SABA’s Station

SABA’s Station 小さな物語が生まれる場所。犬や猫、神社、月夜のカフェ…。心がほっとする創作をお届けします。

🚉✨ SABA’s Station、本日開通しました!これまで書いてきた物語たちを、ひとつの場所に集めたホームページ「SABA’s Station」 ができました。ここは、笑ったり、泣いたり、ほっこりしたり、ときには少し不思議な世界へとつな...
29/09/2026

🚉✨ SABA’s Station、本日開通しました!

これまで書いてきた物語たちを、ひとつの場所に集めたホームページ
「SABA’s Station」 ができました。

ここは、笑ったり、泣いたり、ほっこりしたり、
ときには少し不思議な世界へとつながる
**「小さな物語の駅」**です。

🐾『LOVE & PEACE』
🌙『Café de Luna』
⛩️『水杜神社譚』
そして、これから生まれる新しい物語たち。

駅のホームから、それぞれの物語へ出発できるようになっています。

今日は、どの物語へ出発されますか?

どうぞ、お好きな乗り場から、
ごゆっくり物語の旅をお楽しみください。

SABA「いってらっしゃいませ!」🚂✨

下の画像を押す⤵︎

SABA’s stationへようこそ 本日も、SABA’s stationへお越しいただき、ありがとうございます。 ここは、笑ったり、泣いたり、ほっこりしたり、ときには少し不思議な世界へとつながる、「小さな物語の駅」です。 今日は、どの....

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』72 The Red Ribbon of Promise ・ Part Ⅱ       ― 約束の赤いリボン(後編)『そして、ご主人と一...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』72

 The Red Ribbon of Promise ・ Part Ⅱ
       ― 約束の赤いリボン(後編)

『そして、ご主人と一緒に暮らし始めたんだ。』
『それで、お姫様って誰?』
『お姫様は、ぼくの初めてのお友達。人間の女の子だよ。とっても可愛いんだ。』
『ふぅん......。』
『あれは、ご主人との暮らしにもすっかり慣れた頃。ご主人がお仕事でしばらくいないって、久しぶりにママの所に泊まりに行った時のこと......。』

「絵里おばあちゃーん!!遊びに来たよー!!」
そのお姫様は、突然やってきた。
「まぁーっ、お姫様、大っきくなったわねぇ!!」
ご主人のお母さん、絵里さんは、笑顔で両手を広げると、しゃがんでその女の子を抱きしめた。
「えへへー、そうでしょ?」
「うん、ますます可愛くなっちゃって!!」
そういうと、絵里さんは女の子の頬にキスをした。
女の子は絵里さんの肩越しに、ぼくのママを見つけ、さらに大きな声を出した。
「あっ、グレイスだ!グレイス〜!!」
「ワンッ!」
女の子は、しっぽを振るぼくのママの元へ走り、首に腕を回してぎゅうっと抱きしめた。
ママも嬉しそうにしっぽを大きく振って、女の子の頬をぺろりとなめた。
『ほんと、大きくなったわね、お姫様!』
『お姫様......?』
ぼくは、ママの背後からぴょこっと顔を出した。そこには、おひさま色の髪の毛と、高く澄みわたる青空のようなキラキラ輝く水色の瞳をした、本当にお姫様みたいな可愛い小さな女の子がいた。
「あれ!?チビグレイスがいる!?」
その女の子は、ママの後ろに座っていたぼくを見ると、目を丸くして言った。
『ピース、この女の子は、あなたのご主人ジョンのお兄さんの娘さんよ。ご挨拶なさい。』
ぼくは首を傾げ、「わん!」と一声鳴いた。
『こんにちは!』
女の子は、ぼくのそばへ来ると、少し屈んでぼくの頭を撫でた。
「可愛い〜〜〜!!おばあちゃん、この子、グレイスの子供なの?」
「ふふふ、そうよ。名前は、ピースというの。」
「へぇ〜、ピース!素敵な名前ね。私はエマよ、よろしくね!!」
エマは、ぼくにもハグをし、頭に軽くキスをした。
『よ、よろしくね。』

それからぼくらは、いつも一緒だった。
一緒にご飯を食べて、一緒に遊んで、一緒に眠った。
周りのみんなが、エマのことを“お姫様”と呼ぶので、ぼくもそう呼んだ。
『お姫様、今日は何して遊ぶの?』
「ピース、今日はお姫様と騎士ごっこしよう!」
『また!?』
そう言うと、お姫様は大きな白いバスタオルを2枚持ってきて、1枚をぼくの首輪に引っ掛け、もう1枚を自分の肩に掛け、大きなマントにした。
お姫様は、ごっこ遊びの中でも、特に“お姫様と騎士の冒険の旅”遊びがお気に入りだった。もちろん、ぼくがお姫様を守る騎士だ。
たまに、ぼくの役が騎士じゃなくて、馬になって、お姫様がぼくにまたがる時もあったけど......。
ぼくらは、家中を探検し、ソファーの岩山を乗り越えたり、美味しい木の実を食べたり(オヤツの小さく切ったりんご)、村人(絵里さん)と話したり、毛布を丸めて作ったドラゴンを倒したりした。
最後は必ず、お姫様が髪に結んでいる赤いリボンを、ぼくの首輪に結んでくれた。
お姫様を守った騎士への勲章だった。

