Doukeisha Co., Ltd. / 憧憬社

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●ミッション
リビングに書棚のある暮らしを・・・
家庭内に美しい絵本が並ぶ暮らしをご提案します。

●会社概要
2003年の創業以来、憧憬社は、世界の様々な国々から、選りすぐりの絵本を発掘、輸入して参りました。毎週土曜日曜に開催しております『がいこくえほん展』では、読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を、全国各地にお届けしております。

●商品・サービス  
アメリカ、イギリスといった英語の国々のみならず、フランス、ドイツ
イタリア、スペイン、ギリシャ、ロシア、スウェーデン、エクアドル、インド、
韓国などさまざまな国々から直輸入した洋書絵本です。ほとんどの絵本が、まだ日本ではあまり知られていない、日本語未出版のものです。
― 絵本は実際に手に取っていただかないと、本当の魅力はお伝えできない。 ―
という考えから、全国各地を巡回して『がいこくえほん展』を開催しております。
読み語りやブックトークを通じて、洋書絵本の魅力を分かりやすくご紹介します。

【えほん展ご報告】11月15日(土), 16日(日)三重県桑名市柿安シティホール(桑名市民会館)今回は桑名市に行ってまいりました。“桑名” と聞くと“蛤” が思い浮かびますね。三重県の北東の端にあり愛知県に接します。名古屋市から30㎞以内に...
20/11/2025

【えほん展ご報告】
11月15日(土), 16日(日)
三重県桑名市
柿安シティホール(桑名市民会館)

今回は桑名市に行ってまいりました。“桑名” と聞くと“蛤” が思い浮かびますね。三重県の北東の端にあり愛知県に接します。名古屋市から30㎞以内にあり、ベッドタウンとして若い世代も多く暮らします。ずっと開催したかったのですが、様々な事情で17年ぶりになってしまいました。
・・・ご予約はとても好調でした。募集を開始するとどんどん入ってきます。久しぶりに、“ご紹介のお願い” や “追加の広告” を出さないままに、2日間とも、昼間はすべての時間で満席オーバーとなり、土曜の夜の時間にも少なくないご予約が入りました。しかも、子育て世代、お父さんもご一緒のご予約がたくさん入っています。最近はどうしても年配の女性が多くなってしまうのですが(もちろん大歓迎です!)、今回は、たくさんの子どもたちで盛り上がることを、また、本好きのお父さん方とたくさんお話が出来ることを、かなり楽しみにしました。

・・・残念ながら、実際に来てくださったのは6割くらいになってしまいました。お子さんが急に体調を崩されて、丁寧にメールでキャンセルを伝えてくださる方もいらっしゃいました。「申し訳ありません。とても楽しみにしていたのですが・・・」 というお言葉に、こちらも残念で、逆に心苦しくなります。インフルエンザもかなり流行っています。お大事になさってください。
しかし、開始直前のメールで「やっぱり他に行くことにしたので・・・」という軽いキャンセルや、ご連絡なく来られない方も多くなってしまい、大人の人数に対してお子さんが1~2割という時間が多くなりました。
今になって振り返ると、ご予約の入り方のペースがちょっと早すぎました。そして、そのほとんどが幼稚園保育園や学校に配布をお願いしたチラシからではなく、SNSの広告からでした。過去に何度か同じような経験をしています。そしてそういったキャンセルには、お父さんが一緒のご予約がどうしても多くなってしまうことも、よくあることです。ご興味のない男性にとっては、あまり気が進まないイベントであることも理解できます。実際に来てくださっても、居心地悪そうにしている方もいらっしゃいます。
いつも思いますが、絵本には大人にも楽しめるものがたくさんあることを知っていらっしゃるお父さん、せっかく来てくださったなら、楽しもうとしてくださるお父さんに増えて欲しいです。そのためにも、男の子でも女の子でも、子どもの頃にたくさんの絵本に、それも決して子ども向けにとどまらない絵本に出会うお子さんたちに増えて欲しいです。また大人になってからでも、一回出会ってくださると、「ちょっと驚きました。絵本に対する考え方が変わりました。」といってくださる方は少なくありません。

