教育学部卒業、立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程単位取得退学。博士(文学)。現在、昭和女子大学人間文化学部准教授。
〈著書〉『「ドヤ街」から読む「あしたのジョー」』(昭和女子大学近代文化研究所、2020)、『石ノ森章太郎論』(青弓社、2016)、『ロボットと〈日本〉』(立教大学出版会、2013)、共編著『文学理論と文学の授業を架橋する』(東京学芸大学出版会、2024)、『卒業論文マニュアル』(ひつじ書房、2022)、共著『夏目漱石 修善寺の大患前後』(昭和女子大学近代文化研究所、2022)など。

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英語会話がはずむ! 会話の「やりとり」にフォーカスした指導の理論と実践岩田祐子・大谷麻美・大塚容子・重光由加・村田泰美著定価3200円+税 A5判並製カバー装 272頁装丁 萱島雄太ISBN978-4-8234-1256-1ひつじ書房The...
29/05/2025

英語会話がはずむ! 会話の「やりとり」にフォーカスした指導の理論と実践

岩田祐子・大谷麻美・大塚容子・重光由加・村田泰美著

定価3200円+税 A5判並製カバー装 272頁

装丁 萱島雄太

ISBN978-4-8234-1256-1

ひつじ書房

Theory and Practice of Teaching English for Successful Interaction
Yuko Iwata, Mami Otani, Yoko Otsuka, Yuka Shigemitsu, Yasumi Gee Murata

【内容】
日本人は、なぜ英語会話にうまく参加できないのか? 本書は、その原因が日・英語のやりとり(インタラクション)の方法の違いにあると指摘する。そして、英語のやりとりの特徴を明らかにし、その指導方法を提案する。授業ですぐに使えるワークシートを紹介し、その効果も実証する。語用論の研究に基づく新しい英語会話の指導方法を提案する一冊。

【目次】
序章

第1章 日本人が英語会話に参加したときの実態
1. 楽しく英語会話に参加したのに、相手は不満をもつのはなぜ?
2. 英語力は高いのに会話に参加できていない例―実際の会話から見る
3. 日本人が、英語会話で話せない本当の理由
4. 本書が目指す英語コミュニケーション能力
5. 会話のやりとりとは
6. 異文化コミュニケーションには、語用の知識とやりとりの方法の習得が不可欠
7. やりとりの方法は、教える必要がある
8. 相手とやりとりをしながら何を話す?―話の中身も重要
9. 会話のやりとりの方法を教えるに際しての本書の立場
10. 本書の構成

第2章 日本語と英語の会話ではやりとりの方法が異なる
1. 英語会話におけるやりとりの特徴
2. 日本語会話におけるやりとりの特徴
3. 英語会話と日本語会話の比較

第3章  英語会話で常に聞き手になってしまう日本語話者
―日本語話者の英語やりとりの実態―
1. はじめに
2. 英語話者に会話の主導権を取られる日本語話者
3. 情報の提示─自分から進んで詳細な情報を提供しない日本語話者
4. 話題への関連づけ─相手の話題に「関連した短い語り」や「第二の物語」を語ることをしない日本語話者
5. 意見・考えの表明─自分の意見・考えを述べない日本語話者
6. あいづち─頻繁にあいづちを打つ日本語話者
7. 質問・応答─質問もせず、質問にも答えない日本語話者
8. 重複発話─重複発話をしない日本語話者
9. 英語話者と日本語話者による英語会話の分析から見えてきた課題

第4章  やりとりの指導方法開発の基盤
―語用論、第二言語習得理論、教授法―
1. なぜ英語のやりとりがうまくいかないのか─語用論からの説明
2. なぜ英語のやりとりの方法で話せないのか─第二言語習得理論からの説明
3. タスクに基づく外国語指導法(Task-based language teaching)について
4. おわりに

第5章 英語のやりとりの指導案とワークシート
1. はじめに
2. 指導案の概要
3. 指導方法とワークシート
4. まとめ

第6章 やりとりの方法の指導
―教室での事例―
1. 実践例1─海外インターンシップ参加学生への個別指導
2. 実践例2─指導案を短期で使用した事例
3. 実践例3─指導案を長期で使用した事例
4. おわりに

第7章 指導成果
―ELF 環境での英語会話の実践―
1. はじめに
2. 英語のやりとりの指導概要
3. 台湾人学生との英語会話
4. 韓国人学生との英語会話
5. 指導の成果とELF 会話の意義

おわりに
索引
著者紹介

【著者】
岩田祐子(いわた ゆうこ)
明治大学国際・ダイバーシティ教育研究所客員研究員、日本女子大学学術研究員。元国際基督教大学教養学部教授。元明治大学国際日本学部特任教授。国際基督教大学博士(教育学)。専門は社会言語学、語用論、異文化コミュニケーション、英語教育。
主な著書・論文に『日・英語談話スタイルの対照研究―英語コミュニケーション教育への応用』(共著、ひつじ書房、 2015)、‘ Dissent strategies: Disagreement in argumentative sequence in English as a Lingua Franca( ELF) contexts.’( 『明治大学国際日本学研究』第17巻第1号、2025)、『アートベース・リサーチ・ハンドブック』(パトリシア・リーヴィー著 岸磨貴子・川島裕子・荒川歩・三代純平監訳、第8章翻訳担当、福村出版、2024)など。

大谷麻美(おおたに まみ)
京都女子大学文学部教授。お茶の水女子大学博士(人文科学)。専門は社会言語学、英語教育。
主な著書・論文に『日・英語談話スタイルの対照研究─英語コミュニケーション教育への応用』 (共著、ひつじ書房、2015)、 ‘Interaction of self-disclosure by Japanese English language learners: Challenges and pedagogical implications.’( 『京都女子大学人文論叢』72号、2024)など。

大塚容子(おおつか ようこ)
岐阜聖徳学園大学人文学部教授。金城学院大学大学院文学修士。専門は日本語教育、談話研究。
主な著書・論文に『日・英語談話スタイルの対照研究―英語コミュニケーション教育への応用』(共著、ひつじ書房、2015)、「自然会話における感動詞「あっ」の機能―日本語教育の観点から」(宇佐美まゆみ編『日本語の自然会話分析―BTSJ コーパスから見たコミュニケーションの解明』くろしお出版、2020)など。

重光由加(しげみつ ゆか)
東京工芸大学工学部教授。日本女子大学文学修士。専門は語用論、英語教育。
主な著書・論文に ‘Question-answer sequences in Japanese first encounters: Wishing to get to know new persons vs. dispreferred behavior of asking questions.’( In Ilie, C.,(Ed.), Questioning and answering practice across contexts and cultures. John Benjamins. 2021)、翻訳書に『 ケンブリッジ英語百科事典』(分担、デイヴィッド・クリスタル著、朝倉書店、2024)など。

村田泰美(むらた やすみ)
元名城大学外国語学部教授。オーストラリア国立大学アジア研究科博士課程修了(Ph.D)専門は語用論、社会言語学。
主な著書・論文に「「発話行為」、「待遇表現(ポライトネス)と文化」」(塩澤正他編『英語教育学大系第3 巻 英語教育と文化』、大修館、2010)、「国際英語と文化とコミュニケーション」(塩澤正他編『現代社会と英語─英語の多様性をみつめて』金星堂、2014)、 ‘The need for explicit teaching of interactional skills: cultural assumptions underlying English language interactions.’( Meijo University Journal of the Faculty of Foreign Studies, vol.2. 2018)など。

住所

Sengoku 2-1-2 Yamato Buiding 2nd Floor
Bunkyo-ku, Tokyo
112-0011

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