20/11/2025
【えほん展ご報告】
11月15日(土), 16日(日)
三重県桑名市
柿安シティホール(桑名市民会館)
今回は桑名市に行ってまいりました。“桑名” と聞くと“蛤” が思い浮かびますね。三重県の北東の端にあり愛知県に接します。名古屋市から30㎞以内にあり、ベッドタウンとして若い世代も多く暮らします。ずっと開催したかったのですが、様々な事情で17年ぶりになってしまいました。
・・・ご予約はとても好調でした。募集を開始するとどんどん入ってきます。久しぶりに、“ご紹介のお願い” や “追加の広告” を出さないままに、2日間とも、昼間はすべての時間で満席オーバーとなり、土曜の夜の時間にも少なくないご予約が入りました。しかも、子育て世代、お父さんもご一緒のご予約がたくさん入っています。最近はどうしても年配の女性が多くなってしまうのですが(もちろん大歓迎です!)、今回は、たくさんの子どもたちで盛り上がることを、また、本好きのお父さん方とたくさんお話が出来ることを、かなり楽しみにしました。
・・・残念ながら、実際に来てくださったのは6割くらいになってしまいました。お子さんが急に体調を崩されて、丁寧にメールでキャンセルを伝えてくださる方もいらっしゃいました。「申し訳ありません。とても楽しみにしていたのですが・・・」 というお言葉に、こちらも残念で、逆に心苦しくなります。インフルエンザもかなり流行っています。お大事になさってください。
しかし、開始直前のメールで「やっぱり他に行くことにしたので・・・」という軽いキャンセルや、ご連絡なく来られない方も多くなってしまい、大人の人数に対してお子さんが1~2割という時間が多くなりました。
今になって振り返ると、ご予約の入り方のペースがちょっと早すぎました。そして、そのほとんどが幼稚園保育園や学校に配布をお願いしたチラシからではなく、SNSの広告からでした。過去に何度か同じような経験をしています。そしてそういったキャンセルには、お父さんが一緒のご予約がどうしても多くなってしまうことも、よくあることです。ご興味のない男性にとっては、あまり気が進まないイベントであることも理解できます。実際に来てくださっても、居心地悪そうにしている方もいらっしゃいます。
いつも思いますが、絵本には大人にも楽しめるものがたくさんあることを知っていらっしゃるお父さん、せっかく来てくださったなら、楽しもうとしてくださるお父さんに増えて欲しいです。そのためにも、男の子でも女の子でも、子どもの頃にたくさんの絵本に、それも決して子ども向けにとどまらない絵本に出会うお子さんたちに増えて欲しいです。また大人になってからでも、一回出会ってくださると、「ちょっと驚きました。絵本に対する考え方が変わりました。」といってくださる方は少なくありません。
一方で、今回来てくださっているお子さんたちの “聞く力”、探りながら読み取ってくださる力は、素晴らしいものでした。
私は、子どもたちに絵本を紹介する際、いつも同じように話しているわけではありません。子どもたちの様子を見て、話す内容や言葉の量を変えています。また、指をさすところも変えています。当然、よく気付いていらっしゃるお子さんたちには、ヒントやフォローする言葉、指をさして子どもたちの視線をリードしてあげる必要が少なくなります。今回、ブックトークはとてもテンポよく進み、お子さんたちとのキャッチボールが楽しい時間になりました。かなり高度な質問をしてくれて、大人を驚かす男の子もいらっしゃいました。そんなお子さんが並んでくださった時の子どもたちの素晴らしい反応、とてもポジティブな高揚感を、多くの方に体験して欲しいです。
そしてやはり、そんなご家族には、お父さんもご一緒の場合が多く、楽しそうに笑って、涙を浮かべて、相槌を打ってくださっています。ご家庭内に並ぶ本の数も、やはり少なくはないようです。また、残念ながら今回はお父さんがご一緒でなくても、お母さんは「実は主人も来たがっていたんです。来たら絶対喜んでいたと思います。」とおっしゃることが多いのです。
・・・そして、本屋として何よりもうれしいのが、お父さんがご一緒に楽しんでくださったご家族は、私たちの絵本を、ご家庭に迎えてくださることが少なくありません。今回もそうでした。ありがとうございました。そのうちの1件のお父さんとお話した内容が印象に残っています。
30代後半のお父さん、私がこの仕事を始めたころに、幼稚園に通っていらっしゃった年代になりますね。もうその頃には、かなり凝った家庭用ゲーム機が当たり前になり、子ども部屋の図鑑や昔話全集が少なくなって、全く本に出合わない子どもたちも多くなっていた頃です。お父さん曰く、
「うちはたくさん本を買って並べてくれていました。それなりに楽しんでいました。でもゲーム機もあって、やっぱりよく遊んでいましたよ。」
「でも、手放しに、ずっとやらせては貰えなかったのではないですか。多分、ご両親がかなりコントロールしてくださっていたのではないでしょうか。」
とお尋ねすると、お父さんは、
「そうですね。“10分まで” って言われていました。」
お母さんと私は、「何も出来ないですね。」と、声を揃えて笑いました。
今お父さんは、本が並ぶご家庭で子ども時代を過ごされたことを、感謝されているのではないでしょうか。絵本にお金を使ってあげることに、全く迷いのない方でした。お届けが決まった時、お母さんが少し驚きながらも、とてもうれしそうにしていらっしゃった様子が印象に残っています。お母さんたちのためにも、本好きのお父さんに増えて欲しいです。
3歳の娘さんは、ブックトーク中もとても賢い反応で絵本を聞いてくださっていましたが、そんな大人たちのやり取りにも、ニコニコとお行儀よく参加してくださっていました。
・・・さて次回は、11月22日(土), 23日(日)、愛知県江南市「Home & nicoホール(江南市民文化会館)」で開催いたします。3連休のためか、ご予約がかなり少なく困っています。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com