一方で、今回来てくださっているお子さんたちの “聞く力”、探りながら読み取ってくださる力は、素晴らしいものでした。
私は、子どもたちに絵本を紹介する際、いつも同じように話しているわけではありません。子どもたちの様子を見て、話す内容や言葉の量を変えています。また、指をさすところも変えています。当然、よく気付いていらっしゃるお子さんたちには、ヒントやフォローする言葉、指をさして子どもたちの視線をリードしてあげる必要が少なくなります。今回、ブックトークはとてもテンポよく進み、お子さんたちとのキャッチボールが楽しい時間になりました。かなり高度な質問をしてくれて、大人を驚かす男の子もいらっしゃいました。そんなお子さんが並んでくださった時の子どもたちの素晴らしい反応、とてもポジティブな高揚感を、多くの方に体験して欲しいです。
そしてやはり、そんなご家族には、お父さんもご一緒の場合が多く、楽しそうに笑って、涙を浮かべて、相槌を打ってくださっています。ご家庭内に並ぶ本の数も、やはり少なくはないようです。また、残念ながら今回はお父さんがご一緒でなくても、お母さんは「実は主人も来たがっていたんです。来たら絶対喜んでいたと思います。」とおっしゃることが多いのです。

・・・そして、本屋として何よりもうれしいのが、お父さんがご一緒に楽しんでくださったご家族は、私たちの絵本を、ご家庭に迎えてくださることが少なくありません。今回もそうでした。ありがとうございました。そのうちの1件のお父さんとお話した内容が印象に残っています。

30代後半のお父さん、私がこの仕事を始めたころに、幼稚園に通っていらっしゃった年代になりますね。もうその頃には、かなり凝った家庭用ゲーム機が当たり前になり、子ども部屋の図鑑や昔話全集が少なくなって、全く本に出合わない子どもたちも多くなっていた頃です。お父さん曰く、
「うちはたくさん本を買って並べてくれていました。それなりに楽しんでいました。でもゲーム機もあって、やっぱりよく遊んでいましたよ。」
「でも、手放しに、ずっとやらせては貰えなかったのではないですか。多分、ご両親がかなりコントロールしてくださっていたのではないでしょうか。」
とお尋ねすると、お父さんは、
「そうですね。“10分まで” って言われていました。」
お母さんと私は、「何も出来ないですね。」と、声を揃えて笑いました。

今お父さんは、本が並ぶご家庭で子ども時代を過ごされたことを、感謝されているのではないでしょうか。絵本にお金を使ってあげることに、全く迷いのない方でした。お届けが決まった時、お母さんが少し驚きながらも、とてもうれしそうにしていらっしゃった様子が印象に残っています。お母さんたちのためにも、本好きのお父さんに増えて欲しいです。
3歳の娘さんは、ブックトーク中もとても賢い反応で絵本を聞いてくださっていましたが、そんな大人たちのやり取りにも、ニコニコとお行儀よく参加してくださっていました。

・・・さて次回は、11月22日(土), 23日(日)、愛知県江南市「Home & nicoホール(江南市民文化会館)」で開催いたします。3連休のためか、ご予約がかなり少なく困っています。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】11月7日(金)~9日(日)東京都町田市町田市民ホール今回は町田市に行ってまいりました。5年ぶりです。町田市では過去に何度か開催してきましたが、なぜかいつも子育て世代が集まってくださらず、本好きの大人世代が多くなる街です。...
11/11/2025

【えほん展ご報告】
11月7日(金)~9日(日)
東京都町田市
町田市民ホール

今回は町田市に行ってまいりました。5年ぶりです。町田市では過去に何度か開催してきましたが、なぜかいつも子育て世代が集まってくださらず、本好きの大人世代が多くなる街です。しかし前回2020年9月の開催では、明らかな本好きの若いご家族がたくさん来てくださって、よく聞いてくださる子どもたちと、とても楽しい時間が過ごせたこと、そして様々なご職業の大人の皆さんとたくさんお話が出来て、とても有意義な時間が過ごせたことが、このフェイスブックに書かれています。
・・・5年ぶりです。町田市にも、新しい子どもたちがたくさん生まれていらっしゃるはずです。期待して開催を決めました。

・・・ご予約はなかなか入りませんでした。いつものように、追加の広告やご紹介を依頼するメールをお送りしましたが、入ってくるご予約は、誘い合ってくださった大人の女性がほとんどでした。
今回のブックトークは、お子さん連れが1~2組に対して、本好きの大人の女性(子育てを終えられた世代がほとんどです。)が7~8人という時間が多くなってしまいました。そして、大人の男性のご来場は非常に少なく、3日間で7名、その中でも子育て世代のお父さんは3名様だけになってしまいました。そして10歳以上のお子さんは、3人兄妹で来てくださったお兄ちゃんただ一人です。以前の町田市に戻ってしまった感じですね。何故でしょう。インフルエンザが流行っていることもあるかもしれませんが、前回の印象もあり、かなり期待したのですが・・・。

