
13/07/2025
【『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』】
人の数だけ、思いがある――。
今宵の『べらぼう』は、田沼意知(演:宮沢氷魚)、佐野政言(演:矢本悠馬)、誰袖(演:福原遥)… それぞれの立場や思いが絡み合い、すれ違い、やがて交差していくような回でした。
誰の正しさも、誰の哀しさも、否定できない。
そんな繊細な物語を紡ぎ出す、森下佳子さんの脚本力に、あらためて唸らされました。
さてさて、今宵のべらぼうな見どころは…
☆べらぼうな見どころ・その1|咲かぬ桜と政言の哀しみ
咲かぬ佐野家の桜と、衰えた父・政豊(演:吉見一豊)の背中。
「咲けー!!」と錆びた刀で斬りかかる姿は、失われた誇りにすがる男の絶叫のようでした。
一方で、政言が寄進した桜は、「田沼の桜」として神社で見事な花を咲かせ、人々に親しまれていた。知らぬうちに手放されていたものが、別の名で称えられていく…。
父へのいたわりと、田沼意知への信頼の間で揺れ動く政言の姿には、人を想うことの切なさが滲んでいました。
☆べらぼうな見どころ・その2|誰袖、吉原を去る日
ついに誰袖が大文字屋を去るときが訪れました。
「いやな客のときには、いつも心の内で兄さんの顔をかぶせておりんした」
そう蔦重(演:横浜流星)に告げた誰袖には、言葉にしきれぬ想いと、その裏にあった長く苦しい年月が滲んでいるようでした。
花魁に上りつめても、好きでもない客をとらされる女郎の悲哀…。
「ここは、ぼーっと生きてて幸せになれるところじゃねぇからね」
大文字屋(演:伊藤淳史)の厳しい一言には、吉原で生きる女たちを見守り続ける覚悟の裏返しのようでもありました。
すべてを乗り越えて歩み出す誰袖の背中が、あまりにも美しく、そして切なかったです。
☆べらぼうな見どころ・その3|「咲かぬ桜」と「咲き誇る桜」
政言は、ついに父の錆びた刀を手に江戸城へと向かいます。
「すべてを奪われた」―その思いは、意知への怨嗟であると同時に、認められない己への苦しみでもあったのかもしれません。
政言の一挙手一投足が、胸に迫る回でした。
そして、気になる続きは……まさかの2週間後!
来週は「参院選開票速報 2025」により放送休止とのこと。2週間、思いを巡らせながら、待ちましょう。
【べらぼう 満喫リポート】では、『初めての大河ドラマ べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』編集者と月刊『サライ』ライターが、政言を動かした黒幕について詳しく触れています。
記事はこちらからどうぞ
https://serai.jp/hobby/1235509
本日のキーパーソン「佐野政言」と「田沼意知刃傷事件」についてもあわせてどうぞ!
佐野政言:https://serai.jp/hobby/1227369
田沼意知刃傷事件:https://serai.jp/hobby/1235046
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ライターI(以下I):『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(以下『べらぼう』)第27回最大のトピックスは、「丈右衛門だった男」(演・矢野聖人)の登場ではないでしょうか。佐野政言(演・矢本悠馬)に讒言する、告げ....