
19/09/2025
【新刊『中医臨床』182号が刊行されました!】
『中医臨床』の最新号(182号)が刊行されました。
前号に引き続き,日常診療でよく遭遇する疾患や症状,いわゆる「コモンディジーズ」に対する中医治療の特集をお届けします。今号では【慢性下痢】を取り上げました。
すでにガイドラインが整備され,それに基づいた治療が行われていますが,特に機能性疾患であるIBSに対しては漢方薬が用いられることも少なくありません。さらに,潰瘍性大腸炎やクローン病といった難治性の炎症性腸疾患においても,現代医療の治療だけでは十分な結果が得られず,漢方治療が求められるケースがあります。今回の特集では,慢性下痢に対する中医学・漢方・鍼灸の視点からの治療アプローチに加え,実際の臨床現場での取り組みについても紹介します。
また,今号の「中医鍼灸リレーインタビュー」では,1970年代より中国の中医学書籍の翻訳に携わり,わが国への中医学導入に大きな役割を果たすとともに,東京中医鍼灸センターで弁証論治に基づく中医鍼灸を実践し,さらに鍼灸学校の教員養成科で教育にも尽力されている浅川要先生にお話を伺いました。浅川先生は「臓腑気血弁証に基づく鍼灸は日本でこそ必要」と強調され,それに基づいた臨床と教育を実践されています。さらに,日本で中医鍼灸を広めていくためには,中医学を学ぶための仕組みづくりや,中医鍼灸の魅力を伝えるメディアの役割が重要であると述べられました。
加えて,今年5月に逝去された天津の石学敏先生への追悼文を兵頭明先生が寄せてくださいました。多数の写真を交えながら石先生の事績を振り返る内容は,当社と衛生学園が築いてきた日中の伝統医学交流の歴史をトレースするものになっています。
https://www.chuui.net/view/item/000000000411