・・・今回、とても気になることが複数回重なりました。
小さなお子さんが、立ち止まって、本(こちら)に目を向けてくださらないことを、当然のように、ほとんど(まったく?)気になさらない大人の方が多かったのです。
今回の会場は、壁面が総ガラス張りで、4階から外の景色を見下ろすようになっていて、眼下には子どもたちが大好きな自動車が行き交っています。なかなか絵本には不利な環境ではありましたが、小さなお子さん(特に下のお子さん)が窓辺に向かわれても、こちらに連れ戻してくださらない大人の方が少なくありませんでした。ご自身は(上のお子さんたちと)、とても楽しそうにお話を聞いてくださっているのですが・・・。
ある小さなお子さんは、入室されてからずっと歩いたり走り回ったりしていらっしゃいましたが、お父さんはそれにずっとお付き合いされています。お母さんは、ブックトークもその後も、1時間以上絵本を見てくださいましたが、お父さんとお子さんは、1回も絵本を開くことなく退出されました。 “歩くこと” 自体が楽しい時期です。そして、絵本はお子さんの目の高さでは見えないテーブルの上に並んでいます。大人が何かしてあげないと見てくれるはずがありません。やはり絵本は、大人が手に取って開いてあげたり、お子さんを抱き上げて絵を見せてあげないと、“見始める” ことが起こりません。

最近は、お子さんが「まだ見ない。」ことを、受け入れてしまっていらっしゃる方が、本当に多くなりました。そして、私たちが並べているような絵本は、「小さな子にはまだ早すぎて、こんなものには目が向かないことは当たり前」と思っていらっしゃる方も少なくないようです。やはり絵本は、最初は大人が関わってあげないと、子どもたちが見始めることが無いものなのですが、最近は多くの子どもたちが、それよりも先に、大人が関わらなくても相手をしてくれる便利なツール出合ってしまうようです。

私は30年以上、今と同じ形で絵本を読んできましたが、かつては、もっと大人の方たちが、子どもたちを “優しく” 捕まえて、読めない言語でも絵本の絵を拾いながら、何かを語りかけてあげていました。ブックトークでは、お子さんの両肩に手を添えてお顔を近づけて、こちらの言葉を繰り返して中継してくださいました。そしてそれが、ほんの小さな赤ちゃんにも行われることも決して少なく無く、毎日をそんな風に過ごした赤ちゃんは、2~3歳頃には、じっとお話を聞いてくれるようになりました。当然、大人ももっと楽でした。一人のお母さんが3人ぐらいお子さんを連れていらっしゃっても、一番小さいお子さんに向き合っていらっしゃるだけでよかったのです。
おそらく、当時のお父さんお母さんが、特別に意識してそうやっていたのではないと思います。お子さんの時間を埋めてくれる便利なツールが無かっただけです。無かったから、自然に皆さんがそう出来るようになって、それが当たり前に受け継がれていただけなのだと思います。そして今でも、それはまったく同じです。そう暮らしていらっしゃるご家庭のお子さんたちは、当時と同じように、“勘よく” お話を聞いてくれます。大人の話題にも可愛らしく参加してくださいます。

もう一つ気になったこと、今回、ブックトークに参加されるのに、最初からお子様それぞれに、パズルのようなおもちゃを持たせてあげている方が複数いらっしゃいました。「もしお子さんが集中出来なかった時に、まわりに迷惑が掛からないように」というお気遣いだと思いますが、それではますますお子さんは絵本を見なくなります。やはり、モノではなくお顔を近づけて、声をかけてあげて欲しいのです。
しかし実は、ここにはもう一つ大きな問題が隠れているように思います。今は、子どもたちが「まわりに迷惑をかける」ことを許すゆとりが、世の中全体に無くなってしまっていることも考えなくてはなりません。お母さんたちは、そうならないように、必要以上にビクビクしていらっしゃいます。そういう点では、あまりにもお母さんたちが大変になりました。

