09/02/2017
『日本式自由論』第二章 鎌倉時代
From: 木下元文
http://asread.info/archives/3882
■第二章 鎌倉時代
本章では、鎌倉時代の文献に現れる自由を見ていきます。
■第一節 御成敗式目
鎌倉幕府の基本法典である『御成敗式目(1232)』には、自由の用例が数多く示されています。
[四条]では〈理不尽の沙汰甚だ自由の姦謀なり〉とあります。ここでの自由は、
謂れのないという否定的な意味です。[第三十七条]では
〈しかるに近年より以降、自由の望みを企て〉とあります。
ここでの自由は、我儘勝手に所有欲を充たすということで否定的なものです。
[第四十条]では〈猥りに自由の昇進を求むる〉とあります。
我侭勝手な自由であり非難の意味で使われています。
[御成敗式目追加]においても、多くの自由が示されています。
〈而して地頭等自由のままに相論の条、慥かに停止さるべし〉、
〈左右無く出家せしめ、なほ所領を知行する事、甚だ自由の所行なり〉、
〈禁忌を称して自由に帰国の条〉、〈自由の対捍(不服従・抵抗)を致し〉、
〈自由に任せて上洛遠行あるべからず〉、〈今更自由の新儀を致すべからず〉、
〈領家預所の免許を蒙らずして、自由に任せ立用に任せ及ばず〉、
〈或いは自由に洛中に横行の由あまねくその聞えあり〉などが挙げられます,
また、[建武以来追加]においても、〈近年禁制に背き、自由の競望を致すか〉、
〈自由の横領を致すの由その聞えあり〉、〈その外の自由の新関は厳密に停廃すべきの由、仰せ下されうべきか〉、
〈左右無く庭中を企つるの条自由の至りなり〉、
〈洛中辺土ならびに田舎に居住せしむる云々、自由の至りなり〉などが挙げられます。
『御成敗式目』は、道理という規範が基と成っています。如何に強大な権力者といえども、
自らの自由によって振舞うことは禁止されているのです。
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第二章 鎌倉時代本章では、鎌倉時代の文献に現れる自由を見ていきます。第一節 御成敗式目鎌倉幕府の基本法典である『御成敗式目(1232)』には、自由の用例が数多く示されています。