Doukeisha Co., Ltd. / 憧憬社

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●ミッション
リビングに書棚のある暮らしを・・・
家庭内に美しい絵本が並ぶ暮らしをご提案します。

●会社概要
2003年の創業以来、憧憬社は、世界の様々な国々から、選りすぐりの絵本を発掘、輸入して参りました。毎週土曜日曜に開催しております『がいこくえほん展』では、読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を、全国各地にお届けしております。

●商品・サービス  
アメリカ、イギリスといった英語の国々のみならず、フランス、ドイツ
イタリア、スペイン、ギリシャ、ロシア、スウェーデン、エクアドル、インド、
韓国などさまざまな国々から直輸入した洋書絵本です。ほとんどの絵本が、まだ日本ではあまり知られていない、日本語未出版のものです。
― 絵本は実際に手に取っていただかないと、本当の魅力はお伝えできない。 ―
という考えから、全国各地を巡回して『がいこくえほん展』を開催しております。
読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を分かりやすくご紹介します。

【えほん展ご報告】6月28日(土), 29日(日)新潟県十日町市十日町商工会議所会館 エコマール今回は十日町市に行ってまいりました。10年ぶりです。新潟県南部の山間部にある十日町市は、普通なら私たちが絵本展を開催しない小さな街です。しかし十...
01/07/2025

【えほん展ご報告】
6月28日(土), 29日(日)
新潟県十日町市
十日町商工会議所会館 エコマール

今回は十日町市に行ってまいりました。10年ぶりです。新潟県南部の山間部にある十日町市は、普通なら私たちが絵本展を開催しない小さな街です。しかし十日町市は、私たちにとってポジティブな街なのです。全国には、小さくても賑わって、また熱心に見てくださるお客様が少なくない街がいくつかあります。十日町市はその一つでした。実際に各地で「それは例えばどこですか?」と聞かれたら、「長野県中野市」と一緒に、必ず十日町市を紹介してきました。さて今回は・・・。

・・・残念ながら今回、ご予約がほとんど入って来ず、ギリギリまで本気で中止を考えました。前日から泊まり込みましたが、その時点でのご予約は9組14名様のみ、大人の方が多く、お子さんのご予約は2日間で5人しかいらっしゃいませんでした。当日になって予約が増えることを期待しましたが、それも多くはなく、過去に全く経験のない少なさになってしまいました。

そんな中でしたが、実は今回、とても濃い2日間を過ごすことになりました。盛りだくさんなので、ひとつずつタイトルをつけて紹介します。

【10年ぶりのお客様】
10年前の開催時に忘れられないエピソードがあります。
ある年配の女性、当時は新聞折込でお配りしたチラシを片手にご来場されました。曰く、「朝、ゴミを出してたら、お隣さんのゴミの中にこのチラシが見えたのよ。ちょうど私の方を向いてね、キランっと光って、私に訴えるように見えたの。勿体ないと思って、すぐにそのゴミ袋を開けて取り出したのよ。・・・こうやって、こうやって、ちゃんと伸ばしてね。今日楽しみにしてたのよ。」と笑われます。塾を経営していらっしゃるという女性は、長い時間を過ごしてくださって、結局、たくさんの私たちの絵本をお届けさせていただきました。
チラシを救い出してくださった!嬉しいですね。今回、事前にご案内を送ろうか迷いましたが、10年もご無沙汰しておりますし、今は一人で運営しておりますので、あまりゆっくり丁寧なご挨拶ができないので見送りました。
土曜日、午前中のブックトークが終わって自由に絵本を見ていただいている時間に、バタンッ!と入り口が開きました。年配の女性が入り口に立たれたまま、中をぐるりとご覧になって、「なるほど。分かった。あとでまた来るね。」バタンッ!とドアを閉めて行かれました。お客様たちも「知ってる人?」「いいえ。」という感じです。
午後、予約の無かった13時からの時間に、女性は13歳の双子の姉妹と一緒に来てくださいました。お話してみると、やはり10年前の女性でした。何とこの土日、同じ階で教室を開いていらっしゃるとのことでした。「やっぱり縁があるんだねー。」とお話しするうちに、「そうだそうだ。こんなパワフルな方だった!」と思い出しました。
塾の経営だけでなく、様々に活動されている女性、ご自宅にたくさんの外国の人たちを迎え入れているそうです。私たちのお届けした絵本は、そこでも活躍してくれたようです。今回も、たくさんお話出来ました。「10年経ったんだねー。」「またいつか会いたいね。まだまだこれから頑張ろうね。」と元気をいただきました。
また、一緒に来てくださった双子姉妹は、とてもしっかりとした賢い13歳で、翌日もお二人で来られて、ゆっくり見てくださいました。他にもいらっしゃる塾生さんの中から、先生が「あなたたちだったら」と連れて来てくださった理由がよく分かりました。

【学習指導員の若い男性】
土曜日午後、ご予約は「小学校配布のチラシを見て」という男性のみでした。お父さんがお一人で来られることはあまりありません。最近は、若い先生方もほとんど来られなくなりました。おそらく私と同世代くらいの男の先生ではないかなと想像しておりました。
・・・来てくださったのは、25歳の若い男性でした。市内の小学校で “補助教員” として働いていらっしゃるとのことでした。たくさんお話をしました。絵本についてはもちろん、私がいつも感じている子どもたちの現状など、熱心に聞いてくださいました。
私はてっきり、教員免許を取得するために勉強中の方だと思っていましたが、違っていました。おっしゃるには、「今年1年は教育現場について経験したくて・・・、来年は福祉について経験するつもりです。」・・・この若い男性は、医学部を卒業されて、将来は整形外科医さんになるのだそうです。しかし、「これからの医療は、教育や老人福祉や、その他と一緒に考えなくてはいけない時代だと思います。そのために、1年だけでも、教育の現場が覗いてみたくて、学校で働かせてもらっています。」とのことでした。関東出身の男性ですが、このまま新潟に残られて、子育てや教育からお年寄りの問題まで、総合的につないだ医療を実現したいと考えていらっしゃるとのことでした。
とにかく真っ直ぐな方でした。あまりいい言葉が見つからないのですが、とにかく、「こいつすげーな。」というのが正直な感想です。とてもうれしい出会い、次世代を頼もしく思いました。

【駅の掲示板】
とてもうれしいエピソードです。
私たちはいつも、ご予約が少ない時には、すでにご予約のお客様にメールをお送りしてご紹介のお願いをします。今回もお送りしました。しかし今回は、お願いできる数も少なく、期待は出来ませんでした。そんな中、年配の女性が、「私ね。おたくのWebサイトから画像をもらって自分でポスターを作って、そこの駅に貼らせてもらいました。駅長さんに頼んだら、「会社名を出さなければいいですよ。」と言って貼ってくれました・・・。」とおっしゃいます。
あとで見に行くと、素敵なポスターに仕上げていただいておりました。(写真)
JRの駅です。都会の大きな駅ではありえない対応だな、と思いながら、街の皆さんの繋がりの温かさを感じました。本当にありがとうございました。

・・・10年ぶりの十日町市、お客様は過去ワースト記録(断トツ)の少なさでしたが、来て下さった皆さんは、10年前と同じようなエネルギー、そして、温かさを感じさせてくださいました。しかし一方で、なぜか小さなお子さんがほとんど来ていらっしゃらなかったことが気になりました。若いご家庭の本離れが、かなり進んでしまったのでしょうか。
(今回は中学生が4人来てくださいましたが、皆さんとても“賢い”子どもたちでした。10年前の乳幼児さんたちですね。)
・・・気になるお話もお聞きしました。市内のある小学校では、15分間の読み聞かせを何とか成立させるために、30人の教室に、先生や指導員の方など、大人の方が6人入ってやっと何とかしているそうです。何度も書いてきましたが、本離れは、本を読まなくなることにとどまりません。物事への向き合い方そのものと直結しています。

・・・そして、こんなお話は、今回に限らず、日本じゅうで聞こえてくることを、多くの大人の皆さんに知って欲しいです。

さて次回は、7月4日(金)~6日(日)、石川県白山市「松井田文化会館ピーノ」で開催します。ご予約には、まだ空きがあります。お好きな皆さん、ぜひ遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】6月20日(金)~22日(日)神奈川県綾瀬市綾瀬市商工会館今回は綾瀬市に行ってまいりました。初めての開催です。ずっと会場を探しておりましたが、適当な会場が無くずっと開催できずにいました。(市の文化ホールには、大きなホールし...
25/06/2025

【えほん展ご報告】
6月20日(金)~22日(日)
神奈川県綾瀬市
綾瀬市商工会館

今回は綾瀬市に行ってまいりました。初めての開催です。ずっと会場を探しておりましたが、適当な会場が無くずっと開催できずにいました。(市の文化ホールには、大きなホールしかありません。)今回、新しい商工会館を借りられるようになり、かなり期待しての開催でした。初めてチラシが配られる街です。街の規模、子ども人口、お隣りの大和市や海老名市で開催した時の感覚から、かなり混みあうことも予測しました。
・・・残念ながら、予測期待した数からすると1/4ほどのお客様になってしまいました。しかも、先週の野田市のお客様からのご紹介で、少し離れた相模原市から来てくださったご家族や、昨年の海老名市に参加してくださってまた来てくださった方など、市外からのお客様が多くなりました。そして、来てくださっている子どもたちのほとんどが女の子でした。“本離れ” が当たり前になってしまった街の特徴の一つですね。
お子さんたちの様子も、“本” というよりも、“ゆっくり座ってお話を聞く” ということに、あまり慣れていらっしゃらない小さな子が多いように感じました。そして、大人の皆さんは、それに慣れてしまっていらっしゃるようです。・・・かつてに比べて、そんなご家族が増えていること、そこには、私たちの今の普通の暮らし、お家の中に便利な楽しいツールがたくさん届いていることが無関係ではないことは、毎週うるさいくらいに書いています。