・・・いつも現役のお父さんお母さんにはかなり厳しいことを書いている者が何を言うか、とお𠮟りを受けそうです。また、今よりもはるかに子育てが楽だった時代の大人が、どれほどのことを話していいものか、まったく葛藤が無いわけではありません。
しかし私は、やはり絵本、親子で一緒に本をめくる時間を本気でおすすめします。「絵本好きのお子さんを増やすことは、お父さんお母さんの子育てを楽にすること」だと信じています。そしてもちろん何よりも、「お子さんご本人の毎日を、もっと楽しくしてくれること」です。
しかし、やはりそのためには、まず絵本を子どもたちの近くに並べてあげることが必要です。出会う場所を作ってあげて欲しいです。並べる絵本は、出来ればしっかり選んであげて、その上で、絵本よりも先に子どもたちを捉まえてしまうモノを遠ざけて、大人が、心を込めた声をかけてあげて欲しいです。

・・・さて次回は、11月15日(土) 16日(日)、三重県桑名市「柿安シティホール(桑名市民会館)」で開催いたします。ご予約好調ですが、まだ少し空きがあります。お好きな皆さんはお急ぎください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】10月31日(金)~11月2日(日)秋田県横手市横手市民会館今回は横手市に行ってまいりました。6年ぶりの開催です。前回、絵本好きのご家族と、しっかりいいお話ができたことを覚えています。期待しての開催でした。しかし、秋田県で...
05/11/2025

【えほん展ご報告】
10月31日(金)~11月2日(日)
秋田県横手市
横手市民会館

今回は横手市に行ってまいりました。6年ぶりの開催です。前回、絵本好きのご家族と、しっかりいいお話ができたことを覚えています。期待しての開催でした。
しかし、秋田県では今秋、クマの出没による被害が続いています。横手市でも、開催の1週間ほど前に、駅から遠くない市街地の河川敷で3頭のクマが駆除されるニュースがありました。会館はその河川敷からもっと山際に外れた緑に囲まれた高台にあります。なかなかご予約も入って来ず、このまま開催してもいいものか、この時期に「集まってください。」ということが、地元の皆様にとってみれば、やや不謹慎なお知らせなのかもしれないと思って、日程の変更も考えて、会館に電話で問い合わせをしました。「大変ですけど、気をつけながら皆さん過ごしています。市の中心部では子供向けのイベントも行われていますよ。」と、比較的のんびりと明るい声でした。
ご予約は非常に少ないながらも、全くゼロというわけではなかったので、前日や当日に増えてくれることに期待して、開催することに決めました。

・・・会館に到着して現実に向き合いました。敷地内には、「クマの目撃情報がありました。施設を使用する際は注意してください。」の立て看板があります。市民会館の他の催し物も、金曜日に大人の方の集まりが1件あった以外は、土曜日も日曜日も我々だけになってしまいました。
当然ご予約も入らず、非常に寂しい3日間となってしまい、なんと土曜日は、来てくださったのはお母さんと2歳の女の子のお二人だけになってしまいました。・・・秋の3連休、他の行楽に向かわれる方が多いかもしれないことは、ある程度予測していましたが、クマの被害は想定外でした。

・・・結局、10人以上集まってくださったのは日曜日の午前中だけとなってしまいましたが、この時間には、幼児さんから中学生まで広い年齢層に、お話を聞いてもらうことが出来ました。
印象に残っているのは「禎子の鶴 (原爆の絵本)」を読んだときのこと、最前列に座っていらっしゃった小さな女の子が、少し疲れてきて絵本から目を離してキョロキョロと後ろを振り返り、別のお子さんたちに笑いかけられました。しかし、周りのお子さんたちは、真剣にこちらを見つめていらっしゃいます。そしてそのお子さんは、お母さんを確認されました。お母さんも、じっとこちらを見つめて聞いていらっしゃいます。その子は “諦めたように” 座り直して、そのあとは最後まで、じっと聞いてくださいました。

やはり、みんなで一つの物事に向き合い、耳を傾ける時間は、子どもたちを育ててくれます。かつて、家族みんなが同じ部屋に集まって、同じニュースやドラマに向き合った時代、小さな子たちはこうやって、ちょっと我慢しながら、いろんなことに出合っていたのだと思います。
しかし、今の私たちの暮らしの中には、それぞれが別々の時間を過ごせてしまうツールが、あまりにも多く便利になり過ぎています。数年前のコロナの自粛の時には、大人も子どもも当然のように、そういうツールに向き合う時間が多くなってしまいました。コロナ以前と以降で、子どもたちの様子がかなり違っていることは、子どもに向き合うお仕事をされている方々とは、いつもよく話題になっています。