そして、とうとうお別れの日がやってきた。
お姫様はぼくにしがみつくと、迎えに来た両親に訴えた。
「やだ!まだ帰らないもん!!ピースともっと遊ぶんだもん!!」
ご主人によく似た男の人は、屈んでお姫様と目線を合わせると、優しく話しかけた。
「エマ、来年の夏休みに、また遊びにくればいいだろう?」
「もう、ピースとは会えないもん!だって、ピースはジョンおじちゃんと、日本っていう遠い国に行っちゃうんでしょ!?」
「えっ、そうなの?母さん。」
ご主人のお兄さんが、後ろを振り返って絵里さんに声をかけた。
絵里さんはすまなさそうに、うなずいた。
「私、ピースと一緒じゃなきゃお家に帰らない!」
お姫様は、さらにぼくを強く抱きしめると、首元に顔を埋め、しくしくと泣き出した。
いつも元気に笑ってる、お姫様が泣いている......。ぼくの初めての人間のお友達、もう会えないの?ぼくも、とっても悲しい気持ちになった。
「きゅ〜〜〜ん......。」
『泣かないで、お姫様......。』
困り果てた大人たちがため息をついていた。
すると、絵里さんが急に笑顔になり、お姫様に寄り添うと、その耳元で何かをそっとささやいた。
するとお姫様は埋めていた顔をあげ、絵里さんを見て、震える声を出した。
「......ほんと?おばあちゃん。」
「ええ、もちろんよ。約束するわ!」
「......分かった。」
お姫様は涙を拭うと、ぼくの顔に両手を添え、語りかけた。
「ピース、私帰っちゃうけど、きっとまた会おうね、約束だよ?それまで私のこと、忘れないでね......。」
そう言うと、お姫様は、髪に結んだ赤いリボンを解くと、いつものように、ぼくの首輪に結びつけた。
「ピース、約束よ?ずっと、お友達だからね?」
『うん、うん!忘れないよ!お姫様は、ずっとぼくの大事なお友達だよ!』
そうして、お姫様は帰って行った。
ぼくらは、お姫様の車が見えなくなるまで、ずっと見送っていた。

『それから、また帰ってきたご主人と暮らしたんだ。そして、近所にあるハートの形の木の葉が黄色くなった頃、ご主人とぼくはお家を出て、ここへやってきたんだよ。』
『ふぅん......。』
『だから、これは大切なぼくの宝物なんだ。』
ラブは、ピースの首元の赤いリボンをじっと見つめた。
さっきまでは、ただのひらひらしたおもちゃだった。それが今では、勝ち誇ったように、きっちりと綺麗に結ばれている。
ラブは、なんだか胸の中がもやもやした。
『......そんなに大事なものなら、あんなふうに、ひらひらしないようにしてよね!』
ラブは、少しつっけんどんに言うと、プイッと顔を横に向けた。
『うん、これからはもっと気をつけるよ。』
ピースが反省顔でそう言うと、ラブは少し顔をしかめた。
『......つまんなーい!!白ネズミのおもちゃで遊ぼうっと!!』
そう言うと、背を向けて行ってしまった。
『ありゃりゃ。リボンで遊べなくて、拗ねちゃったかな......?』

数分後――
『とりゃあっ!!』
『えいっ!! えいっ!!』
『こんにゃろっ!!』
ラブが白ネズミのおもちゃとプロレスごっこをしていた。
猫パンチを繰り出しては飛びかかり、押さえつける。噛みついたかと思えば、後ろ足で連続キック。飛び退いては、また飛びかかる。
どんどんヒートアップしていくラブの様子を、ソファーからあんぐりと口を開けて見ていたジョンが、思わずつぶやいた。
「ネズミくん、御愁傷様……。」
白ネズミが宙を舞う。
「それにしても、荒れてるな、ラブ。何かあったのかな?」
すると、ジョンの足元で眠っていたピースがくしゃみをした。
「くしゅん!」

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』71 The Red Ribbon of Promise ・ Part I        ― 約束の赤いリボン(前編)ひらひら...ひら...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』71

 The Red Ribbon of Promise ・ Part I
       ― 約束の赤いリボン(前編)

ひらひら...
ひらひらひら......。
ピースが歩くと、その首輪から赤く細長いリボンがひらひらと舞った。
ラブは思わず駆け寄って、リボンの端に狙いを定めた。
『えいっ!』
『わっ!』
ピースが飛び退くと、リボンもひらりとラブの攻撃をかわす。
『さあ、ピース。そのまま、じっとしててちょうだいね!』
『あっ、ダメ!ダメだよ、ラブ!!』
『とりゃぁ〜〜〜っ!!』
なおも飛びかかるラブをかわし、ピースがジョンの元へと走った。
『ご、ご主人〜〜〜っ!!』
ひらひらとリボンが踊るので、ラブもそれを追いかけた。
ピースはリビングへ入ると、ソファーで読書をしていたジョンの足元へ走った。ラブも後を追って、リビングへと入ってくる。ピースは上目遣いにジョンを見上げ、鼻をピスピスと鳴らした。
「どうしたの、ピース?」
ピースが頭をブルブルと振ると、赤いリボンがひらひらと上下した。ピースはジョンの膝の上に自分の頭を載せた。
「あ、リボンが解けちゃってるね。」
そう言うと、ジョンはリボンを結んだ。
「これでよし!しっかり結んだから、もう大丈夫だよ。」
『ありがとう、ご主人!』
それを離れたところで見ていたラブが、舌打ちした。
『なによピース、ケチね!ちょっと遊ばせてくれてもいいじゃない。』
『ん〜、これは絶対にダメだよ、ラブ。お姫様にもらった、ナイトの称号なんだから。』
ピースが誇らしげに言った。
『ナイト?何それ?』
『綺麗なお姫様を守る、強くてかっこいい騎士のことだよ。』
『強くてかっこいい......?......誰が?』
『ぼくが!!』
『......そうなの?......?』
『あっ、なんなの、その反応!?失礼しちゃうなー。ぼく、産まれた時から、しっかり者の頼れるかっこいいお兄ちゃんだったんだからー!』
『......。』
『ぼくが産まれたのは、とっても遠い所なんだよ......。』
2025年2月14日の明け方。アメリカ合衆国・ワシントン州・シアトル郊外・ミラー家にて、グレートピレニーズ犬グレイスが8匹の仔犬を出産した。
5日後の夕方、ジョンは出張から帰ると、すぐに実家へとやってきた。
「母さん、子犬産まれたんだね!グレイスは、どこ?」
「ああ、おかえりジョン。ほら、こっちよ。」
母親に導かれ部屋へ入ると、そこには母犬グレイスと、8匹の赤ちゃん達がいた。
グレイスは、ジョンをみると、横たわったまま頭をもたげ、嬉しそうにしっぽを振った。
ジョンは側へ行き、屈んでグレイスの頭を優しくなでた。
「頑張ったね、グレイス。おめでとう!」
子犬はみんな、まるまる・コロコロとした、とっても可愛い赤ちゃん達だった。
「So cute!!」
思わず声を出し、1匹ずつそっと触れるように撫でる。隣でジョンの母・絵里も、うんうんと頷いている。
「あれ?この子、他の子達より小さくない?」
ジョンはそう言うと、1匹の子犬を指さした。
「そうなのよ。6番目に産まれた男の子なんだけど、他の兄弟と比べると少し小さいのよね。動きもおっとりしてて、他の兄弟達にいつもお乳を取られちゃうの!」
ジョンの母は、その子犬を両手で優しく包み込むように抱き上げた。
「それにね、見て見て!胸の中央にグレーの痣があるのだけど、なんだかハートの形みたいじゃない?」
「あっ、本当だ!ハートに見えるね。」
「だんだん毛が伸びてきたら、見えなくなっちゃうんだろうけど、可愛いわよね。」
そういうと、彼女は子犬をジョンへと手渡した。
ジョンの腕の中で、子犬はすやすやと眠っている。
「ほんと、可愛いなぁ。......ねぇ母さん、僕が日本へ行く時、1匹連れて行っていいかなぁ。」
「そうね、ええ、いいわよ。その子がいいの?」
「いや、どの子でもいいよ。グレイスの子だもん、みんな可愛いよ!大きくなったら、この子達の貰い手探すんだろ?僕は最後に残った子を、日本での僕の相棒にするよ。」
「いいわね。小さい時に遊びに行ってたといえど、住むとなると全くの1人より心強いものね。それで、おじいちゃん家のリフォーム、どうするの?」
「うん、今度の日本出張の時に、O市へ寄って、施工会社と打ち合わせするんだ。あとは、リモートで確認できるし、こっちで仕事しながら準備できそうだよ。」
「そうなのね。」
「うん。もっと早く、おじいちゃんとおばあちゃんが生きてるうちに、叶えたかったけどね。」
「......きっと、おじいちゃんもおばあちゃんも、喜んでくれてるわよ。」
絵里は、ジョンの肩に手を置き、とんとんと優しく叩いた。
それから2ヶ月後、子犬達はすくすくと成長し、1匹、また1匹と飼い主が決まり、引き取られていった。
そして、母犬グレイスの元には、あの6番目のおチビちゃんが残った。
おチビちゃんもすくすくと育ち、まだ生後二か月半とはいえ、すでに小柄な柴犬ほどの大きさになっていた。
顔は、まだまだ幼さが残っている。
ジョンはピースの身体に両腕を回し、よいしょ、と抱き上げた。
ふわふわなのに、思ったよりずっしりと重い。
「ふふふ...。あの日初めて抱っこした時から、なんとなく予感してたんだ。やっぱり君は、運命の相棒だったね!」
「わんっ!」
「ずっと、相棒の名前を考えてたんだ。君の名前は、Peace(ピース)だよ。10月には一緒に日本へ行こうね。よろしくね、ピース!!」
子犬は、ピスピスと鼻を鳴らすと「わん!」と吠えた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』70 Fumiko and the Black Cat       ―二三子さんと黒猫とある病院の広い個室に、1人のご婦人が入院していた...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』70