そんな中、とても印象に残ったお二人を、ご本人たちに許可をいただいてご紹介します。
金曜日の午後15時半からの時間に、お一人の女性(女の子)が来てくださいました。ご予約フォームには「学生」と書いてあります。最初に「何か絵本と関係のあるようなことを学んでいらっしゃるのですか。保育や教育系の勉強をされている方ですか、それとも美術とかでしょうか。」とお伺いすると、「子どもにかかわる仕事をしたいと思っています。」とハキハキ答えてくださいました。ブックトークでは、楽しそうに身を乗り出して絵本を見てくださって、また絵本以外のお話にも、真剣に頷きながら耳を傾けてくださいました。フリータイムになっても、最後まで残られて、たくさんの絵本を手に取ってくださいました。
詳しくお話をお聞きして驚きました。女の子は高校2年生とのことでした。服装や佇まい、受け答えがあまりにも落ち着いてしっかりされていたので、てっきり大学生だと思っていました。また、「少し変わった学校に通っています。定時制の高校なんです。」とおっしゃいます。今は様々なスタイルの学校があります。中には、いわゆる一般の高校が合わずにそういうところに通われる方もいらっしゃいます。少し“ヤンチャ”な子どもたちが集まる学校もあります。・・・そんな感じでもないので、「昼間の学校には、行けなかったのですか。行かなかったのですか。」とお聞きしてみました。
「・・・行かなかった、かな。・・・弟の世話とかしないといけないので...。母が、ご飯とか作れない人なので...。」とても明るく、ハキハキと話されます。決して隠したい様子でもありません。弟さんは小学生だそうです。いわゆるヤングケアラーのような方なのかと思いました。
・・・私たちの絵本をとても気にいってくださった女の子は、買おうかどうしようか本気で迷ってくださいました。しかし私たちの絵本は決して安価なものではありません。基本はセット販売、絵本全集です。「バイトで貯めたお金があるので…」とおっしゃる女の子を、私は止めました。いつもは喜んでおすすめしますが、ご事情があるのかもしれない高校生、これから次の学校に行くためにも、お金は大切にして欲しいです。
しかしそんな女の子が、お洋服やスマホのためではなく、「将来子どもたちに読んであげたい。」と絵本のために貯金を使おうか考えてくださったことは、本当にうれしいことでした。

その次の18時の回に、大学3年生の女の子が来てくださいました。この方もとてもしっかりされていて、もっと大人の方と話しているようでした。絵本についてもそれ以外についても、かなり深い話になりながら、長い時間を過ごしてくださいました。そして、「働くようになったら是非欲しい。」とおっしゃってくださいました。うれしかった私は、最近は若い世代のお客様が少ないこと、しかしかつては、学生さんたちが来てくださることも珍しく無かったことをお話ししました。そのあとに、「今日は昼間にも素敵な高校生の女の子が来てくださっていて・・・」とお話ししようとすると、「それ、妹です。さっきバスを降りたら、ちょうど妹がバスを待っていました。“面白かった” と言ってました。“じゃあ、これから私も行ってくるわ”
と話してきました。」と笑われます。
・・・うっかりしていました。そういえば苗字が同じです。それにしても、高校生と大学生の姉妹が、誘い合うでもなくそれぞれで、わざわざバスに乗って来て下さったというのは、とてもうれしいことです。
私は、妹さんがあまりにもしっかりしていらっしゃったので、成人している方だと思ったこと、かなり前向きに欲しがってくれたが止めたことなどを、お姉さんにお伝えました。「確かに、かなりしっかりしているかもしれませんね。」と笑っていらっしゃいました。またお姉さんは「父と母は、働かない人というのではないんです。ちゃんと働いているけどなかなか大変で、それで私たちが家のことをしています。」とおっしゃっていました。お姉さんの言葉には、ご両親への愛情がしっかり感じられました。このお言葉を聞けて良かったです。何かご事情があるかもしれない中で、お二人がとても明るく、しっかりとした素敵な女性に成長されている理由が少し分かった気がしました。弟君もおそらく素敵な男の子なのではないでしょうか。
(お二人が本好きでいらっしゃることも、無関係ではないと思います。)

・・・失礼ながら、お姉さんにお話ししてみました。
これまでに、母子家庭さんなど経済的には大変なはずなのに、大変だからこそご家族が協力されて、とても素敵なご家族やお子さんたちにお会いしてきたこと、そんなお子さんの中には、しっかり目標を持って努力していらっしゃって、返済しなくていい奨学金をもらったりする方も少なくないこと・・・。
「もしかしてそんな感じですか。」とお聞きする前に、「はい、私もそうです!」とにこやかに返ってきました。それが、必要以上に照れる感じでもなく、かといって “自信に満ちた” という感じでもなく、とても軽やかでさわやかで、さっぱりとして、とても格好良かったのです。私は迷わずにお願いしました。
「お二人がお仕事を始められて、しっかりとお金が使えるようになったら、また是非買いに来てください。」
色々と考えさせてくれる、本当に素敵な姉妹との出会いでした。

さて次回は、6月28日(土), 29日(日)、新潟県十日町市「商工会議所会館 エコマール」で開催します。10年ぶりですが、10年前にはポジティブな印象が残りました。しかし今回は、ご予約が全く入っていません。2週連続のピンチです。お好きな皆さん、ぜひ遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】6月14日(土), 15日(日)千葉県野田市野田市生涯学習センター今回は野田市に行ってまいりました。14年ぶりです。野田市は千葉県の北西端にある人口15万人ほどの街、千葉県の形をしたキャラクター “チーバくん” では、ちょ...
18/06/2025

【えほん展ご報告】
6月14日(土), 15日(日)
千葉県野田市
野田市生涯学習センター

今回は野田市に行ってまいりました。14年ぶりです。野田市は千葉県の北西端にある人口15万人ほどの街、千葉県の形をしたキャラクター “チーバくん” では、ちょうど鼻先にあたります。有名なキッコーマン醤油の創業の地で、その本社も野田市にあります。
東京から近すぎず遠すぎず、人口構成も私たちがイベントを行いやすい規模なのですが、実は、現在の私たちの予算内でお借りできる会場が無くて、ずっと開催出来ておりませんでした。今回、生涯学習センターをお借りできることになり、満を持しての開催でした。
(実は千葉県や茨城県には、東京に近いが故に、公共の文化施設があまり整備されておらず、開催できないままの街がたくさんあります。)
・・・ “満を持して” の開催でしたが、開催前日になってもなかなか予約が埋まりませんでした。特に日曜日には3割ほどしか入っていません。いつものように、追加のSNS広告を出し、ご紹介のお願いのメールをお送りしておりましたが、なかなか増えませんでした。かなり焦りました。・・・しかし、前日や当日の駆け込み予約が一気に入って、土日曜日とも、それなりに賑やかになりました。皆様ありがとうございました。
今までにこんなに急に埋まったことは経験がありません。皆様ギリギリまで予定を探っていらっしゃったのでしょうか。この辺りも、お隣の柏市や流山市のように、お子さんのいらっしゃるご家庭が、習い事やスポーツでお忙しくなっている地域なのかもしれませんね。

そんな中、金曜日の夜にうれしいメールが届きました。土曜日の13時から、お一人でご予約をいただいている女性からでした。
「1名追加できますか。中学生の姪も連れて行ってもいいでしょうか。」
とても嬉しいメールです。今は珍しくなってしまった中学生のお客様、どんなお子さんとお話しできるのか楽しみです。
・・・そして当日、午前中の回が終わって休憩中に、今度は別の方からお電話をいただきました。13時から、7歳の娘さんとご予約をいただいているお母さんです。
「中学生の息子も連れていきたいのですが、ひとり増えてもよろしいでしょうか。」
・・・大歓迎です。久しぶりに、中学生が2人来てくれます。それもご兄妹ではありません。ご家族ではない中学生以上のお子さんが同じ時間に来てくださるのは、かなり久しぶりではないでしょうか、ここ数年では思い当たりません。13時からの時間がとても楽しみになりました。

・・・とても素敵なお二人でした。お二人とも、入室されて他のお客様を待っていただいている間も、積極的に絵本をめくってくださいます。“連れて来られてしまった” 感じのお子さんやお父さん(!)が、居心地悪そうに困っていらっしゃる姿と対照的です。
女の子は中学1年生でしたが、叔母さんにあたる女性との会話をお聞きしていると、かなり大人同士の対等なやりとりで、とてもしっかりしていらっしゃいました。中学2年生の男の子も、7歳の妹さん、お母さんとの関係がそれぞれとても素敵でした。
ブックトークを始めるときには、お二組とも、皆さん積極的に最前列から座ってくださいます。しかし、他に小さなお子さんがいらっしゃることに気付かれると、お兄ちゃんはすぐに席を譲ってくれて、後ろに移ってくださいました。2列目が空いていたので、「前の方がよく見えるよ。」と声をかけてみましたが、お母さんのお隣りは恥ずかしいのか、「ここでいいです。」と3列目に座られました。