今回のクマ騒動(今年だけならいいのですが・・・)、子どもたちが外出を控える中でどんな時間が増えていくのか、少し心配です。「そこに弊社の絵本はおすすめですよ。」と言いたいところですが、せめてテレビでもいいので、大人と子どもが一緒に一つのことに向き合う時間を、子どもたちが、子ども向けではない物事にも向き合う時間を、出来る限り増やしてあげてほしいです。
今回、夜暗くなってから、会館の入り口から駐車場に向かう10数メートルも、やや緊張して周囲を注意しながら歩きました。私は3日間だけですが、ここで暮らす方たちはしばらく本当に大変だと思います。まさかと思っていても、出合う時には出合ってしまうものだと思いますので、秋田の皆さん、そして全国の皆さん、本当にお気をつけてお過ごしください。

・・・さて次回は、11月7日(金)~9日(日)、東京都町田市「町田市民ホール」で開催いたします。多摩地区ですが、かなり街中です。さすがにクマは出ないと思います。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】10月24日(金)~26日(日)青森県八戸市八戸ポータルミュージアムはっち今回は八戸市に行ってまいりました。初めての開催です。八戸市は青森県の南東部、南部地方の中枢都市、人口約20万人、周辺の市町村を合わせると、約30万人...
29/10/2025

【えほん展ご報告】
10月24日(金)~26日(日)
青森県八戸市
八戸ポータルミュージアムはっち

今回は八戸市に行ってまいりました。初めての開催です。
八戸市は青森県の南東部、南部地方の中枢都市、人口約20万人、周辺の市町村を合わせると、約30万人の都市圏になります。ずっとお伺いしたかったのですが、様々な事情で初めての開催となりました。
八戸市は「本のまち八戸」を掲げ、“子どもから大人まで幅広い世代の市民が本に親しむことができるよう” 行政をあげて取り組んでいる街です。市の中心には、今回お借りした文化施設などの一角に、全国初の公営書店(市が直営)「八戸ブックセンター」があり、市内の図書館や民間書店と連携(住み分け)して、“売れ筋ではないために一般書店では扱わなくなってきた本” が中心に並べられています。“本を売る” 以外の文化的発信も行って、そのための活動拠点としての役割も担っています。「黒字化を目指さない」公営書店だから出来ることを目指しているそうです。
“売りやすい本、子どもたち(大人)がすぐに欲しがってくれる本を紹介するのではなく、是非読んで欲しい本を紹介したい” という気持ちは、痛いほどよくわかります。黒字化が困難であることもよくわかります。
その他八戸市では、市内の小学生に、八戸ブックセンター以外の市内の書店で使える “マイブッククーポン” を一人2,000円分配布しているそうです。赤ちゃんに向けたブックスタート事業はよく聞きますが、これは珍しいですね。

さて今回、その「八戸ブックセンター」に関連する事業や、連携して活動する読み聞かせグループの皆さん、学校司書さんなど、“大人の女性の皆さん” が誘い合ってきてくださって、とても熱心に見てくださいました。しかし、子育て世代、子どもたちのご来場はとても少なくなってしまい、貸し切りや数人しか来られない時間が多くなりました。周辺の子ども人口は決して少なくなく、またいつもなら、初開催の時にはそれなりに賑やかになるのでかなり期待したのですが・・・。
そして今回も、本離れとして象徴的だったのは、大きいお子さんとお父さんのご来場が少なかったことです。10歳以上は来られず、成人男性のお客様は3人で、お父さんはお二人だけでした。 絵本展に喜んで足を運んでくれる大きいお子さんやお父さん(男性)に増えて欲しいです。絵本が、決して子ども向けにとどまらず、大人にとっても本当に面白いものだということを知って欲しいです。

・・・今回は、何か巡り合わせが悪かったのか、たまたまなのか分かりませんが、“本に親しむ街づくり” は、本当に難しくなってきていますね。
今の暮らしの中には、子どもたちにとって、あまりにも魅力的で、キラキラした刺激に満ちたモノが溢れかえっています。それが当たり前になったので、“溢れかえっている” という認識もそんなにないのではないでしょうか。
いくら “いい本” を並べても、やはりそれらには勝てません。・・・いつも私は、そこを特にうるさいほどお伝えするので、かなり厳しい決して楽しくない話に、お客様からの苦言もたくさんいただいているのですが、やはり、子どもたちの目の前にチョコレートやスナック菓子をたくさん広げておいて、「おやつにはトマトを食べなさい。」は、おそらく無理ですね。
まずは、それらを出来る限り並べないようにして、テーブルの上には、フルーツや野菜を並べてあげて欲しいです。具体的には、ゲームは一回一回コードを抜いて片付けて、スマホは大人と一緒にしか触らないようにして、そして手の届く場所には、ある程度の本が並ぶ本棚を作ってあげて欲しいです。

