03/07/2025
\クーヨン8月号発売!/
⭐︎電子版も同時発売⭐︎
今月の特集は、「あかちゃんからの性教育」がテーマです。
とは言いながら、以前から「性教育」と言った時の
なんとも伝わらない感じ、言った方も言われた方も居心地の悪い感じが
気になっていまして、どうしたらここを脱することができるのか
という疑問からのスタートでした。
国連などの国際機関が2009年に発表した
「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、
「包括的なセクシュアリティ教育」の推進を求めています。
いわゆる「包括的性教育」は、ずいぶん日本でも広がってきました。
生殖や性感染症などの身体的な話より、
「人権」をベースとし、差別や暴力、不平等をなくすことに
重きをおく必要を訴えています。
今回の特集では、「同意」と「境界」ということばが
それぞれの専門家のお話に登場しています。
そして、そのふたつは、思春期よりずっと前、
生まれてすぐから育むものだということがはっきりと指摘されています。
「あかちゃんに性教育」と言うと身構えてしまうけれど、
「あかちゃんの気持ちをじょうずに受け取って!」と言われたらどうでしょう?
それこそが、自分を大切にし、簡単に他者に尊厳を侵されないための要。
性被害から自分を守れるためにも、
あかちゃんと周囲の大人との、あたたかで気持ちを尊重し合う関係が
欠かせない、ということを、
今月の特集からぜひ感じてみてください。
編集長 戸来祐子
*****
性教育は「性器教育」ではありません。
こころとからだを守ること
あかちゃんの時から教えたい
子どもの性被害が、あとを絶ちません。
加害者が、子どもに「被害」と感じさせない
巧妙な手口を使うことが、
子ども自身のまぎれもない性被害を
いっそう見えづらくしています。
そこで、子どもが
自分で自分を守れるようになるためには
ひとを大切にすること、
そして平和であることがとても大事です。
[クーヨン]では、
あかちゃんからの性教育を提案します。
大人の関わり方に、
大事なポイントがあります。
◆自分のことは自分で決める。性教育はそこから
藤野早織さんme
園や地域の講座で、あかちゃんからの性教育についてお話しされている藤野早織さんは、
改まっての性教育より、日常の中での子どもと大人の触れ合いのなかにこそ、
性教育のベースがある、と言います。
同意と境界というふたつの視点から、
自分を大切に思えるための子どもとの関わり方についてお聞きします。
●性被害にまつわる、ありがちな誤解10
キンバリー・キングさん
自身の子ども時代の性被害と、わが子の被害から、
児童性被害予防教育専門家・幼稚園教諭として活動するキンバリーさん。
子どもを守るためには、大人の意識を変える必要があると訴えます。
子どもの性被害の多くは顔見知りの大人が加害者であるなど、
被害の実際と予防法を紹介します。
●「自分のからだの主人公」になること
サラ・ブレイディさん
国際モンテッソーリ協会公認0-3歳教師要請トレーナーとして
オーストラリアを拠点に世界で活動するサラさんは、
性教育の基礎が、誕生後すぐからの大人とあかちゃんの関わりにあると言います。
性に関することは、自分の大事なからだのこと。
それを「恥ずかしいこと」にしない関わりが、性被害の予防にもつながるためです。
●こころとからだを守ること、あかちゃんから大人まで
藤野早織さん+編集部
子どもの「知りたい」気持ちにこたえ、
家族が妊娠、出産、成長のそれぞれの場面で子どもに向けた願いや愛情が伝わる。
そんな絵本を、藤野早織さんと、編集部がご紹介します。
■連続企画・戦後80年■
「戦争と性暴力」
今年は、日本が先の戦争で敗戦し、80年の年となります。
8月号では、本特集に連動し、「戦争と性暴力」を取り上げ
参考となる本と映画をご紹介します。
また、[クーヨン]連載の筆者の皆様に、
戦後80年に生きる大人として、
未来の子どもへのメッセージをいただきました。
#包括的性教育 #性教育 #性的同意 #リプロダクティブヘルス #モンテッソーリ #戦後80年 #クーヨン #クレヨンハウス