この時間は、とても充実したブックトークになりました。
最前列の私の右には、中1の女の子、7歳の女の子、姉妹ではありませんが、一緒に楽しそうに聞いてくださいます。左には、9歳と5歳の男の子のご兄弟、このお二人もとても上手に聞いてくださいました。5歳の弟くんは、途中からお母さんが抱っこされましたが、お膝の上で最後までよく頑張ってくださいました。
(実は今、以前に比べて、お子さんの集中力が途切れてきても、抱っこしたり横に寄り添ったりしてお顔を寄せて、お子さんの気持ちをこちらに繋いでくださらない親御さんが増えています。スマホの普及とともに増えてきました。以前は、もっと自然にほとんどのご家庭がそうしてくださっていたのですが、便利なツールは、無意識のうちに私たち大人も変えてしまうようです。)
・・・嬉しかったのは、中2のお兄ちゃんの様子です。聞いているうちに、もっと近くで見たくなってくださったようで、数冊目には2列目に移動してくれて、お母さんのお隣りに座られました。そして特に印象的だったのは、「禎子の鶴 (原爆の絵本)」を読んでいる時のこと、お母さんは途中から本格的に涙を流しながら聞いてくださっていたのですが、最初は、“余裕ある” 感じで聞いてくださっていたお兄ちゃんの表情が、お母さんの涙に気が付いた途端に変わったのです。少し驚いたように一瞬お母さんを見つめたあとは、こちらを見る目ヂカラが急に強くなって、お口を結んで、とても険しいお顔に変わりました。とても強く “感じて” くださっていることが分かりました。

かつて絵本展に、幅広い年齢のご家族が集ってくれていた頃の、懐かしい感じです。お互いが、お互いの気持ちを拾い合っていたのです。かつては、家庭内でもそうでした。今のように、それぞれがツールを持って、一緒にいても別の時間を過ごしていることはほとんど無かったことを思い出します。
そして特に思い出して欲しいのは、誰かと一緒に、その人の心を感じながら絵本や物語、映画やドラマを見ることの素晴らしさです。「原爆」に限らず、世の中の様々なことに、「教科書」や「勉強」以外で出会うことの奥深さです。また、親しい大人の興味や感動に触れることは、その子のその後にとても大きな影響があるように思います。

どうせ様々なモノやツールは手放せないのだから、せめてその反対の時間を少しずつでも増やしていくために、ご家庭内に、大人と子どもが一緒に楽しめるような絵本や、子どもたちが大人の興味に出会うことができる本が並ぶコーナーを作ることは、本当におすすめだと思います。

さて次回は、6月20日(金)~22日(日)、神奈川県綾瀬市「商工会館」で開催します。綾瀬市も、借りられる会場がずっと無くて、今回が初開催です。しかし、野田市以上にまったくご予約が入っていません。お好きな皆さん、ぜひ遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】6月6日(金)~8日(日)愛知県豊明市豊明市文化会館今回は豊明市に行ってまいりました。17年ぶり、諸事情あってかなり久しぶりとなりました。豊明市は、名古屋市の南東に隣接します。人口は約6万9000人、決して大きな街ではあり...
10/06/2025

【えほん展ご報告】
6月6日(金)~8日(日)
愛知県豊明市
豊明市文化会館

今回は豊明市に行ってまいりました。17年ぶり、諸事情あってかなり久しぶりとなりました。豊明市は、名古屋市の南東に隣接します。人口は約6万9000人、決して大きな街ではありませんが、東の豊田市など、周辺には大企業を多く抱える街に囲まれています。この辺りにはまだ緑も残り、新しい住宅地には子育て世代も少なくありません。前回開催の記録にはかなりポジティブな内容が書いてあります。また、私がかつて名古屋で仕事をしていた頃の豊明市のイメージは、“子育て世代が多い、郊外の若い元気な街” でした。周辺の地域からのご来場にも期待できます。かなり楽しみに開催を決めました。
・・・残念ながら、今回もお客様はかなり少なくなってしまいました。ご予約がなかなか入らず、しかし最近の、子どもたちが忙しくしている若い街のように、前日や当日に一気に増えるのかな、と待ちましたがそれも無く、期待からすると、かなり寂しい3日間となってしまいました。17年ぶりなので、変化も当然なのでしょうか。

実は今回、子どもたちの本離れ、そして、大人の皆さんがそれを受け入れてしまっていらっしゃることを、いつも以上に強く感じました。
来てくださったお子さんのほとんどが5~6歳くらいまでで、10歳以上のお子さんはほとんどいらっしゃいません。何度も書いてきましたが、本離れが進んでしまったことを感じる地域では、大きいお子さんのご来場が少なくなります。そして大人の皆さんは、それを疑問に思っていらっしゃいません。今回も「かつては小学生や中学生、高校生も来てくれたイベントでした。」とご紹介すると、「えっ、そうなんですか。」という反応をたくさんいただきました。

そして、小さなお子さんたちは、“じっとその場に参加する” ということに慣れていらっしゃいません。すぐに立ち上がって動き回ってしまうお子さんがとても多く、なかなか落ち着いてくれませんでした。私たちのブックトークの真骨頂である、子どもたちがシーンと静まりかえって聞いてくれて、その姿に大人の皆さんが驚く、というような時間はほとんど作れませんでした。当然、大人の皆さんでも涙を流されるような深い味わいのある絵本はあまり紹介できておりません。そのためか、ブックトーク後に残って長い時間を過ごしてくださるご家族がとても少なくなりました。振り返ると、今回は、いつもよりもゆっくりと昼食がとれて、各休憩ごとにトイレに行く時間がありました。

今回、残念ながらずっと動きまわってしまったお子さんのお父さんお母さんに、やはりお伝えしたいです。
「本当は、子どもたちはもっとじっと座って参加して、何かを感じて探ってくれるものです。」
かつては、大人がそんなに意識していなくても、多くの子どもたちがそうでした。しかし最近は、子どもたちのすぐ手の届くところに、キラキラ楽しいモノ、音や刺激、リズムが多くなり過ぎて、ここ数年は、それぞれが “端末” を持つようになって、“一緒に過ごす” や “周りの人に合わせる” ということをしなくてよくなって、子どもたちの様子が変わってしまいました。
今は、大人がよほど気を使って、そういう風に生活を組み立ててあげないと、子どもたちはかつてのようには育ってくれません。「本離れ」は、「本」にとどまらず、子どもたちのそういった変化が、象徴的に「本」に現れているのだということを、大人の皆さんに気付いて欲しいです。
また今は、子どもたちだけでなく大人の皆さんも、今の生活に慣れてしまいました。今回、小さなお子さんにスマホの動画を見せながら入室されてくるご家族が複数いらっしゃいました。“歩きスマホ” が幼児さんから始まっています。若いお父さんお母さんは、それを疑問に思っていらっしゃいません。絵本展に来てくださっているご家族でもそうなのです。

・・・しかし誰も悪くないとも思います。皆さん、今も昔も、当たり前に「今」を過ごしていらっしゃるだけです。私も、この仕事で、毎週子どもたちに本を読んで各地を回る、なんてことをしていなかったら、今の当たり前に疑問を持たなかったでしょうし、その様子に、地域柄があることに気付かなかったはずです。
子どもたちの遊びや学びの環境が変わる中、大変な思いで頑張っていらっしゃるお父さん母さん方には、「私は十分頑張っている。悪いのは時代と環境だ。」という逃げ道も持ちながら、しかし、真剣に受け止めて欲しい話です。 

さて、そんな中にも、背筋をピンッと伸ばして、背もたれを使われずにじっと聞いてくださるご兄弟が来てくださっていました。7歳と5歳、お父さんと一緒です。残念ながら、お母さんは体調を崩されて来られませんでした。
特にお兄ちゃんは、ご自身の知識や情報を総動員して、こちらがお話する絵本の展開と照らし合わせながら、先を予測しながら聞いてくださっていることがよく分かりました。持っていらっしゃる材料が多いので、見えてくることや気付くことが多い、“賢い” お子さんでした。それは、たくさん勉強したお子さんにありがちな、「それボク知ってるよ。」で終わらない、知ってることと照らし合わせながら、その奥の意味を探り、感じ取ってくれる、という聞き方でした。
・・・ブックトーク後、お父さんとお話したことをご紹介します。お父さん曰く、
「さっきのお話に賛成です。うちでも、お話されたような、スマホやゲームのようなものは、“まだ” 全く触らせていないんです。子どもたちはツラいと思いますが、人生は大人になってからの方がずっと長いので、そっちが豊かである方が幸せです。そう思えば、子どもの頃のツラさや我慢は、短い間の我慢です。実はウチには、テレビもありません・・・。」
お子さんたちは、とても豊かに絵本を楽しんでくださっていました。そして、小さい頃をそんな風に過ごされたお子さんが、やがてスマホやゲームに出会われた時に、とても上手に、何なら他の人以上に、そういったものを楽しんでいらっしゃる例を、私はたくさん知っています。

さて次回は、6月14日(土), 15日(日)、千葉県野田市「生涯学習センター」で開催します。ずっと開催したかった野田市、なかなか会場が貸してもらえず、14年ぶりとなりました。しかし、ご予約がほとんど入っていません。街の規模や環境からすると「なんで?」なのです。15日が「千葉県民の日」だからでしょうか。各施設で割引があります。しかし「がいこくえほん展」は入場無料です。皆さん、遊びに来てください。きっと楽しいですよ。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

(ちなみに「ディズニーランドがタダになる」はデマだそうです!)