 Fumiko and the Black Cat
       ―二三子さんと黒猫

とある病院の広い個室に、1人のご婦人が入院していた。
名前を二三子さんといった。
二三子さんは、猫が好きではなかった。
苦手だった。
というのも、二三子さんご自慢の庭に、いつも野良猫が侵入してくるからだ。
彼女が丹念に育てた木々や花々に彩られた素敵なお庭に、ある日、猫のフンがあった。
それからというもの、彼女の中で猫との戦いが始まったのだ。
ある時は、猫が侵入できないよう、トゲ状の柔らかい樹脂製の猫よけマットを敷いた。
また、ある時は、猫が嫌がる柑橘系やハーブ系の香りのする猫よけ剤をあちこちに置いた。
しかし、野良猫は全く気に留める様子もなく悠々と侵入してきた。
猫を見かける度に、「しっ!しっ!」と追い払っても、しばらくすると何事も無かったかのように、また庭を徘徊している。
最近では、もういちいち反応するのもバカらしくなり、ため息をついて見送っていた。
「はぁ。今頃、また悠々とうちの庭を歩き回ってるんでしょうね。エサをやってる隣のお宅にはフンをしないらしいけど、隣の家をご飯食べる所で、うちをトイレとでも思ってるのかしら!」
二三子さんは、もやもやする気持ちを落ち着けるため、ベッド横の大きな窓から外を眺めた。
窓のすぐ外には、垣根に囲われた手入れの行き届いた小さな庭がある。
苔むした地面には大小の岩が置かれ、ところどころに竹が植えられている。
「それにしても、暇ね...。」
すると、黄色い首輪をした 1匹の真っ黒い猫が、こちらへと歩いてきた。二三子さんは不機嫌そうに見た。
「......どこから来たのかしら。」
近くまで来ると、伸びをし、毛繕いをし始めた。
「......。こんな所にきてまで、猫に会うなんて。」
二三子さんは、人差し指を黒猫に向けて窓ガラスに近づけると、
「しっ!」
と言って、追い払うように指を横に払った。
すると、それに反応して、黒猫が指先の方に飛びついてきた。
「......。」
今度は、反対の方向へ、指をシュッと払う。
すると、また黒猫はそちらへ飛びついてきた。
「......。」
二三子さんは、今度は少しスピードをつけて、指をシュシュシュッと動かした。黒猫もそれに合わせてぴょんぴょんと追いかけてくる。
無言の攻防が続き、やがて飽きたのか黒猫は去っていった。
二三子さんは、やはり無言でそれをじっと見送った。
そして、
「やっぱり嫌いだけど、まぁ暇つぶしには悪くないかしらね。」
と、呟いた。

ジョンの家。
お縁の小さな扉が、パタンと鳴った。
散歩から帰ってきたラブを、ピースがしっぽを振って出迎えた。
『ただいま〜。』
『おかえり、ラブ!今日は、少し遅かったね。お母さんの手掛かり、何かあった?』
『ううん、無かった。でもね、途中で人間のおばあちゃんと遊んだの。すっごく楽しかった!』
『ふぅん、よかったね!』
『また今度、遊びに行ってあげようっと!』
ラブはそう言うと、ご機嫌でしっぽをゆらゆらと揺らした。

翌日。
二三子さんは、病室の大きな窓から外を眺めていた。
「暇ね。……今日は、来ないのかしら。」
空を見上げると、青空に白い雲がゆっくりと流れていた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』69 A Little Door to Hope - Part Ⅱ       ―希望への小さな扉(後編)翌朝の早朝、まだ暑さが柔らかい...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』69