今回、印象に残ったお子さんをご紹介します。20代半ばのお若いお母さんと来てくださっていた4歳の女の子です。その時間はとても条件が悪く、大人ばかりの中にお子さんはお一人でした。いつもはそうなると、お子さんは居心地が悪くなって、すぐに帰りたくなってしまいます。また、「禎子の鶴(原爆の絵本)」などの、一見子ども向けではない絵本は読めなくなってしまいます。
しかしこの女の子は、お母さんがそんなにフォローしなくても、じっとすべてを聞いてくださいました。そして、最近では小学生のお子さんたちでもなかなか気付いてくださらない、先回りして拾って欲しいポイントを、見事にすべて気付いて拾ってくださいます。大人の皆さんに向けての話にも、大人しく、ずっと向き合ってくださいました。そして、それはそれとして、ブックトークも、その後のフリータイムも、長い時間、たくさんの絵本を楽しんでくださいました。もちろん「禎子の鶴」も、しっかり聞いてくださいました。本がたくさん売れていた頃、それは、今ほど大人の時間と子どもの時間が分かれていなかった、子どもたちも大人の話題にもっと参加しているしかなかった頃でもありますが、その頃に決して少なくなかった、とにかく、“勘のいい” 賢い女の子でした。

印象的だったというか、少し拍子抜けだったのは、お母さんと少しお話させていただいた時でした。私がお話する、今の子どもたちの暮らしについての、“ちょっとうるさい話” に、あまりピンと来ていらっしゃらないようでした。そのことを、特に強く意識していらっしゃる様子がありませんでした。実はお母さんにとっては、現代的なキラキラしたモノを、お子さんに届けないことが当たり前だったようです。お母さんには、“気をつけて頑張っている感” が皆無だったのです。お母さんにしてみれば、「この人は何を一生懸命言っているのだろう?」という感じだったかもしれません。
そういえば、入室されてからも、お子さんに絵本を “熱心に見せてあげる” 感じではなく、お母さんは座っていらっしゃいました。それでもお子さんは、お一人で一冊一冊じっくり絵本をめくられて、何か気付いたことがあると、お母さんを呼んだり、絵本を持って行ったりしていらっしゃいました。お子さんの賢さがとても自然で、よく教育されている感じが全くしなかったことが、今になって考えるとすべて納得です。

スマホやタブレットなどなく、ゲームもそんなに無かった時代、大人はそんなに意識して導かなくても、子どもたちは、本であれ他のことであれ、もっとじっくり向き合って、探って考えて、大人以上の反応を見せてくれていました。それが普通だったのです。おそらく、子育てももっと楽だったのです。それを改めて思い出させてくれる出会いでした。

・・・さて次回は、10月31日(金)~11月2日(日)、秋田県横手市「横手市民会館」で開催いたします。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】10月17日(金)~19日(日)群馬県渋川市渋川市勤労福祉センター今回は9年ぶりに渋川市に行ってまいりました。群馬県のほぼ中央、関東平野の北西端にある渋川市、伊香保温泉が有名ですね。前回とても盛況だったので、ずっと開催した...
22/10/2025

【えほん展ご報告】
10月17日(金)~19日(日)
群馬県渋川市
渋川市勤労福祉センター

今回は9年ぶりに渋川市に行ってまいりました。群馬県のほぼ中央、関東平野の北西端にある渋川市、伊香保温泉が有名ですね。前回とても盛況だったので、ずっと開催したかった街です。前回は市民会館をお借りしましたが、市民会館は市民の方から優先にご予約が埋まってしまうのでなかなか空きがなく、かなり久しぶりになってしまいました。今回は、街の中心部からは外れた高台にある小さな施設をお借りしました。
残念ながら、お客様はとても少なくなってしまいました。PRが始まった当初、私たちの告知サイトの日付に間違いがあって、それも影響したかもしれません。今回はとても寂しい3日間となりました。特に土曜日は、午前と午後に1組ずつしか来られませんでした。