【えほん展ご報告】5月30日(金)~6月1日(日)岐阜県美濃加茂市美濃加茂市文化会館 かも~る今回は美濃加茂市に行ってまいりました。岐阜県南部にある美濃加茂市、人口は56,000人ほどの小さな街です。16年ぶり、かなり久しぶりになってしまい...
04/06/2025

【えほん展ご報告】
5月30日(金)~6月1日(日)
岐阜県美濃加茂市
美濃加茂市文化会館 かも~る

今回は美濃加茂市に行ってまいりました。岐阜県南部にある美濃加茂市、人口は56,000人ほどの小さな街です。16年ぶり、かなり久しぶりになってしまいましたが、実はかつて、我々が有名大手書店の一部署として全国で事業を展開出来ていた頃には、名古屋市にも営業所があって、美濃加茂市にももっと頻繁にお伺いしておりました。それは、まだスマホが普及しておらず、子どもたちの側には、今よりは本が並んでいた頃のことです。そして、子どもたちが、もう少し座って落ち着いてお話を聞いてくれていた頃でもあります。
最近は、人口が5~6万人規模の街での開催はやや慎重になるのですが、今回は、会館のホームページで見つけたお部屋の写真を見て、「ここに絵本が並んだら素敵だろうな。」ということで開催を決めました。大きな窓の外に、ゆったりと流れる木曽川を眺めることが出来るお部屋をお借りしました。

人口が多くは無いので、市内のすべての保育園、幼稚園、こども園だけでなく、小学校にも、人数分のチラシをお配りいたしました。いつもは予算の関係で、小学校には少なめになるのですが、今回は、児童さん全員分のチラシをお送りすることが出来ました。いくつかの学校からは(教育委員会からも)お問い合わせもいただき、ある校長先生からは「いい催しなので、是非全校児童に配ります。」というお言葉もいただきました。大きなお子さんたちもたくさん来てくださることを期待しました。

・・・残念ながら、やはり10歳以上のお子さんはほとんどいらっしゃいませんでした。
全国どこでも、大きい子たちは、他の楽しい物と出会ってしまって、「本」にはなかなか興味が向かないようです。また今回も、小さなお子さんたちで、ずっと体をねじって動いていたり、やがては歩き回ってしまったりと、始まって1分もこちらを見ていられないお子さんが、やや多くなってしまいました。そして大人の皆さんは、それに慣れてしまっていらっしゃいます。
何度も書いてきましたが、かつて子どもたちのまわりに、これだけ刺激的な音と光、リズムが溢れていなかった頃には、ほんの小さな子どもたちも(赤ちゃんだって)、もっとじっと座ってこちらを見て聞いてくれていました。何なら、こちらを試すように探ってくれました。そして、大人でも驚くような、おおよそ子どもむけではないような絵本の深い部分に気が付いて大人たちを驚かせるのは、子どもたちでした。 ・・・実は今も、暮らし方を少し整えれば、子どもたちはかつてと同じです。そんな子どもたちは、大きくなっても、学校で絵本展のチラシが配られたら、「これ行きたい!」と言ってくれるお子さんになっていて、そして大人をうならせるような感想を、ボソッとつぶやいて、今でも私たちを驚かせてくれています。
こんなことばかり書いていると、「現代っ子も捨てたものではないですよ。」というお言葉をいただくことがあります。そんなお言葉をいただいてしまう私の話し方にいつも反省なのですが、一方で「おっしゃる通り、捨てたものじゃない。でも子どもたちの本当は、こんなものじゃないですよ。」という気持ちがあることも事実です。

・・・さて今回も、素敵なお客様をひとりご紹介します。今回はかなり大人のお客様です。
私より少し上の世代の初老の男性がお一人、悪戯っぽく「お久しぶりです。」と入室してこられました。すぐに分からなかった私に、「分かるわけない。気にしないで。」と笑われます。実は昨年、近くの街での開催に来てくださっていた男性でした。お話するうちに、私の地元に展示されている、戦時中のある戦闘機の話で盛り上がったことを思い出しました。男性はおっしゃいます。
「昨年も、いいな、とは思ったんだけど、私自身はすでにたくさんの本に囲まれていて、もう子どもたちも独立しているし、私の家にあってもなぁ、ということだったのですが、今回、息子のところに孫が生まれることになりまして・・・。もう一度しっかりお話をお伺いしたいと思っていたら、近くに来られるということなので・・・。」

またゆっくり絵本を見てくださって、そして、私がお伝えする、今の子どもたちの育ち環境の問題にも、真剣に耳を傾けてくださいました。ブックトークでは、絵本を聞いてくださるよりも、まわりの全くじっとしてくれない小さなお子さんたちと、それを一生懸命何とかしようと奮闘されるお母さんの姿をじっと見つめては、少し考え込むような表情をされていたのが印象に残っています。ブックトーク後も、一回り会場内の絵本を見てくださっていました。
私がとても素敵だなと思ったのは、その男性の “お爺さん” としてのスタンスでした。
「やはりいいものですね。しかし、あとは若い人たちがどう思うかだね。彼らが欲しがるなら、孫に贈ってもいいかな、と思っています。」
「買ってあげます。」ではありません。
息子さんたちは神奈川県にお住まいだそうです。近々の神奈川県での予定をお伝えすると、「息子に紹介してみます。興味を持って実際に行くかどうかは彼らに任せます。そして、欲しいと思うかどうか、こんな子育てをしてみたいと思うかどうかも、息子とお嫁さん次第です。もし欲しいというならば、私はお金を出してもいいです。」とおっしゃいます。そして、クルっと出口に向かわれながら、「そうならなければ、そういうことです。ではまた!」とスマートに去って行かれました。ニコニコ笑ってさっと手をあげられたので、私もつられて、まるで親しい友人にする様に手をあげてしまい、慌てて頭を下げました。

最初の「お久しぶりです。」から「ではまた!」まで、ずっとサッとしていらっしゃって素敵でした。こんなお父さん(お爺さん)、いいですね。

さて次回は、6月6日(金)~8日(日)、愛知県豊明市「豊明市文化会館」で開催します。今回は、何故か土曜日のご予約にかなり空きがあります。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】5月23日(金)~25日(日)奈良県橿原市奈良県橿原文化会館今回は橿原市に行ってまいりました。飛鳥時代の都「藤原京」が置かれたところとして有名ですね。奈良県中部の飛鳥地方にあり、奈良市にも大阪市にも通勤通学が便利で、程よく...
28/05/2025

【えほん展ご報告】
5月23日(金)~25日(日)
奈良県橿原市
奈良県橿原文化会館

今回は橿原市に行ってまいりました。飛鳥時代の都「藤原京」が置かれたところとして有名ですね。奈良県中部の飛鳥地方にあり、奈良市にも大阪市にも通勤通学が便利で、程よく自然の残った暮らしやすそうな街です。
初日、会場に向かう私の前を “飛鳥ナンバー” の車が走っていて、格好いいなと思いました。橿原市では、2014年以来11年ぶりです。憧憬社としては、2008年、2014年と2回開催しているのですが、どちらもたくさんのお客様が来てくださって盛況だった記憶があります。記録にも、いいことがたくさん書いてあります。期待して久しぶりの開催です。

ご予約はかなり順調に埋まりました。土日曜日の昼間の時間帯はすべて満席以上、15人の定員に対して17~20人となる時間が多くなりました。お父さんも一緒に来てくださる予約も少なくありません。これは期待できます。しかしやや不安がありました。ほとんどのお子さんが6歳以下、7歳以上のお子さんのご予約は4名様しかありません。あまりにも低年齢に集中しています。また多くの時間が “定員オーバー” になっているのには理由がありました。実は「予約フォーム」をよく読まれないで予約していらっしゃる方がとても多かったのです。いつもは、「残席が2しかないのですが、家族4人は無理でしょうか。」といったお電話やメールをいただくのですが、それがほとんどありませんでした。お部屋がいつもよりも広かったので、「まあいいか。」と全て受け付けました。
前日にこちらがお送りするメールも、あまり読んでもらえてないようでした。ブックトークの開始時間は、毎回かなり遅れました。そして、“ドタキャン” や “すっぽかし” が(特にお父さんたち)とても多くなってしまい、実際にご来場くださった人数は、ご予約の7割くらいになってしまいました。また、お子さんをお母さんに任せっぱなしにされて、座ってスマホを開いていらっしゃるお父さんに、「ここではスマホはご遠慮ください。」と言ってしまったことも複数回ありました。もっともそのお父さん方は、すぐに「これは失礼しました。」という感じで、その後はとても楽しそうに参加してくださる素敵なお父さんたちでしたが、逆に考えると、そんな方でも “無意識にサッとスマホを開く” ことが当たり前になっているということですね。私も人のことは言えないので反省です。

今回、正直に書くと、お子さんたちの年齢にしては、やや落ち着かない時間が多かったように感じています。今回の中心年齢だった5歳くらいまでのお子さんたちでも、もっと集中して、特に「禎子の鶴 (原爆の絵本)」などでは、素晴らしい緊張感が生まれて、絵本の内容よりも、そのお子さんたちの様子に驚いて、心を揺さぶられて涙してしまう大人の方が出てくることが少なく無いことを、今回に限らず、その時間を体験できなかった大人の皆さんには知って欲しいです。

