
01/08/2025
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山内眞・東京神学大学名誉教授が7月6日、
お住まいのスコットランドで亡くなられました。
山内先生は1975年より東京神学大学で新約学を教え、
2001〜09年の間には学長も務められました。
その激務のかたわら著書・訳書を出され、教団出版局からも
注解書『ピリピ人への手紙』
『ガラテア人への手紙』などを刊行させていただいたほか、
「現代聖書注解」シリーズ、
『新版 総説 新約聖書』などの書籍・シリーズの
監修をお願いしてきました。
定年後お連れ合いの故郷スコットランドに移住されてからも、
コロナ禍前は年に1回ほど
お忍びで日本に帰ってこられていました。
C. E. B. クランフィールド著
『註解 ローマの信徒への手紙』(2020年)は、
ほとんどの翻訳・編集作業がスコットランド移住後に行われた、
山内先生最後の本格的な訳書です。
原著は、
International Critical Commentary(ICC)シリーズの
定評ある2巻組のローマ書注解を、
著者クランフィールド自身が引用文をばっさり削り、
ギリシア語ほか古典語を取ったり英訳で表記するなど、
記述を簡略化させた1巻本の普及版です
(普及版といってもまだ英語で400ページあるのですが)。
ただ、山内先生によると、あまりに簡略化させすぎたせいで
かえってわかりにくい箇所がかなり出てきたとのこと。
そうしたわかりにくい箇所を、
訳出の過程で元のICC『ローマ書』の記述に従って
具体的に補う作業を行いました。
おかげで本書は「ICC『ローマ書』より手軽で、
普及版より読みやすい」バランスの取れた
良い注解書に仕上がりました。
さらに、2015年まで存命だった著者クランフィールド自身に
インタビューを重ね、ローマ11章32節の注解など
箇所によっては最晩年の最新版の解釈に差し替えてあります。
そこまで山内先生がテキストにこだわったため、
翻訳が固まるまでにかなり時間がかかりました。
前述の補筆作業や原著者インタビューで
どんどん手が加えられていく原稿にも、
訳者みずからあの人懐っこい笑顔で
「な? こうしたほうがええやろ?」と言われると
編集担当として文句も言えませんでした。
さらに先生がイギリスの郵便事情を信頼されていなかったため、
紙のゲラの郵便でのやり取りもできず、
電子メールへの添付も時折うまくいかないということで、
校正のやりとりも、
年に1度の帰日時にWord文書をUSBメモリで渡され、
そのWord原稿をゲラの形にプリントしたものを
大急ぎで作り帰英直前にお渡しする、という作業を
何年(何サイクル)繰り返したか。
そしてようやく刊行したと思ったら
コロナ禍で国際郵便が軒並みストップ、
あの時どうやって訳者見本をスコットランドへ送ったか、
にわかに思い出せません。
最初から最後まで苦労させられた本でしたが、
打ち合わせ後に東神大時代から
先生の行きつけだった武蔵境のそば屋で
うな重セットをご馳走になったことなども「込み」で、
今となってはいい思い出です。
時間と苦労をかけた分、上述しましたように
「ICC『ローマ書』より手軽で、普及版より読みやすい」
注解書に仕上がったことは確実です。
クランフィールドの最晩年のローマ書解釈を
反映させた点でも有用な注解書です。
山内眞先生の遺徳をしのびつつ、
ご活用いただけましたら幸いです。
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『註解 ローマの信徒への手紙』
C.E.B.クランフィールド・著
山内 眞・訳
世界最高峰のロマ書註解、待望の邦訳!
最重要にして最難関のパウロ書簡のなかのロマ書を
鮮やかに読み解く。
著者クランフィールド自身がさらに考察を深め、
最晩年まで改訂し続けた最新の内容を反映。
パウロ神学の到達点を学ぶ全ての信徒・教職必携の名著です。
https://bp-uccj.jp/book/b550797.html
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