子どもたちとは、3日間で13人しか出会えませんでしたが、いつもの通り、日ごろから、“子供向け” ばかりではない絵本や物事、話題に、お父さんやお母さんと一緒に、それなりに向き合っていらっしゃるのだろうな、ということが分かるお子さんと、私たちが紹介するような絵本には、初めて出会われるのだろうな、というお子さとの格差をとても強く感じました。
子どもたちが “今どんなことに興味を持って楽しまれるか” は、“昨日まで” や “日ごろから” どんなものに向き合ってきたかによって決まります。お子さんが、今は楽しそうにしないものでも、こんなことに興味を持って、笑ったり泣いたりして欲しいな、という物事にたくさん出会えるように、大人が暮らしてあげて欲しいと思います。たくさんの手軽で楽しいツールに囲まれた現代の私たちの暮らしは、油断していると、子どもたちの時間が、あっという間に “今一番楽しいモノ” だけで埋めつくされてしまいます。そんな毎日の中では、やがて子どもたちは、初めてのことや知らないことに出合うことを楽しまなくなって、それらに向き合うことに耐えられなくなってしまいます。そしてそれは、小さな赤ちゃんの頃からの時間の積み重ねであることを知って欲しいです。

そんな中、今回も、とても素晴らしい表情を見せてくださるお子さんたちがいらっしゃいました。
日曜日に来てくださった5歳の男の子は、「禎子の鶴(原爆の話)」を読むときに、お母さんに必死にしがみつきながら、途中には「もうそのお話やめて」と言いながらも、一生懸命聞いてくださいました。別の時間の3歳の男の子は、「禎子の鶴」を、目を真っ赤にしながら、今にも溢れそうに涙をためながら、しかしずっと目をそらさずに聞いてくださいました。その間、お母さんが後ろから、ずっと手を握ってあげていた姿が印象的した。・・・今は、小学生くらいのお子さんでも、物語の “悲しみ” が伝わらずに、ニコニコされていることも珍しくないのですが・・・。またお二人とも、ブックトークのあとの自由に絵本を見ていただく時間には、もう一度確認するように「禎子の鶴」を、お一人でめくっていらっしゃいました。それを見ている私に気がつくと、お二人とも、さっき怖がったのにまた見ていることが恥ずかしいのか、照れくさそうに笑われます。その様子は、大人の照れ隠しと同じでした。

もう一人、今回とても印象に残ったお子さんがいらっしゃいます。土曜日に、お母さんと弟君ときてくださった5歳の女の子です。女の子には、軽い自閉症があるそうで、お母さんによると、言葉が出てくるのもかなり遅かったとのこと、確かに少したどたどしいところがありました。
貸し切りとなってしまったその時間、最初は、なかなかお話を聞いてくださいませんでしたが、慣れてくると、次々に「読んで」と持って来てくださるようになりました。驚いたのは、さっき読んであげた絵本を「また読んで」となった時に、今度はページをめくるたびに、その子の方が私より先に、ほぼ再現して読んでくれたことでした。言葉はたどたどしいながら、たった一度聞いただけで、ほぼ100%、一言一句記憶していらっしゃいます。お気に入りの絵本では、満足そうに「おしまい」と言われたあとに、すぐに嬉しそうに「はじまりはじまり~」と繰り返されました。
私がうれしかったことは、その子がずっと私にくっついてくれて、やがては低く座っている私の膝の上に腰をおろしてくださったことです。実は、前述の男の子も、フリータイムには、低く座った私の背中にまとわりついてくれて、やがてのぼってくださいました。
・・・やはり子どもたちは、楽しい話ばかりではなくても、自分たちに真剣に語りかけてくれる大人が大好きなようです。そして、そんな風に接してくれる子どもたちから伝わってくる温かさは、本当にうれしいものです。どんなに大変でも、毎回、救われています。

私は、親子で絵本を読むときの親にとっての幸せは、この温かさにもあると思っています。膝にお子さんを座らせて、足の上に感じる子どものお尻の温かさ、お腹に感じる背中の温かさは、親にとってかけがえのない幸せな温かさです。「子どもたちに、愛情を伝えるために、たくさん抱きしめてあげましょう。」と言われますが、抱きしめてあげるときには、実は親の方も、子どもたちに抱きしめてもらってますよね。

ご家庭の中に、親子が離れて過ごしていられるツールが多くなりました。しかし絵本は間違いなく親子がくっついて見るものです。お互いの温かさが伝わる、親にとっても幸せな絵本の時間が増えて欲しいと思います。