もう一つ、今回気になったことがありました。
先輩世代のお母さんたちや、教育現場の先生方の多くが、絵本の楽しさ大切さだけでなく、私の話す楽しくない話、子育てにおける費用対効果「本をたくさん並べるような暮らし方のほうが、子育てにお金がかからなくなりますよ。」という話についても、深く頷いてくださることが少なく無かったのですが、ほとんどの方が、「それを今、赤ちゃんや幼児さんに向かっている若い “お母さん” に教えてあげて・・・」と言われたことでした。“お父さんお母さん” ではなく、ほぼ皆さん “お母さん” でした。(私はいつも、「お父さんお母さん」と書くべきが、「お母さんお父さん」と書くべきが悩みます。)
今回、「私が本好きなんです。」と言われるお父さんとじっくりお話しできた記憶がほとんどないことと、大きいお子さんのご家族がほとんど来てくださっていなかったこと、小さなお子さんたちが、「なかなかこちらに集中してくれないなあ。」と感じてしまったこと、すべてが繋がります。
女性であれ男性であれ、「本好き」で損をすることはありません。「絵本展」と聞いて「面白そう、行こう!」と思ってくださる大人の方に増えて欲しいです。当然ですが、そうであればあるほど、子どもたちの様子も違います。そしてそのためにも、私たち大人は、やはり子どもたちが手を伸ばしたところに並ぶものは、よく考えてコントロールしてあげたいですね。

・・・ゆっくり本に向き合えるかどうか、その場に参加していられるかどうか、これは、「本」という問題にとどまりません。最後の回に来てくださった、素敵な5歳の女の子をご紹介します。
その女の子は、ブックトーク中、とても表情豊かに笑ったり、ちょっと怖い場面では顔をしかめたりしながら、素晴らしい集中力で聞いてくださっていました。普段からの積み重ねが分かる雑学の豊かさで、知っていることが多いからこそ気付くことも多い、また、先をよく予測しながら聞いていることが分かる聞き方をしていらっしゃいました。ブックトーク後も、大人が相手をしなくてもご自分で絵本をめくって、じっくり長い時間を過ごしてくださいました。そのため、お母さんともゆっくり大人の話が出来ました。
最期、お一組だけ残られていたので、一つお土産をプレゼントしました。ブックトークの冒頭に、子どもたちの注意を引くための遊びで披露した、変わった形の “飛行機” です。この飛行機を飛ばすのには、持ち方、投げる向きなど少しコツが要ります。実は以前に比べて、そういったことを直感的に理解して、見ているだけでサッと “出来てしまう” お子さんが少なくなったのですが、この女の子はすぐに上手に飛ばしていらっしゃいました。また最近は、せっかくプレゼントしても、すぐに飽きてしまって持って帰らないお子さんが多くなりましたが、この女の子も、退室されるときには、飛行機を持っていらっしゃいませんでした。ちょっと意外でした。
私は「飛行機持った?」とお伺いしながら、女の子が、さっきご自身のリュックに何かゴソゴソ入れていらっしゃったことを思い出しました。「リュックにしまった?」とお聞きすると、お母さんは、「(形が)つぶれちゃう!」と慌ててリュックを開けていらっしゃいました。・・・心配いりません。女の子は、しっかりと飛行機をつぶれないように “開いて” 、折れないところに挟んで入れていらっしゃいました。当たり前のようで、小さいお子さんにはなかなかできない賢さです。(写真に飛行機を紹介します。)
やはり、ゆっくり本に向き合えるかどうか、これは、「本」という問題にとどまりません。

さて次回は、5月30日(金)~6月1日(日)、岐阜県美濃加茂市「美濃加茂市文化会館かも~る」で開催します。今回はご予約がかなり少なめです。特に日曜日にはかなり空きがあります。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】5月16日(金)~18日(日)横浜市旭区旭区民文化センター サンハート今回は、横浜市旭区に行ってまいりました。6年ぶりです。お借りしたのは、相鉄線二俣川駅の駅ビルの上にある文化センター、横浜駅からは電車で10~15分ほどの...
20/05/2025

【えほん展ご報告】
5月16日(金)~18日(日)
横浜市旭区
旭区民文化センター サンハート

今回は、横浜市旭区に行ってまいりました。6年ぶりです。
お借りしたのは、相鉄線二俣川駅の駅ビルの上にある文化センター、横浜駅からは電車で10~15分ほどの距離にあります。また最近は、他の鉄道会社との相互乗り入れが進んで、東京方面へも、県西部方面へもアクセスがかなり便利になったようです。駅周辺には、きれいなショッピングモールやお店が増えて、新しい元気な街、子育て世代も多く暮らします。
久しぶりに、ご予約がどんどん入ってきました。土日曜日の昼間の時間は、ほとんどの時間帯で満席となり、金土曜日には、夜18時からもしっかりご予約が入りました。また、キャンセルが出ても、それをWebサイトに反映させれば翌日には埋まりました。皆様ありがとうございました。

・・・久しぶりに、お父さんのご予約も少なくありません。たくさんの皆様とお会いできることに期待しながら、実は、好調なご予約の入り方に少し不安もありました。
大都市近郊の若い新しい街では、土日曜日には、多くの皆さんが習い事やお出掛けなどでとても忙しくされていて、どうしても“ドタキャン” や “すっぽかし” が多くなってしまうのです。そしてまた、ご予約いただいているお父さんが実際には来られず、お母さんが「(父親は)やはり来ないそうです。」と申し訳なさそうにされることも少なくありません。 ・・・がっかりしないように一応心の準備をして、当日に臨みました。

金曜日は、本好きの単独の女性がたくさん来てくださいました。多くは子育てを終えた世代、また、そろそろ終える世代の方たちです。とても楽しくポジティブな話がたくさん出来ました。ありがとうございました。しかしやはり若い街なので、もう少し、0歳、1歳くらいのベビーカーの赤ちゃんを連れたお母さんや、土日には予定があって来られない大きいお子さんたちに、もっとたくさん来て欲しかったです。金曜日に開催するのは、そういうお客様が夕方からの時間にたくさん集まってくださる街が、時々あるからです。

土曜日、うれしいことに、たくさんの男性(お父さん)が来てくださいました。とても楽しそうに聞いて下さって、ブックトーク後も長い時間残られて、積極的に絵本を手に取ってくださる方が少なくありません。「これは面白いですね。」「凄いですね。いいですね。」というお言葉もたくさんいただきました。とてもイベントが進めやすかったです。お母さん方、女性の皆様には申し訳ないですが、土曜日に関しては、男性とたくさんお話出来た印象の方が強く残っています。
そしてその日、私が「なるほどな。」と感心(感謝)したのは、「皆様、きちんと連絡をしてくださるなあ。」ということでした。“すっぽかし” がありませんでした。満席の割にキャンセル自体が本当に少なかったのですが、仕方なくキャンセルとなる方も必ず丁寧なメールをくださっていました。また、「道が混んでいて少し遅れます。」「駐車場に入庫中です。」など、細かいメールを丁寧にいただくことが少なくありませんでした。(ブックトークはお客様が揃ってから始めるので、キャンセルや、やむを得ない遅刻はお知らせいただけるよう皆様にお願いしているのですが、必ずしも連絡してくださる方ばかりではありません。)
また、「主人は、やっぱり、いいそうです。来ません。すみません。」が1件もありませんでした。

・・・大人の皆さんの様子がそうなると、やはり「そうなんだなあ。」と思わされたのは、お子さんたちの様子でした。子どもたちが(かなり小さいお子さんたちも)、じっと座ってよく聞いてくださっていました。残念ながら今回も大きいお子さんは少なくなりましたが、まだ小さい子たちでも、歩き回るようなお子さんはほとんどおられず、最近のバタバタした感じがほとんど無かったのです。子どもたちがこっちを見てくれている目の強さが違いました。大袈裟ではなく、明らかに違ったのです。
・・・やはり、ご両親が揃って楽しそうにされていると、子どもたちは、絵本を見ること、お話を聞くこと、そして、目の前で行われていることに参加することを、「僕も私も!」と積極的に楽しんでくれます。楽しそうな大人の “真似” をしますね。おそらくこれまでの毎日も、絵本に限らず色々な場面でそうだったのではないでしょうか。
ここまではっきりと形に現れると、もう何も言えません。何度もここに書いてきたことですが、改めて思い知らされました。

日曜日朝、「今日も!」と期待してパソコンを確認すると、キャンセルのメールが数件届いていました。なぜかお父さんと一緒のご家族ばかりです。もちろん、お子さんの発熱など残念な方もいらっしゃるのですが、なぜかいつも、キャンセルが多いのは、お父さんと一緒のご予約なのです。そしてもう一つ、「主人はキャンセルします。」のメールも数件届きました。・・・いつもの感じになりました。そして、ブックトークでの子どもたちの様子も最近のいつもの感じでした。もちろん落ち着いて楽しんでくださるお子さんもいらっしゃいましたが、そうでもないお子さんもいらっしゃって、その差がとても大きくなりました。それが普通です。全くいつもの感じです。

なかなか気になる数字を紹介します。
土曜日に来てくださった大人のお客様は、女性が19人に対して男性が13人、日曜日は、女性17人に対して男性4人でした。お子さんの数は、土曜日が女の子10人に対して男の子6人。日曜日は女の子11人に対して男の子「1人」でした。・・・考えさせられますね。

※ 今回の嬉しいお客様は、写真のキャプションでご紹介。他にも、ご紹介したいご家族が沢山来てくださっていました。◯◯様、お誕生日おめでとうございます!

