Vamos fazê-lo

Vamos fazê-lo あやか
麺がばりやわになるまで見ていかんね?

素敵なラブストーリー🥰😍
10/07/2025

素敵なラブストーリー🥰😍

東京からの最後の手紙
最初の手紙は、彼女が亡くなってから1週間後に届いた。

差出人不明の淡い水色の封筒。「みさき」とひらがなで優しく書かれた宛名だけがあった。

陸はしばらくそれをじっと見つめた後、封を切った。吉祥寺の二人のアパートのキッチンテーブルに腰掛けたまま――冷めたお茶のマグカップ、彼女のスカーフがまだ椅子の背もたれにかかったままだった。

手が震えながら封を開ける。中には1枚の紙。

陸へ

もしこの手紙が君の手に届いたなら、私はもういないんだね。
ちゃんとした別れも言わずにごめんね。

でも、君に伝えたかったことを、ゆっくり、ひとつずつ言いたくて。言おうとして、言えなかったことを。
だから手紙を置いていくよ。全部で10通。1週間ごとに1通。谷中のお花屋さん、あおいちゃんに聞いて。

愛してる。いつも愛してた。

ずっと、みさきより

陸は3回読んだあと、そっと折りたたんで胸に抱きしめた。

二人は6年間一緒だった。

彼女はいつも穏やかで――夕日をカメラに収め、野良猫にそっと話しかけ、米を炊きすぎてキッチンで鼻歌を歌っていた。地域のコミュニティセンターで美術を教え、陸は旅行雑誌のカメラマンだった。

11か月前、彼女はガンと診断された。

泣かないで、と彼女は言った。

“できる限り、普通に過ごそう。”

彼は頑張った。

でも、こんな手紙を残す計画があったとは知らなかった。

翌日、彼は谷中のお花屋「あおい」を訪れた。

カウンターの少女、あおいちゃんが顔を上げて優しく微笑んだ。「陸さんですよね?」

陸はうなずいた。

すると、カウンターの behind にあったクリーム色の封筒を渡された。

「二通目でございます。」

手紙②
井の頭公園のあのベンチ、覚えてる?少し傾いて、ペンキが剥げてたから、私たちの“特等席”にしてたよね?
今日、そこに行って。下に、テープで写真を貼ってあるから。

恥ずかしくないから――多分。

その日の午後、陸はベンチへ行った。

傾いたままのベンチの下に、そっとテープで貼られたポラロイド。二人が冬のコートに包まれて、鼻を赤くしながら笑っている。

裏には彼女の文字で、

「いつまでも笑っていてね。」

陸は梅の木の下で、泣いてしまった。

手紙③
君はいつも、私のことを忘れてしまわないか心配してたよね。
でも、覚えなくても大丈夫だよ。

それでも…プレイリストを作ったよ。CDに焼いておいた。ちょっとアナログだけど。

下北沢のカフェのオーナーに聞いてみて。私の頼みを聞いてくれるはず。

タイトルは「陸の雨の日」。

1曲目:「小さな恋のうた」
5曲目:「サカナクション – 夜の踊り子」
10曲目:「風は吹いている」

部屋を掃除しながら流すと、彼女のいない部屋にも彼女の欠片が漂っているようだった。

手紙④
ごはん食べてる?悲しいとつい忘れちゃうって、わかるよ。

神保町のあのうどん屋に行ってみて。お相撲の話を大きな声で語るおじさんがいる店。お金は置いてあるから、座ってセットを頼んで、向かいに私がいるふりして。

君はひとりじゃないよ、陸。

彼は角席に座った。

湯気が立つ丼に顔を近づけ、無言のうちに店主がお辞儀し、昔から知っているかのように見えた。

陸は向かいの空席に向かって静かにささやいた。「会いたいよ。」

手紙⑤
もう半分来たね。

悲しみにも「半分」って言い方、変かもしれないけど。

でも、君のことを、痛みを日々のルーティンやタスクで測る人だって知ってる。

だから今週は、何か作ってみて。絵でも、クッキーでも、写真でも。完璧じゃなくていい。ぼやけてもいい。君も、ぼやけたままでいい。

陸は神田の古いカメラ屋に入り、フィルムカメラを使ってみた。街角や曇り空、ベランダの洗濯物――何一つ完璧じゃないけれど、どれも誠実だった。

手紙⑥
今日は趣向を変えて。

俳句を一つ書いたよ。あの酷かった長野旅行で、季節の句を競い合ったの覚えてる?

夏の句:

ホームに雨
でも君は電車を待つ—
それが終わっても

まだ私を待ってるよね?

陸は目を閉じて、彼女の声を思い浮かべた。

そして、静寂が答えになった。

手紙⑦
最近、博物館へ行った?

東京都写真美術館で、森山大道のストリート写真がまた展示されてるよ。粒子の粗さとぼやけが、記憶の感触を思い出させるって言ってたよね。

私も、だんだん粒子っぽくなってるのかも。

でも、たまには鮮明なままの私を見つけられるといいな。

あの週末、陸は出かけた。

夜の横断歩道の白黒プリント。その写真は泣かせなかったけど、そばに彼女がいるような温かい何かを感じさせた。

手紙⑧
あと2通だよ。

今頃、分かっているといいな、愛は人がいなくなっても去らないって。

レシートに、洗濯物の匂いに、誰かの笑い声の余韻に、ちゃんと残ってる。

今回の写真はあおいちゃんとの写真。…あのことの一か月前。場所は上野、亀に餌をやってる私。笑ってるよ。

その写真が手紙と一緒に届いた。

彼は長く見つめた。
目は細く、口は笑いの途中、池には亀が首を見せている。

冷蔵庫に貼った。

手紙⑨
もうすぐ最後の1通だね。

これを私のために書いたわけじゃないんだ。
君がこれを見つけながら、戻ってきてほしくて。

生きることに。笑顔を取り戻すことに。

来週、ラストが届く。

でも、ここまで読んだなら、大丈夫だよ。

愛してる。今もしてる。永遠に。

陸はその夜、眠れなかった。でも、泣くこともなかった。
バルコニーで東京の灯を眺め、星のように瞬く光を見つめた。

手紙⑩
最後の一通。

奇妙だね。

私はもういない。でも、君はここにいる。

だから、行って。

馬鹿みたいに大きな人生を生きて。

また恋して。

ぐちゃぐちゃになって。

歳をとって。

ふと立ち止まるたびに、思い出して。冬の朝のコーヒーに射し込む光みたいに、屋上の月を見たときみたいに。

君は私にすべてをくれた。さあ、残りの人生を取り戻して。

愛してる。これで終わらない。

ずっと君の、
みさきより

陸は最後の手紙をそっと折りたたみ、他の手紙と一緒に箱にしまった。

そして、身支度をした。

外に出た。

彼女が見ていたであろう未来へ、歩き出した。

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