 A Little Door to Hope - Part Ⅱ
       ―希望への小さな扉(後編)

翌朝の早朝、まだ暑さが柔らかい時間に、ジョンはラブとピースと一緒に庭に出た。
ピースは庭に出ると顔をしかめて言った。
『うわぁ、ほんと暑いね...。』
『そう?昨日出た時ほどじゃないわよ?もふもふは、大変ね!』
ジョンに呼ばれるままついていくと、外へと出る木の戸へ着いた。ピースはパッと笑顔になると、しっぽをパタパタと振った。
『お散歩かな!?』
『いやいや、ピースは無理でしょ。』
ジョンは、2匹に振り返ると、木戸の下の中央部分を手のひらで指し示し、また、あの効果音を口づさんだ。
「ジャジャ〜ン!!」
そこには、上辺を蝶番で取り付けられた四角い板があった。
『......。』
『......。』
「......、あっそうか!」
ジョンは屈むと、その板の下を持ち、手前に持ち上げた。するとその下から、縁側に出る扉と同じ、透明の扉が現れた。ジョンは上げた板をフックで留めた。そして、また、透明の扉を手でパタパタとした。
「ほら、ラブ。縁側の出入り口と同じ扉だよ。外に自由に出入りできるよ。」
『......。』
『......ラブ、外に出れるよ?』
『おやつが無い...。』
「......はぁ〜っ、ダメかぁ〜っ。」
ジョンは、がっくりとうなだれた。
「よしっ!」
そう言うと、ズボンのポケットの中からラブのおやつを取り出した。そして、外側へ出て少し離しておやつを設置すると、また中へと戻ってきた。
「さあ、ラブ!外におやつが...。」
そう言いかけるや否や、ラブはいとも簡単に扉からスッと出てしまった。
「あっ。」
『あっ。』
ジョンが小さな透明の扉を押し上げ外を覗き込むと、美味しそうにラブがおやつを食べている。
「喜ぶべきか?いや、なんか複雑なんだけど......。」
「わん、わんわん!」
『ラブ、外に出ちゃったの!?』
と、庭からピースがラブに尋ねた。
『うん、おやつ食べちゃったわ!ごちそうさまー!』
そうして、満足げに顔を洗い始めたラブが見える。
「はぁ。してやられたな......。」
ジョンはつぶやいて立ち上がった。ふとピースを見ると、口を開けたままで浅く呼吸しているのに気づいた。
「あっ、ごめんよピース!まだまだ朝でも君には暑すぎたよね。さっ、戻ろう!ラブー、家に帰るよー!」
そう言うとジョンは庭の戸を開いたが、そこにラブの姿はなかった。
「ラブ!?ラブー!」
焦るジョンにピースが「くぅん。」と話しかける。
『ご主人、ラブはお散歩に行ってくるって言ってたよ。』
ジョンは、スマートフォンでラブの位置情報を確認した。少し歩けば連れ帰れる距離だ。
「う〜〜〜んん......。ラブの自由のために、ここで連れ戻しちゃダメだ!!」
ピースはジョンを見上げ「きゅ〜ん。」と鳴いた。
『この辺回ってくるだけだって言ってたから、すぐに帰ってくるよ。』
「そうだね、心配だけど家で待とうな。」
ジョンとピースは、家の中へと戻っていった。
ジョンはピースに冷たい水を与え、コーヒーを淹れた。
ピースは水を飲むと、部屋の中をウロウロと歩き回った。
ジョンは、コーヒーを片手に窓へ行き、外の庭を見渡した。時計をちらりと見る。
「10分......。」
ラブの位置情報を確認すると、ソファーへ戻りコーヒーをひとくち飲んだ。
部屋をウロウロしていたピースが、ジョンの元へやってきた。
『ねぇ、ご主人。ラブ帰ってこないね。』
「ピース、まだ10分しか経ってないよ。」
ジョンが呆れ顔でピースの頭を撫でた。
ピースは、また部屋をしばらくウロウロと歩き回ると、玄関へと向かった。座って、じっと玄関を見つめていたが、なんの匂いも音もしないので、またジョンの元へと戻った。
ジョンも、またコーヒーを持って窓の外を見ている。ピースが足元へやってくると、ちらりと時計を確認した。
『ご主人、ラブ遅くない?』
「ははは、まだ15分しか経ってないぞ?心配症だなぁ。」
ピースは、また部屋をウロウロすると、今度はお縁へ出る、あのラブ専用の扉へと向かった。ガラス戸から外を見るが、変わった様子はない。小さな扉に鼻を突っ込んでみたが、やはりそれ以上外へは出られない。また、ジョンの元へと戻っていった。
ジョンは、コーヒーを片手に、壁掛け時計と睨めっこしていた。
『ねぇねぇ、ご主人。ラブを探しに行こうよ。』
「ピース、そんなに心配しなくても、ラブは大丈夫だよ。ほんと、過保護だなぁ。ははは...。」
その時、かすかにパタンとあの扉の音が聞こえた。
ジョンとピースは、いっせいに走り出し、帰ってきたラブを見て歓声をあげた。
「よかったぁぁぁ!ラブ〜!!」
『おかえり、ラブ〜!!よかったぁぁっ!!』
ジョンは駆け寄ってラブを抱き上げ、ぎゅっと抱きしめた。ピースは、その周りをしっぽを振ってぐるりと回った。
『…………何事!?』
ラブが驚いて目を丸くしている。
『ちょ、ちょっと!暑くって帰ってきたのに、これじゃ暑苦しいじゃない!』
「ラブ〜〜〜っ!!」
『ラブ〜〜〜っ!!』
『もう、離して〜〜〜っ!!!』

その夜。
「じゃ、おやすみ。ラブ、ピース。」
ジョンは部屋の明かりを消して、自室へと行った。
あくびをするラブに、ピースが話しかけた。
『ラブ、よかったね!これからは、自由に外へ出られるね。』
『うん!ほんとに嬉しい!』
『ところでラブ、本当は扉の開け方、すぐに分かったんでしょ?』
『あ、当たり前でしょ。見た瞬間に、すぐに分かったわよ。分からないふりしたのよ、おやつ作戦よ!』
『......見た瞬間?そうだったの。』
『も、もちろんよ!さっ、もう寝るわよ、ピース!』
そう言うと、ラブはそそくさと目をつぶった。
『ほんと、可愛いんだから......。』
ピースは、にっこりと小声で呟き、静かに目を閉じた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』68 A Little Door to Hope - Part I       ―希望への小さな扉(前編)カンカンカンカンカンカン!ガー...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』68