さて次回は、5月23日(金)~25日(日)、奈良県橿原市「奈良県橿原文化会館」で開催します。ご予約まずまずですが、まだ空きがあります。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】京都府亀岡市 その②亀岡市のお客様からうれしいメッセージをいただきました。土曜日に、飛び込みで、お母さんと一緒に来てくださった高校生の女の子からです。久しぶりの高校生のお客様、お母さんは一度先に帰られましたが、ご本人は残っ...
14/05/2025

【えほん展ご報告】
京都府亀岡市 その②

亀岡市のお客様からうれしいメッセージをいただきました。
土曜日に、飛び込みで、お母さんと一緒に来てくださった高校生の女の子からです。
久しぶりの高校生のお客様、お母さんは一度先に帰られましたが、ご本人は残ってくださって長い時間を過ごして行かれました。最近は、お一人でゆっくり見てくださるティーンエイジャーはあまりいらっしゃいませんので、とてもうれしいことでした。

そして、丁寧に、思いのこもった文章を送ってくださいました。この年代のお子さんからメッセージをいただくのは、本当に久しぶりです。(以前は時々ありました。)
「大好きです!」と「楽しいです!」という若々しい、元気いっぱいの言葉がたくさん出てきて、とてもポジティブな素敵な文章です。
こんな素敵な高校生が、他にもたくさんいらっしゃるはずなので、そんな子たちにもっと絵本を知って欲しいな、たくさんお話したいな、と改めて思いました。
皆さんに是非読んでいただきたいので、お許しをいただいてご紹介します。

大根おろしさん、素敵な絵本を完成させてくださいね。また是非遊びに来てください。ありがとうございました。

――――――

亀岡のイベントに参加させてもらった者です。予約することを確認していなくてすみませんでした😢
私は美術系の高校に通っていて、今回は絵本を作る課題があるので参考にするために参加させていただきました。子供向けの絵本を作ろうと考えていて、はじめは子供向けなら、わかりやすく単純な題材の方が良いだろうと考えていたのですが、実際に読んでみると、主人公が消えていくにつれ紙の薄さが薄くなっていく本や、伏線が張られている本など高校生でもすごい!✨となるような工夫が凝らされていて楽しかったです!
デジタルで描かれた絵も好きですが、手書きで描く水彩のにじみや筆跡などの偶然性のある絵本も好きでした。また、紫のブロッコリーがあるんだ!とまた新しい発見ができて嬉しかったです。
昔、母の実家によく行っていたのですが、虫取りをしたり、花の名前を教えてもらったり、工作をしたり、絵本を読んでもらったり、いろんな体験をさせてもらったことで、今もなんでも楽しめるし、(生物や英語や仏像までほんとになんでも)新しい体験がしたい!という好奇心でいっぱいです。
ゲームもYouTubeも好きですが、それよりも実際に体験をして、新しい知識に出会うときが1番楽しいです。だから学校の勉強も大好きです。豊かで、やりたいことが沢山あって、人生がとても楽しいです!!!
今回良い体験ができたし、絵本の世界にも興味が出ました。もっとお話したかったし、本について聞きたかったのですが、緊張してしまいました。😆
また、機会があれば是非参加したいです!!!!!!!
長文失礼しました。本当にありがとうございました!

【えほん展ご報告】5月9日(金)~11日(日)京都府亀岡市生涯学習施設・道の駅 ガレリアかめおか今回は、亀岡市に行ってまいりました。憧憬社としては初めての開催です。亀岡市は、京都市の西に隣接し、京都市だけでなく大阪の中心部までも電車で1時間...
13/05/2025

【えほん展ご報告】
5月9日(金)~11日(日)
京都府亀岡市
生涯学習施設・道の駅 ガレリアかめおか

今回は、亀岡市に行ってまいりました。憧憬社としては初めての開催です。
亀岡市は、京都市の西に隣接し、京都市だけでなく大阪の中心部までも電車で1時間ほどで繋がります。最近のある特集では、京都府で人気のあるベッドタウンの第一位に選ばれていました。お借りた会場は、道の駅と同じ敷地内の文化施設、館内には図書館があり、使ったお部屋は「子ども図書室」のすぐ隣です。街の規模、立地、子ども人口、そして、初めての開催、かなり期待して計画し、ご予約を待ちました。

・・・残念ながら、お客様はかなり少なくなってしまいました。そして、先週と同じく、お父さんもご一緒のご予約、大きいお子さんのご予約がほとんど入ってきませんでした。せっかく予約していても、実際には来られないお父さんも多く、また、お父さんが一緒のご予約、大きいお子さんが一緒のご予約ほど、連絡がないままに当日来られない、という残念なケースが多くなりました。来てくださったお母さん方からは、「主人にも一緒に来て欲しくて予約したのですが・・・」というお声が複数聞こえてきました。
・・・子どもたちが本から離れてしまっている地域の特徴が、すべてそろっていました。実は、土日曜日の会館内は、ダンスの練習や発表会、その他の習い事やイベントでかなり賑わっていて、子どもたちもたくさん来られて楽しそうにされていました。そして、私たちの入り口のポスターに目を止められる大人の方も少なく無いのですが、「どうですか。」とお誘いすると、皆さんすぐに離れてしまいます。お隣りの子ども図書室も、3日間とも、毎週各地で見てきた土日曜日の様子からすると、かなり寂しい感じでした。

今回、ブックトークの間、ずっと前後に足が揺れてしまっているお子さん、お口がポカンと開いたままのお子さんが、とても多いことが気になりました。また、ブックトーク後に、残ってゆっくり見ていかれるご家族が少ないことも気になりました。
「子どもがあまり興味無さそうなので、これで失礼します。」というお言葉をたくさんお聞きしました。「子どもがこんなことに興味を持ってくれるようなったら・・・」「子どもがじっとしてくれるようになったら・・・」というお言葉も、いつもより多くお聞きしました。

・・・当たり前ですが、待っている限りそれは訪れません。今は、ただでさえ、それぞれが別々の端末を持って、自分が好きなこと、その時見たいものだけに向き合っていられる環境です。かつてに比べて、子どもたちは、今日初めて出会う話には、立ち止まってくれません。「まったく立ち止まってくれません。」と言っても言い過ぎではないように感じています。そしてそれが毎日だと、経験や雑学的な知識も増えていきません。そしてそれは、気付いたり考えたりするための手がかり、材料を持ち合わせていないということに繋がりますから、子どもたちは、ますます物事に向き合わなくなってしまいます。
今は、大人がかなり意識して環境を整えて、導いてあげないと、子どもたちが育ちにくい時代になってしまったようです。

例えば算数にしても、かつて、子どもたちの遊びの中に、ビー玉やおはじき、かくれんぼなどがもっと当たり前にあった頃、子どもたちはいつの間にか数を数えるようになり、簡単な足し算や引き算、割り算は、遊びの中でこなすようになっていました。「足し算」「引き算」「割り算」は苦手でも、小さな数を足すこと、引くこと、分けることは、みんな出来るようになりました。今は、遊び方が変わって、そんな遊びがかつてに比べて絶対的に少ないので、そうなるためには、お父さんお母さんの導き、または「お教室」に通う事が必要になりました。
それと同じように、絵本を読むこと(絵を見て想像すること)も、座ってお話を聞くことも、最初は、大人が身体を支えて(抱き止めて、捕まえて)あげて、言葉をかけて導いてあげないと、いつまでも始まりません。それに、お子さんたちの「今日の興味」は、昨日までどんなものにたくさん触れてきたかが作っています。そして、「今、どんなものに出会わせてあげるか(たとえ、興味がないことでも)どんなもので囲んであげるか」が、数年後のお子さんの興味や好みになることを、お父さんお母さんたちには思い出して欲しいです。

30年以上、ほぼ毎週子どもたちに絵本を読んできたものとして、今一生懸命お子さんに向き合っているお父さんお母さんに、ひとつお伝えしたいことがあります。
以前も、座っていられないお子さん、歩き回るお子さん、椅子から落ちて寝転がるお子さんは、いくらでもいらっしゃいました。しかし、そんなお子さんたちでも、多くは、明らかにこちらを意識しながら、こちらの出方を試すようにそうしていらっしゃいました。そして、まわりが何をしているかを分かった上で、「僕は興味ないからね。大人の思い通りにはならないよ。」とか、「ごめんね。一生懸命話してくれているのは分かるけど、私は聞きたくないんだ。」という感じで、チラッチラッとこちらを見ながら、中には、目が合うとニヤッと笑いながら、ちょっと挑戦してくるような、駆け引きしてくるようなお子さんがほとんどでした。そして実は、そういうお子さんたちは、 “ひっかかるところ” をひとつ見つけて、そこを捕まえてあげれば、それからはとてもよく聞いてくださったのです。今は、それが感じられません。“ひっかかるところ” もなかなか見つかりません。まわりが何をしているのか、全く関係ないようなのです。・・・暮らし方の変化によるものだと思います。子どもたちに届いてしまっているもの、子どもたちの時間を埋めているもののせいだと思います。そして、みんながそうなると、そういうことが、大人も子どもも平気になってしまいます。・・・何が正しいかは分かりません。しかしそういうことが平気ではない人は、やはり変えなくてはならないことがたくさんあるように思います。子どもたちが、ふと目をあげた時に、そして手を伸ばした先に、いつもどんなものが並んでいるのか、ということも、その一つだと思います。ご家庭内に、大人のものであれ子どものものであれ、いい書物が増えることは、間違いなくいいことです。

さて次回は、5月16日(金)~18日(日)、神奈川県横浜市旭区「区民文化センター サンハート」で開催します。ご予約好調ですが、まだ少し空きがあります。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】5月5日(月祝), 6日(火休)大阪府高槻市生涯学習センター今回は、高槻市に行ってまいりました。GWの最後の2日間、他にお出掛けされる方も多いはずなので、ある程度の人口があって、周辺も含めて若い世代が少なくない街を探して高...
07/05/2025

