09/11/2025
【『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』】
蔦重(演:横浜流星)と歌麿(演:染谷将太)、長きにわたり夢を共にしてきた二人が、ついに袂を分かちました。
「お前のため」と口にしながら、歌麿の心の奥を見ようとしなかった蔦重。その姿に、母・つよ(演:高岡早紀)の最期の言葉が重なります。
さらに、てい(演:橋本愛)が予定より早く産気づくという試練が…。祈っても届かない夜、何もできずに立ち尽くす蔦重の背中が、いつになく小さく、切なく映りました。
喪失の中で、人はどう立ち上がるのか。蔦重の胸に去来した思いを、想像せずにはいられませんでした。
さてさて、今宵のべらぼうな見どころは──。
☆べらぼうな見どころ・その1|蔦重、べらぼうにも程がある…
歌麿が蔦重に残した最後の作品は、「恋心」。あまりに象徴的なテーマでしたね。
蔦重は、そこに込められた歌麿の想いに気づかぬまま…。
だからこそ、いつも無意識のうちに歌麿の心を踏みにじってしまう。
「蔦屋をくれ」という歌麿の言葉は本気ではなかったのでしょうが、「おていさんもいるし、ガキも産まれる」という歌麿にとって最悪な言葉で返した蔦重…。
人は失って初めて、その存在の重さに気づくもの。
今宵の「恋心」は、静かで痛い別れの風景となってしまいました。
☆べらぼうな見どころ・その2|松平定信、まさかの罠に墜つ
「大老に」との甘言が、一転して「罷免」の宣告へ…。
家斉(演:城桧吏)と治済(演:生田斗真)の思惑により、定信(演:井上祐貴)は、まるで舞台で糸を引かれる操り人形のように絡め取られてしまいました。
オロシャとの難題を解決し報われるどころか、用済みになれば、あっさり切り捨てられる非情な現実…。
栄華の裏に潜む「罠」、まさに大どんでん返し。松平定信演じる井上祐貴さんの目が血走っていたのが印象的でした。
☆べらぼうな見どころ・その3|「白河の清き」時代、ついに幕引き
松平定信の失脚が報じられるや、江戸の町はまるで祭りのような熱気に包まれました。
思わず脳裏をよぎるのは、あの落首「白河の清きに魚も住みかねて元の濁りの田沼恋しき」。
清廉を掲げた理想の政治も、行きすぎれば息苦しさを生む。人々が再び「濁り」を求めてしまう様は、まさに世の皮肉。
清と濁が循環する歴史のうねりが、今の時代にもどこか重なって見えました。
予告では、平賀源内生存説が出てきましたね…! 次回、見逃せません。
【べらぼう 満喫リポート】では、『初めての大河ドラマ べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』編集者と月刊『サライ』ライターが、芸人出演ラッシュについて紹介しています。
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ライターI(以下I):『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(以下『べらぼう』)で顕著なのが、お笑い界からのキャスティングの多さでしょう。すでに俳優としての地位も確立している「ネプチューン」原田泰造さん(三浦...