 A Little Door to Hope - Part I
       ―希望への小さな扉(前編)

カンカンカンカンカンカン!
ガーーッガーーッガーーッガーーーッ
その日は、朝からうるさかった。トンカチや電動ノコギリの音が、庭から響いていた。
それが終わったかと思えば、次は、「今日は入室禁止」と言われた部屋から、また同じ音がし始めた。
カンカンカン!カンカンカンカン!
ガーーッ、ガガーーッガーーーッ
室内に移った分、作業音は前より大音量だ。
『う・る・さーーーーーいっ!!!』
ラブがイカ耳で怒りを露わにした。
『ほんと、すごい音だね。おうち、壊れそうだよね。』
ピースは恐々とソファーの後ろから音のする方向を覗き見、ラブはおもちゃの白ネズミをガジガジ噛んで、怒りをぶつけていた。
「どうも、ありがとうございました!」
作業はお昼前には終わり、ジョンは冷たい麦茶を出した後、大工さんを見送った。
庭から外へ出る木の扉の下の方に、小さな通り穴が作られている。
ジョンはそれを確認すると、満足げに微笑んで、家の中へ戻って行った。
「ラブー!ピースー!」
2匹が呼ばれて行くと、閉じられていた部屋のドアが開けられ、ジョンが縁側に面した窓の側に立っていた。
『はい!ご主人!』
ピースは、行儀よく座ると、ジョンを見上げてパタパタとしっぽを振った。
ラブは、遅れてゆっくりとやってくると、ちょこんとピースの隣に座った。
『なに?ジョン。おやつ?』
ジョンはニコニコと笑っている。
「ふふふ...ジャーン!!」
ジョンがスッと横にずれると、ガラス戸の下の木の部分にぽっかりと小さな四角い穴が空いていた。
『あっ、穴が空いちゃってる!』
『ほんとだ!』
「ほら!ほらほら!」
ジョンは、四角い穴に取り付けてある透明の扉を押してパタパタとさせた。
扉は内側からも外側からも押して開くことができ、手を離すと、仕掛けたバネでパタンと元の位置に戻る。
『......。』
『......。』
「......あれ?」
ラブもピースもジョンを見つめている。
ジョンは、ラブを抱きかかえると、扉の前に座らせた。
「ラブ、ほら、開けるよ!ほらほら!」
又、扉をパタパタとし、今度は扉を押し上げ開いたままにした。
ラブは床をくんくんと嗅ぐと、ジョンを見上げ、一声「にぁ〜。」と鳴いた。
『?おやつは?』
「......。」
ジョンは、ラブが前に踏み出すよう、ラブのお尻をぐいっと押してみた。けれど、ラブは動かなかった。もう少し力を入れてぐいぐいと押してみる。すると、ラブは前足を伸ばして動かないよう踏ん張った。不満そうに「にゃ、にゃあ〜〜!」と鳴く。
『ちょっとジョン!レディのお尻を押すなんて、失礼じゃないの!』
ジョンはなんともいえない複雑な表情をしていた。
「......よし!」
ジョンは目をつぶって頷くと、ラブのおやつを持ってきて、扉の外側へ置いた。
そして、また、扉をパタパタとして見せ、
「ほら、ラブ!おやつがあるよ!」
と言い、また扉を押し上げたままにした。
ラブは扉から頭を出し、クンクンとおやつを確認した。
「よし!そのまま出るんだ、ラブ!」
だが、ラブはそれ以上出ようとせず、右前足を伸ばし、ちょいちょいっとおやつを中へ入れると頭を引っ込めた。
扉の前で美味しそうに食べるラブを見て、ジョンはがっくりとうなだれた。
「違う...違うんだ、ラブ......。」
ピースは首を傾げて見守っている。
ジョンは、もう一度、外側の今度はもっと離れた位置におやつを置いて、扉を押し上げた。
「ほら、ラブ!あそこに、おやつがあるよ!」
『?なんなの?』
ラブが、またお尻を押されまいと警戒しながら、扉に顔を近づけると、ピースが後ろから鼻先でドンッと押した。ジョンばかりを気にしていたラブは、ふいをつかれ、扉から飛び出してしまった。ジョンは思わずガッツポーズをした。
「やったー、ラブ!よくやった、ピース!」
ラブは、イカ耳で振り返り、ピースに非難の目を向けた。
『あ、ほらラブ!庭に出れたよ!』
ピースにそう言われ、ラブは自分が縁側に出ていることに気付いた。
『あ、ほんとだ!外に出てるわ...あ、おやつ発見!』
ラブはまた、おやつを美味しそうに食べた。
ジョンは、また扉を開けたまま声を掛けた。
「ほら、ラブ。今度は、そっちから中に入っておいで。」
『ラブー、こっちだよー!』
『......、おやつは?』
ラブは扉の構造を理解したのか、していなかったのか、しばらく時間がかかったが、ようやく自分で扉を押し開けるようになった。
ピースがしっぽを振って、「きゅ〜ん......。」と鳴いてジョンを見上げている。
『ご主人、ぼくも出たい......。』
「ピース、外はとっても暑いから、出すわけにはいかないよ。ほら、ピースにもおやつあげるから。」
『やったー!!』
ラブは庭まで出ずに、すぐに家の中へと戻ってきた。
『うひゃあ〜、外めちゃくちゃ暑かった〜!!』
そう言うと、水を飲みにキッチンへ向かった。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』67 Love’s Secret Hideout       ―ラブの秘密基地気づくとまた、紙袋にラブが潜り込んでいた。「ラブー、そろそ...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』67