【えほん展ご報告】
5月5日(月祝), 6日(火休)
大阪府高槻市
生涯学習センター

今回は、高槻市に行ってまいりました。GWの最後の2日間、他にお出掛けされる方も多いはずなので、ある程度の人口があって、周辺も含めて若い世代が少なくない街を探して高槻市を選びました。憧憬社としては初めての開催です。中部や近畿地方には、利用の申し込みするために、必ず一度、直接会場に手続きに来る必要がある施設が多く、それが東京の会社には少し大変です。来てしまえば4~5分で記入できることを書くだけなので、もう少し何とかなると嬉しいのですが・・・。

今回は、久しぶりにすぐにご予約が埋まってくれました。会場のスペースに余裕がありそうだったので、直前になって定員を増やしましたが、それでも昼間の時間はほとんど満席になりました。皆様本当にありがとうございました。
・・・しかし実は、ちょっと心配なこともありました。ご予約の多くが単独の女性で、親子やご家族の割合が、全体数の割に少ないのです。そして、お父さんと大きいお子さんがご一緒のご予約が少ないことも気がかりでした。(先ほど集計してみたら、ご予約42組のうち、17人が単独の女性、実に4割です。そして、10歳以上のお子さんは1人もいらっしゃいませんでした。やはりGWは若い世代は、他に遊びに行かれたのでしょうか。)

当日になって、残念ながら不安は的中しました。やはり、お父さんが少ない、そして、大きいお子さんが来てくれない会場では、小さい子たち(乳児さんではありません!)も、なかなか座っていてくれないのです。ややざわざわと落ち着かない時間が多くなりました。
何度も書いてきましたが、“本離れ” は “本” から離れているだけでなく、「物事にゆっくり向き合うこと」や、「知らないことや分からないことを、少し頑張って(我慢もして)考えてみること」から離れてしまうことと一つになっています。特に、それぞれが端末を持って、自分が好きなことで過ごせるようになって、その傾向がますます強くなりました。そして、多くの子どもたちがそうなってしまうと、大人の皆さんもそれに慣れてしまわれるようです。ちょうど今、新入学の時期ですが、1年生の担任の先生方は大変なのではないでしょうか。

そんな中、今回一つうれしかったのは、男の子たちがそれなりに来てくださっていたことです。実は、“お父さんと大きい子が少ない” 会場では、“男の子が少ない” も同時に現れることが多いのですが、今回は来てくださっていました。あの子たちが、子ども向けにとどまらないものの面白さにたくさん出会って、やがて大きくなられた時に、「絵本展?面白そうだね。一緒に行くよ。」というお父さんになってくれたらうれしいです。・・・今回は残念ながら10歳以上のお子さんはいらっしゃいませんでしたが、5~6年生や中学生高校生になっても絵本展に来てくださるようなお子さんたちが、どんな佇まいでいらっしゃるか、何に気付かれて、何を笑って、何に涙を流してくださるか、そして、かつてはそんなお子さんたちが決して特別ではなかったことを多くの方に知って欲しいです。そのためにも、「子どもがすぐに喜ぶ」ものばかりでなく、「子どもたちを子ども扱いしないもの」を、絵本に限らず、生活の中にたくさん並べてあげて欲しいです。

今回、絵本の仕事をする者として、忘れられないお話があります。
小学校で図書館司書として働いていらっしゃる女性が、お二人で誘い合って来てくださっていたのですが、お一人の方が、学校から依頼される選書の基準を嘆いていらっしゃいました。それは、「大人が関わらなくても、導かなくても、子どもたちが自分で手に取ってくれる本をたくさん選んで欲しい・・・。」というものでした。もちろん、「全く手に取らないよりは、まずは手に取ってくれたら・・・」ということなのだと思います。しかし、先生方、そしてお父さんお母さんには、私たちが会場に並べているような、おおよそ子供向けでは無いように見える絵本の面白さも知って欲しいです。そして、そのままでは子どもたちがまず手に取らないような絵本でも、大人があきらめずに時間をかけて、本気で語りかけてあげたら、子どもたちがやがて、どんな表情でこちらに向き合ってくれるようになるか、むしろ、そういう絵本を本気でぶつけた方が、真剣にじっと聞いてくれることを、思い出していただきたいです。
・・・司書のお二人は、こんなことも話し合われていました。
「(学校の図書館に)“鬼滅の刃” は入れた?入れてない?」
もちろんお二人は、“本当は入れたくない” と思っていらっしゃいます。「鬼滅の刃」を批判するつもりはありません。しかし、ただでさえ予算が削られて、なかなか本が増やせないのが今の学校図書館です。そして今は、例えば、「アリとキリギリス」のお話が分からないお子さん、「原子爆弾が何なのか」きちんと知らない3~4年生が少なく無いのです。
私たち大人が、何を第一に考えるのか、重大ですね。

さて次回は、5月9日(金)~11日(日)、京都府亀岡市「ガレリアかめおか」で開催します。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】4月26日(土), 27日(日)秋田県由利本荘市文化交流館 カダーレ今回は、由利本荘市に行ってまいりました。11年ぶりです。由利本荘市は秋田県の南西にあり、日本海に面した街です。秋田県では、昨年5月に秋田市で開催して以来、...
30/04/2025

【えほん展ご報告】
4月26日(土), 27日(日)
秋田県由利本荘市
文化交流館 カダーレ

今回は、由利本荘市に行ってまいりました。11年ぶりです。由利本荘市は秋田県の南西にあり、日本海に面した街です。秋田県では、昨年5月に秋田市で開催して以来、約1年ぶりとなりました。11年前に由利本荘市で開催した時には、絵本好きのお客様が集まってくださって、とても楽しくお話ができたことを覚えています。実は秋田県内の過去の開催では、県の南部、今回の由利本荘市と内陸に隣接する横手市にとてもポジティブな記憶があります。昨年秋田市で開催した時には、とてもたくさんのお客様が来てくださったので、由利本荘市には、それ以上を期待しての久しぶりの開催でした。

・・・しかし、なかなかご予約が入りませんでした。いつものようにご紹介をお願いし、追加の広告を出しましたが、あまり増えることはなく、特に日曜日の午後はかなり寂しい時間になりました。
そして今回とても残念だったのは、「お父さんが来て下さらない。来てくださっても、あまり見ようとしてくれない。」ということでした。2日間で、お父さんもご一緒の予約は7件しかありましたが(少ないです)、そのうち本当に来てくださったのはお一人だけでした。なぜか皆さん、直前に「急な用事」や「体調不良」となられてしまいました。
何度も書いて来ましたが、多くのお父さんが積極的に参加してくださって、楽しそうにしてくださる会場では、子どもたちの様子が全く違います。男の子たちや大きいお子さんのご来場も多くなります。今回はどちらもとても少なくなりました。そして、楽しそうに見てくださるお父さんが多い時には、小さい子たちの落ち着きや、大きい子の滞在時間も全く違って来るのです。
今回、ご自身は絵本がお好きというお母さんが、「もっとゆっくり見たいのに・・・」と後ろ髪を引かれて帰って行かれる姿や、「(絵本は)欲しいけど、うちは主人が “こちら側が” 全くダメなので・・・」と、ご家庭に本を並べることを諦められているような姿が、とても多くなってしまいました。

一方で、もともとご予約は入ってなかったお父さんでも、お母さんからの「面白いから来てみて・・・」に応えてくださって、用事が片付いてから合流してくださる方もいらっしゃいました。あるお父さんは、私が絵本を紹介する度に「これはスゲー」とお声を上げながら子どものように楽しそうに聞いてくださいます。そんなお家のお子さんたちの様子が、他と少し違うことは言うまでもありません。8歳と5歳の姉妹は、素晴らしい集中力でずっと絵本を見て、聞いてくださいます。毎日がそうなのでしょう。知っていらっしゃることが広く深いので、初めて出会う話題でもすぐに、「ああ、そういう事ね。」と楽しんでくださいます。お父さんが合流されたあとも、予定の2時間をはるかに越える4時間近くを、ご家族4人で楽しそうに過ごしてくださいました。
こんなご家族に増えて欲しいです。そして、今回来られなかったお父さんたちにも、「絵本の楽しさ」をもっと知って欲しいです。また、子どもと一緒に読むことの楽しさや、大人が子ども扱いしない時の子どもたちの凄さを知って欲しいです。

嬉しいお客様をお一人ご紹介します。
日曜日に来てくださった年配の女性、私が「お婆ちゃん」と呼ばせていただいても失礼にならない年代の方です。お一人で来られて、ずっと穏やかに微笑みながら静かにお話を聞いてくださっていました。ブックトークが終わった後、あるものを見せてくださいました。曰く、
「チラシに「11年ぶり」と書いてあったので、当時の日記を調べてみました。記憶には無かったのですが、私は絵本が大好きで、そういう場所には必ず出かけているはずなので・・・。これを見つけて思い出しました。また来てくださってありがとうございます。」
その日記を持ってきてくださったのです。当時のチラシが縮小コピーでスクラップされていて、感想が書かれていました。うれしいですね。自分たちが、なんだかんだと続けて来られている証でもあり、本当にありがたいです。前回、絵本好きの皆さんとたくさんお話し出来たことを思い出します。・・・日記は、ハングル文字と日本語と両方で書かれていました。趣味で学ばれていて、ずっと続けていらっしゃるのだそうです。何かのためではなく、やらされるのでもなく、好きだから、遊びとして勉強を続けられているお姿に感服します。自分もそうなりたいです。

その夜、写真に撮らせていただいた当時のチラシをみて、いろんなことを考えました。サイズはA4サイズ、新聞折込でPRしていました。まだギリギリ新聞が生きていたのです。そして、「ブックトーク」は行っていません。そんなに必要無かったのです。・・・来られたご家族ごとに1冊だけご紹介して、「こんな感じの絵本が並んでいます。あとはご自由にご覧ください。」とご案内するだけで、多くの皆さんが、絵本の横の数行の紹介文を参考にしながら、絵の隅々を見て物語を想像して、長い時間を過ごしてくださっていました。大きな子たちは、子どもたち同士でそれを楽しんでくださいました。小さな子には大人の方が、もっと声をかけてあげて絵本の世界に導いてくださっていました。もちろん当時も今と同じ、各国言語の絵本です。
・・・今は、ブックトークを行い、その後もかなり詳しくご説明しないと、ほとんどの方が、「分からないね。」「難しいね。」「まだ早いね。」とすぐに退出されてしまいます。若い世代のお父さんお母さんは、小さなお子さんの注意を引いてあげる(絵本に向かせてあげる)ことがあまりお得意ではなく、中には、お子さんが全く立ち止まることなく、すぐに諦めて出て行かれることもあります。
もちろん今でも、こちらのお話を聞かされるよりも「ご自身でゆっくりご覧になりたい。」という方がいらっしゃるはずなのですが、多くの方に合わせて私の話を聞いていただいていることを、いつも申し訳なく思っています。

・・・今回のチラシは11年前のものです。もうすでに「絵本展」のお客様が少なくなり、私たちが苦しんでいた頃です。当時も、今と同じように「本離れ」は進んでいましたが、それでも子どもたちの様子は(大人の方も)今とはかなり違っていました。私は32年間、ずっと外国語の絵本を紹介しながら、お客様の変化に向き合ってきました。30年前、私がこの仕事を始めたころの子どもたちの様子も思い出しますが、今回のように、具体的な形で当時を確認するものに出会うと、本当に色々なことを考えてしまいますね。
日記を見せてくださった女性は、田舎の物静かな “お婆ちゃん” でしたが、上品で穏やかな佇まい、そして控えめながらも芯の通った強さを感じさせる方でした。いい時間を積み重ねられたであろう方に特有のものです。そして、そんな人に増えて欲しいから、子どもたちには、子どもの頃からいいものに囲まれて、たくさんのことを感じて、学ぶことが好きな人になって欲しいです。

さて次回は、5月5日(月祝), 6日(火休)、大阪府高槻市「生涯学習センター」で開催します。GWの最後に、混まない並ばない「万国博覧会」「世界旅行」です。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】4月19日(土), 20日(日)富山県射水市アイザック小杉文化ホール ラポール今回は、射水市に行ってまいりました。12年ぶりです。富山県では、2022年に富山市、2023年に高岡市で開催しましたが、どちらもお客様がとても少...
22/04/2025

【えほん展ご報告】
4月19日(土), 20日(日)
富山県射水市
アイザック小杉文化ホール ラポール

今回は、射水市に行ってまいりました。12年ぶりです。富山県では、2022年に富山市、2023年に高岡市で開催しましたが、どちらもお客様がとても少なくなってしまいました。実は富山県では、かなり以前からいつも苦戦してきました。今回の開催も迷いましたが、昨年は北陸地方には、福井県鯖江市にしかお伺い出来ていないので、「よし、行ってみるか。」という感じで開催を決めました。
・・・開催間際になってもほとんどご予約が入らず焦りました。先週は、初めて日曜日の最後の回をキャンセルして早く切り上げましたが、今回は、初めて開催そのものを中止するか、本当に迷いました。どうやら、土曜日には市内の小学校の多くで参観日だったようです。しかし射水市の子ども人口からすると、もう少し来て欲しいです。それに最近は、どこでも小学生以上のご来場は少なく、小さいお子さんのご家庭が中心なのですが、お客様にお伺いすると、今回は、市内の幼稚園や保育園に事前にお願いしたチラシの配布にも、どうやらあまりご協力いただけていないようでした。そんなところも以前から変わらないところですね。全国どこでも、こういった地域の特徴がなかなか変わらないのはどうしてなのでしょう。ゲームやスマホ動画のようなものはあっという間に全国が受け入れるのに、そういうところは、何故かなかなか変わりません。

・・・いつものように、追加のSNS広告を出し、皆様にご紹介をお願いしました。しかしなかなか増えません。直前や当日になって、また日曜日は土曜日のお客様のご紹介で、一気にご予約が入ってきました。しかし、ほとんどが大人の方、そして同じグループの皆さんでした。
演劇サークル(小劇団?)で活動するお仲間と、そのお知り合いから広がった、読み聞かせボランティア仲間の皆さん、年齢は40代半ばから60代、子育ては一段落した世代の皆さんで、とても賑やかになりました。ご自身が子どもだったころに、図鑑や読み物全集が身近に並んだ世代、そして、ご自身の子育てには、そういったものを並べることがまだ珍しくなかった年代です。
「演劇グループ」と「読み聞かせグループ」、私たちが並べた絵本がお嫌いなはずがありません。特に演劇仲間の皆さんは感受性が豊かです。ブックトークでは、お腹からの大きな声で笑ってくださったり、「禎子の鶴(原爆の絵本)」では、大粒の涙を流して聞いてくださったりしました。とても懐かしい感じでした。かつては、お客様の喜怒哀楽が、今よりももっとダイレクトに返ってきていたことを思い出しました。残念ながら、今回そこに子どもたちの姿がほとんど無かったのですが・・・。

そんな大人ばかりの時間にいてくれた、小さなお子さんをお二人ご紹介します。
土曜日の午前中、大人ばかりの中に、0歳の赤ちゃんがお一人だけ来てくださいました。少し遅れて来られてお母さんは恐縮していらっしゃいましたが、理由は、「出がけにウンチをしてしまって、慌ててオムツを変えてきました。」というものでした。今思うと、10人ほどのおじさんおばさんたち(おじいちゃんおばあちゃん?たち)が、みんなで赤ちゃんのウンチを待っていた、ということになります。なんだかとてもかわいく幸せですね。
・・・最前列に座ってくれた赤ちゃんとお母さん、お母さんは、赤ちゃんをベビーカーから起こして絵本が見えるように抱きかかえてくださいます。じっと見てくれて、目が合うとニコっと笑ってくださる赤ちゃんでした。まわりの大人の人たちが大笑いをしている時には、穏やかな表情で、時々は身体をぐるぐるひねって、お母さんのお顔を確認していらっしゃいます。そして、赤ちゃんがいちばん動かずにじっとして、こちらを見つめてくれていたのが「禎子の鶴」を読んだときでした。まわりの大人が作る緊張感を受けて、何かを感じてくれています。私もしばらく赤ちゃんの目を見つめながら読んでみました。その間、赤ちゃんはずっと目をそらすことなくこちらを見てくれて、明らかに何かを考えていらっしゃるお顔でした。
・・・本来の赤ちゃんの姿です。今は、大人の方がすぐに「まだ早い。子どもには難しい。」という対応で、あやしてしまったり何かモノを与えてしまわれることが多くなりました。また普段の暮らしでもそういったモノに囲まれてしまう事が多いのですが、本当は、そういった “ジャマ” が無ければ、まだ数か月の赤ちゃんでも、しっかり「感じ取って」くださって、それが積み上がって、やがてその子の本当の感性になるのだということを、多くの大人の皆さんに思い出して欲しいです。

もうお一人は、4歳の女の子です。
この時間も大人ばかりの中、お母さんと最前列に座ってくださいました。いつもは、4~5歳くらいだと、お子さんが他にいらっしゃらないと居心地が悪くなってもじもじしたり、やがて「帰ろうよぉ。」が始まってしまう事が多いのですが、この女の子は、とても楽しそうに聞いてくださっていました。ほとんど背もたれを使わずに真っ直ぐに座って、こちらの問いかけにも、よく答えてくださいます。
ブックトークが終わって、「さあ、あとは自由に見てください。」と言った瞬間、女の子はすぐに立ち上がって、お母さんを引っ張って「早く行こうよ!」と、会場の外に向かわれます。それも少し泣きながらです。・・・びっくりしました。実はよほど緊張しながら、かなり我慢して聞いてくださっていたのでしょうか。私は「ありがとう。よく頑張ったね。上手に聞いてくれたね。」そしてお母さんには、「条件が悪い中、本当によく聞いてくれていました。こんなお子さんなかなかいらっしゃいませんよ。ありがとうございました。」と言ってお送りいたしました。
・・・しばらくして、お二人は戻っていらっしゃいました。お母さんは笑いながらおっしゃいます。
「おトイレを我慢していたみたいです。落ち着いたら「ママ急いで、早くあのお部屋にまた帰ろう!」と走ってきました・・・。」
女の子は、こちらがお話している絵本を聞き逃したくなくて、泣き出すくらいギリギリまで、おトイレを我慢してくれていたのです。かなり辛かったのではないでしょうか。今思い出しても、健気でいとおしくなりますね。かつては、もっと小さな子が夢中になりすぎて、お漏らししてしまう事が時々あったことを思い出して嬉しくなりました。
お二人は、その後も長い時間テーブルの上の絵本を見てくださいました。私が他のお客様に絵本を読み始めると、すぐに小走りに聞きに来てくださいました。その時の様子は、もっと大きなお子さんに見える凛とした感じです。ギャップが可愛いいですね。

12年ぶりの射水市は、“熱い” 大人の皆さんと、赤ちゃんと女の子の、可愛らしいエピソードが印象に残る二日間でした。

さて次回は、4月26日(土), 27日(日)、秋田県由利本荘市「文化交流館カダーレ」で開催します。土日とも、午後にはまだかなり空きがあります。お好きな方、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非ご紹介ください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

住所

吉祥寺本町3-4/9
Musashino, Tokyo
180-0004

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