 Love’s Secret Hideout
       ―ラブの秘密基地

気づくとまた、紙袋にラブが潜り込んでいた。
「ラブー、そろそろ、その紙袋を片付けたいんだけど...。」
ジョンが手を伸ばすと
『だめっ!だめだめっ!!』
バシッ!バシバシッ!!
ラブがネコパンチを繰り出してきた。
ジョンは、つい面白くなって紙袋の上や横をくすぐるように、カサカサと音を鳴らして手を移動させた。
すると、ラブは紙袋の中で夢中になってジョンの手を追いかけてネコパンチを繰り出した。
しばらく遊んであげると、
「さあラブ。そろそろいいだろ?出ておいで。」
と声を掛けたが、ラブは紙袋の中で知らんぷりしている。
しょうがないのでジョンは取っ手を持って、少しずつ紙袋を持ち上げてみた。
慌てて出てくるかと思いきや、ラブは入ったままズルズルと底に落ちていき、紙袋を持ち上げても、中から出てこなかった。
「はぁ。...しょうがない、そんなに気に入ったの?降参だよラブ。」
そう言うと、ジョンは部屋を出て行った。
その様子を見ていたピースが、紙袋に声をかけた。
『そんなに居心地いいの、そこ?もうご主人に返してあげたら?ラブ』
ピースが紙袋に顔を突っ込んで、ピスピスと鼻を鳴らすと、ラブはすかさずその鼻先をバシバシと叩いた。
『ダメダメッ!ここは、わたしの秘密基地なんだから!』
『痛っ、痛たっ!』
ピースは慌てて顔を出すと、困惑顔でその紙袋を見つめた。
『...ひみつきち?......秘密...基地?......全然、秘密になってないよね...?』
すると、ラブは紙袋から少し顔を出し、ピースを見上げ
『お気に入りの場所ってこと!!』
と言って、すぐに顔を引っ込めた。
『ふぅん、そうなの......。』
仕方がないので、ピースは紙袋の横に身体を横たえた。
それからしばらく、ジョンとラブの攻防戦が続いた。
ジョンは、ちょくちょくラブの様子を見に行ったが、紙袋の中から出る様子はない。
ラブが水を飲んでいるのを見て、さあ回収しようとすると、ラブは慌てて戻ってきて、紙袋の中へ入ってしまう。
「おいで。」
と声を掛けても、紙袋の中から
「にゃあ(やだ!)」
と返事をするだけ。
しかし、とうとう翌日、晩ごはんを食べている間に、ラブの秘密基地は、片付けられてしまった。
『ああ〜〜〜っ!!!わたしの!わたしの秘密基地が、無くなってる〜〜〜っ!!』
満腹感で幸せな気持ちで戻ってきたラブは、一気に絶望の淵に落とされてしまった。
『酷い〜......。』
『まあまあラブ、もう秘密基地ボロボロだったじゃない。しょうがないよ。それより、ね、一緒に遊ぼうよ!』
『ううう〜......。』
『ほら、追いかけっこだよ!よーい、ドン!』
『あ、まってよ、ピースー!』
2匹が仲良く遊んでいると、
ピンポーン、とインターホンが鳴った。
『あっ、誰か来たよ!』
『なにかしら?』
2匹が玄関へ向かうと、ダンボール箱を持ってジョンが歩いてきた。
「やっと、届いたよ。」
ジョンはラブにウインクすると、リビングへと向かった。2匹も後をついて行く。
2匹が見守るなか、ジョンはソファーに座るとダンボール箱をあけた。
中から3つの箱を取り出して、そのうちの2つを開封した。注文していた猫用と犬用のGPS装置だ。そして、ラブを抱き上げ、猫用の物を首輪にしっかりと取り付け、ピースの首輪には、犬用の物を取り付けた。
そして、iPhoneに専用アプリをインストールした。
ラブとピースの名前を登録し、自宅を「安全エリア」として設定する。
地図には、二つのアイコンが並んで表示された。白い犬のマークと、黒猫のマーク。
ジョンは二つが並んでいるのを確認すると、満足そうに微笑んだ。
「さ、これで安心だ。」
GPSの設定を終えると、ジョンは残りの1つの箱を開けた。
「それから、これ。」
留守番中のラブとピースの様子を確認するために注文していた、ペットカメラだ。
ジョンはリビング全体が見渡せる場所にカメラを設置すると、こちらもiPhoneと接続した。
「よし。これで外にいる時も、二匹の様子が見られるな。」
試しにiPhoneでペットカメラの映像を確認してみる。
画面にはリビングと、その中にいるピース、そしてジョンの姿も映っていた。
「……あれ?ラブは?」
ジョンは画面から顔を上げた。
さっきまでピースの隣にいたはずのラブが、どこにもいない。
「ラブー。」
ソファーの下、カーテンの裏、部屋中を探してみたが、やはりいない。
「ラブが消えた……!?」
すると、ピースがワン!と一声。
振り向くと、ダンボール箱の横に座って、ピースがしっぽを振っている。
「……。」
ジョンはピースの元へ行くと、ダンボール箱の上に折り重なっていた蓋を、そーっと持ち上げた。
そこには、満足そうにくつろぐラブの姿があった。
「あ〜〜〜……。」
ジョンはがっくりと肩を落とした。

翌日――。
リビングには、蓋をきれいに内側へ折り込んでもらい、“LOVE’s ROOM”と書かれたダンボール箱が置いてあった。その中では、ラブが丸くなって気持ちよさそうに眠っている。
そして、ダンボール箱のすぐ横にはピースが、新しいラブの秘密基地を守るように、寄り添って眠っていた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』66 モール編⑤Showing Off Our New Treasures       ―お買い物のおひろめ会その夜の夕食後、ジョンは、...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』66

 モール編⑤Showing Off Our New Treasures
       ―お買い物のおひろめ会

その夜の夕食後、ジョンは、ピースとラブをリビングに呼ぶと、モールで買った品物の入った紙袋を取り出し、おひろめ会をはじめた。
『わっ、何かな?何かな?』
と、興味津々のピース。
『もちろん、おやつは買ってるわよねぇ?』
と、冷静なラブ。
「ジャンジャジャーン!」
ジョンは、効果音を口ずさみ、1つ目の品物を取り出した。
「ピースの新しい首輪!」
『......。』
『......。』
ジョンは、ピースの古い首輪を外すと、新品の革の首輪をつけ、いつもの赤い細いリボンを結びなおした。
「おー、よく似合うよピース!」
ピースはしっぽを振っていたが、ラブは『ちっ。』と舌打ちして、そっぽを向いている。
「さっ、次ーっ!」
ジョンは紙袋から、骨の形をしたデンタルガムを取り出した。見た途端、ピースが「ワン!」と吠える。
『やったーっ!もう小さくなって、噛み心地が悪かったんだ!嬉しいーっ!!』
ラブはちろりと横目で、ガムをガジガジと噛んでいるピースを見た。
『ピースばっかりー......。』
「さ、次はラブだよー。」
『なに!?おやつ!?』
「ジャーン!!」
袋の中からは、黄色い細めの首輪が出てきた。
『えーっ!』
ジョンは、逃げようとしたラブをひょいっと抱き上げ、ラブの首にそれを装着した。
ラブは、イカ耳になっていて、不機嫌な様子だ。
「おっ!ラブ、似合うねー、可愛いねぇー!!」
おだてるようにジョンが声を掛けると、ピースも「わん!」と吠えた。
『あ、本当だ。素敵だね!』
『騙されないんだから...。もう、こんなのっ!えいっ!うんっ!』
ラブは、首輪を外そうと首や身体をくねらせたり、前足でひっかけて外そうと試みたが、首輪は全然外れなかった。
「ふふふー、残念でしたラブ。今回の首輪は、そんなに簡単に外れないよ!まあ、安全バックル付きだから、危ないことはないけどね。」
『むぅ……。』
「さ、次、次〜♪」
ジョンは、紙袋から何かを掴むと、
「はい!ラブ!!」
と、ラブの目の前で手を数回振って、ポーンと放した。
ラブは途端に目つきが変わり、放られた物を追いかけて行った。
そして、放られた物をくわえて、ご機嫌で戻ってきた。
『なになに?ラブ、それ何だったの!?』
ピースが尋ねると、ラブはピースの前にくわえていた物を落とした。
『あっ!白いネズミさんだ!』
それは、白い細長いネズミの形をしたぬいぐるみのおもちゃだった。
『ふっふっふっ。ジョン、なかなかセンスあるわね!私の好みを分かってるじゃない!』
そう言うと、白ネズミのおもちゃをちょいちょいと突いて遊び始めた。
「次は、ピースにだよー!」
そう言うとジョンは、続けて袋から何かをピースに向けてぽいっと投げた。
「わんっ!」
ピースは元気よく返事をすると、投げられた物を口でキャッチした。大型犬用の、両端を結んである太いロープのおもちゃだった。
「ラブもピースも、気に入ってくれたみたいだな。よかった!」
そう言うとジョンは、空になった紙袋を横にぽいと置いた。
『よかったね、ラブ!素敵なプレゼントもらえて!』
『うん。でも、おやつも欲しかったー!』
ラブはそう言うと、白ネズミのおもちゃをくわえて、ジョンの方へ歩いて行った。
『ま、いいか。これで、勘弁してあげる。』
そう言うと、ラブは白ネズミをくわえたまま、すっかりご機嫌な様子で紙袋の中へと潜り込んでいった。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』65    モール編④The Perfect Concierge       ―完璧なコンシェルジュこのショッピングセンターモール、Gr...
29/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』65

    モール編④The Perfect Concierge
       ―完璧なコンシェルジュ

このショッピングセンターモール、Green Garden Mall には、とても上品でスマートなロマンスグレー、コンシェルジュの片平紳一さんがいる。
細やかな気遣いや柔らかな物腰で、お客様にも他のスタッフにも、とても人気のある男性だ。

その日、片平さんはいつものようにモール内を巡回していた。館内をゆっくりと歩きながら見渡し、お客様に困った様子がないか目を配っていた。

すると、ペット用品店の前の椅子で、若い女性達に囲まれたハーフらしい青年と、大きな白い犬、そして黒い猫が目に留まった。
犬も猫もリードでしっかり管理され、青年が落ち着いて見守っている。

若い女性達が去っていくと、片平さんは飼い主のジョンに、にっこりと挨拶した。
「こんにちは。」
ジョンも笑顔で返した。
「こんにちは。」
「このモールでコンシェルジュをしております、片平と申します。」
片平さんは、首から下げた社員証を軽く示した。
「あ...。」
ジョンは、ラブとピースを連れていることを、注意されるだろうかと、ちょっと不安になった。
すると、それを察した片平さんは、柔らかく微笑んでうなづくと、
「素敵なワンちゃんと、可愛いネコちゃんですね。」
と、ピースの頭を撫でた。
ピースは片平さんを見つめ、しっぽを振った。
ジョンはほっとして、また笑顔を返した。
「ありがとうございます。ピースという名前です。猫の方は、ラブという名前です。」
「名前も可愛いですね。私も、犬や猫を飼っていたんですよ。今は賃貸なので飼えなくて、寂しいのですが......。」
そう言うと、今度は少し屈んでラブを撫でた。
そして、ラブを抱っこしようと腕を伸ばした。
「さぁ、おいで......。」
その時......

ジャーーーーーン!!!!

急に大きな音楽が鳴り響いた。
近くにある特設ステージで、子供向けイベントが始まったのだ。
ビックリしたラブは、ジャンプして片平さんの頭に飛び乗り、思い切り勢いをつけて、向こう側へと飛び降りた。
すると、

――ハラリ。
片平さんの頭から、何かが床へ落ちた。

ピースが一声ほえた。
『あっ、おじさん!何か落としちゃったよ?』
一瞬、時が止まったかのようだった。� 周りで和やかに見守っていた人々も、思わず動きを止めた。
飛び降りたラブを慌てて抱え上げたジョンも、片平さんの方を向くと、顔面蒼白になって立ちつくした。
すると、ピースが片平さんの元へ駆け寄っていき、落とし物をくわえて片平さんを見上げた。
『はい、落とし物!どうぞ!!』
近くのイベントホールでは、司会の女性の声と子供達の歓声が聞こえてくる。
“はーい、皆さん、ぷりきゅんショーが始まるよー!!”
片平さんは、静かにピースから落とし物を受け取ると、にっこりと微笑んだ。
「ありがとう、ピースくん。」
『どういたしまして!』
ピースは、しっぽを振って答えた。
片平さんは、何事も無かったかのように、笑顔のまま落とし物を頭へ戻すと、ジョンの前へ、優雅に歩いて行った。
ジョンは、ラブをギュッと抱きしめ、
「す、す、すみませんでしたっ!!」
と、深々と頭を下げた。
「いえいえ、全然。」
優しい声で答えると、片平さんはジョンからラブをそっと抱きあげ、ラブに目線を合わせて頭を撫でた。
「ごめんね、ビックリしたね。私としたことが、今日のイベントのことをすっかり忘れていたよ。」
と、すまなさそうに声をかけた。
そして、ジョンと向き合うと、にっこり微笑んで
「抱っこできなくなるのは残念ですが...このように何が起きるか分からないから、ラブちゃんの安全の為にも、キャリーから出さない方がいいようですね。」
と言った。
「は、はいっ......。」
片平さんは、ラブを優しくジョンの腕へ戻すと、穏やかな笑顔のまま軽く会釈し、スッと去って行った。
ジョンも、その場で見守っていた人々も、その見事な対応に思わず感嘆のため息をついた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』64    モール編③Our First Trip to the Mall       ―はじめてのモール体験数日後の日曜日、ジョン一家...
22/09/2026

📖これは、黒猫ラブと白い大きなグレートピレニーズ犬ピースの物語です。

❤️&☁️ 『LOVE&PEACE』64

    モール編③Our First Trip to the Mall
       ―はじめてのモール体験

数日後の日曜日、ジョン一家はモールへ来ていた。ピースはリードに繋がれている。ラブは猫用リュックに入っていた。
『うわぁーっ、人がいっぱいだぁ!楽しそう!』
とピースがしっぽを振って言うと、リュックのメッシュ部分から外を覗くラブが
『ほんとね、うじゃうじゃいる!!うるさいし、嫌だなぁ。』
と言った。

モールのペットショップに行くと、ジョンは2匹のおやつやおもちゃなどを購入した。
通路の椅子に座って涼んでいると、通る人、通る人、ピースを見て驚いている。

ある小さな兄妹のいる家族連れが前を通ると、お兄ちゃんはピースの大きさに怖がって、父親に隠れてピースを覗き込むように見ながら歩いていたが、小さな妹ちゃんの方は興味津々で、積極的に「わんわん!わんわん!」と、ピースに手を振っている。
ピースは、その2人をしっぽを振ってずっと見送っていた。

しばらくして、落ち着いた品のある男性が穏やかな笑みを浮かべ、ジョンに話しかけてきた。
「こんにちは。私も犬が好きで、特に大きな犬が大好きなんですよ。」
「そうなんですか、僕もです。でも、最近猫も大好きになりました。」
「そうですか!実は私も最近、猫様の魅力が分かってきたところなんです。」
「猫...様?」
「あっ、いえ、すみません。職業病で。」
(職業病?獣医さんかトリマーさん?いや、猫様っていうなら、猫カフェ?)
ジョンが不思議そうにしていると、男性は何かを察したのか
「まあ、そんなものです。」
と言った。
男性の上着の衿には、コーヒーチェーン店「Grove Coffee」のロゴを思わせる、月と木のマークがあしらわれたピンバッジが光っていた。
男性はジョンとしばらく話すと、ピースの頭を撫でて去って行った。

またしばらくすると、老夫婦が話しかけてきた。
「おっきい犬やなー!」
と旦那さんが感嘆の声をあげると、
「何ていう犬種なんですか?」
と奥さんがジョンに尋ねた。
「グレートピレニーズっていうんです。」
「へぇ〜〜〜、初めて見るばい!」
「あの、写真撮ってもいいかしら?」
「どうぞ、どうぞ。」
奥さんは数枚写真を撮った。
ジョンは、奥さんの携帯電話を預かると、ピースと並ぶ老夫婦の写真を撮ってあげた。

二人がお礼を言って去っていくと、今度は、小学生高学年くらいの少年達が、ピースを見つけるや、大声ではしゃぎ出した。
「うぉーーーっ!見て見て!ぎゃんでっかい犬がおるばい!!」
「うぉぉぉーーっ。でかーーーーっ!!」
「隼也、おまえ、触ってこいよ!」
「ええーっ、嫌ばい!!鉄平、おまえが行けよー!」
「ええーっ!いや、よっしーが行けよーー!!」
少年達は、騒ぎながら歩いてきた。
リュックの中で、ラブが、
「うるさいわね……。」
と毒づいた。
ピースは、しっぽを振って待っていたが、誰も声をかけてくれないまま、少年達はそのまま通り過ぎていった。
ピースは、少し残念そうに、その後ろ姿を静かに見送った。

すると次に、高校生くらいの若い女の子2人組が、「きゃ〜っ。」とはしゃいで駆け寄ってきた。
「いやーん、可愛いー!!」
「大っきくて、ふさふさー!!」
女の子達は、ジョンの了承を得ると、ピースの頭を撫でたり、身体を触ったりした。
『こんにちは。』
ピースもまんざらでも無い様子で、しっぽをぶんぶん振って、にこにこと応対している。
リュックの中から見ていたラブは、
『なによ、知らない人に媚び売っちゃって!』
と、呆れ顔でつぶやいていた。

女の子がジョンに尋ねた。
「あの、おやつを買って、この子にあげても良いですか?」
「あ、はい、どうぞ。どうもありがとうございます。」
すると、ラブの耳がぴくりと反応した。
(んっ?おやつ!?)
じっと座っていたラブは、すくっと立ち上がると、大声で鳴きだした。

「にゃぁ〜。にゃお〜〜〜ん。」
女の子達は、ラブの鳴き声に気付き、椅子に置かれたリュックを覗き込んだ。リュックのメッシュ部分から、黒猫の顔が見える。
「あっ、こっちに猫ちゃんもいるー!!」
「いや〜ん、黒猫ちゃんだ!可愛いー!」
ラブは思い切り
「にゃ〜ん!!」
『出して〜!!』
と鳴いた。

#猫 #犬 #ほっこり #癒し #動物 #ショートストーリー #猫好き #ラブピー #ほのぼの #小さな幸せ #ファンタジー #猫と犬 #連載 #神社

住所

福岡県
Omuta-shi, Fukuoka

ウェブサイト

アラート

SABA’s Stationが新しいニュースやキャンペーンを投稿したら、いち早くメールでお知らせします。メールアドレスが他の目的に使われることはなく、いつでも配信を停止できます。

ショートカット

共有する