・・・さて次回は、10月31日(金)~11月2日(日)、青森県八戸市「八戸ポータルミュージアムはっち」で開催いたします。八戸市では初めての開催です。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】10月11日(土), 12日(日)山梨県甲斐市敷島総合文化文化会館今回は甲斐市に行ってまいりました。県庁所在地の甲府市に隣接する甲斐市の人口は約7万5千人、山梨県では甲府市に次いで第2位です。甲府市が約18万5千人ですから...
15/10/2025

【えほん展ご報告】
10月11日(土), 12日(日)
山梨県甲斐市
敷島総合文化文化会館

今回は甲斐市に行ってまいりました。県庁所在地の甲府市に隣接する甲斐市の人口は約7万5千人、山梨県では甲府市に次いで第2位です。甲府市が約18万5千人ですから、山梨県の人口がいかに少ないか分かります。こうやって全国を回るイベントを企画していると、都市部への人口集中の問題に、嫌でも目を向けさせられます。

今週もご予約がなかなか入らず、開催直前になっても多くの時間が空いたままで、かなり焦りました。しかし、あるお客様の発信から、前日と当日の朝に土曜日が一気に埋まりました。また、土曜日に来てくださったその方とお仲間のご紹介、発信で日曜日もそれなりのお客様が集まってくださいました。本当に感謝です。また、やはりSNSの力は凄いですね。
今回は、お好きな皆様が誘い合って来てくださっていたので、とても充実したブックトークが多くなりました。いつもより小学校高学年くらいのお客様も多く、その子たちも、大人に連れてこられたのではなく、普段から本が好きでいらっしゃるお子さんたちが、楽しみに来てくださっているので、見たり聞いたりしてくださる様子が、皆さんとても積極的でした。そして多くは無かったのですが、来てくださっている男性たち、若いお父さん、年配の皆さんも本がお好きな方が多く、楽しそうに積極的に参加してくださっているので、最近になく、男性とたくさんお話が出来ました。
いつもやや寂しい結果となる山梨県、今回も決して混みあう感じではありませんでしたが、とても手応えのある2日間となりました。今回失敗すると、山梨県の他の地域での開催を躊躇してしまいそうでしたが、また場所を変えて開催する希望を頂きました。本当にありがとうございました。

印象に残った “面白い” 出会いはいくつかありますが、その中から、ひとりの男性をご紹介したいと思います。その方は奥様と赤ちゃんと一緒に来てくださっていました。
ブックトークの間は、本当に楽しそうに身を乗り出すように聞いてくださって、絵本のイラストの美しさ、語り口、一冊一冊の作りこみの見事さを受け止めてくださって、ブックトーク後はすぐに私のところに来てくださって、感想と、思いを伝えてくださいました。そして、ご自身の子ども時代のことを話してくださいました。
「子どもの頃に住んでいた家は、設計ミスなのか、なぜかトイレが6畳ほどありました。その中に、本がぐるっといっぱい並んでいました。親たちは、弟のサッカーに夢中で、僕は放っておかれてました。家族がサッカーに出ている間、僕はずっと便器の横に座って、ひとりで絵本や本を読んでいたんです。それで、今も絵本が大好きなんです。実は今、作家としても活動しているんですよ。」と、とてもうれしそうに話してくださいました。

・・・実は、トイレに本棚を作る方は少なく無いようです。しかし、マンガや雑誌を並べる程度がほとんどだと思います。今回お聞きしたのは、“本部屋” の一角に便器がある感じです。ちょっと笑えますね。そこに籠って絵本を読んでいた男の子は、大人になって、CG、AIといったデジタルコンテンツを操る作家さんになりました。ワークショップを行なったり、大学生にも教えたりもしていらっしゃるそうです。
今回のイベントを見つけてくださったのは奥様、「絶対喜びそう!と思って、連れてきました。」と笑っていらっしゃいました。奥様も本がお好きでいらっしゃって、当然のように私たちの絵本をたくさん迎えてくださることになりました。まだ小さな赤ちゃんが、これからどんなことに興味を持つお子さんになって行かれるのか楽しみですね。

・・・さて次回は、10月24日(金)~26日(日)、群馬県渋川市「勤労福祉センター」で開催いたします。また、今回は「とんでもなく」ご予約が入りません。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

*ご紹介した男性は、インターネット上にたくさん発信されています。作品はTikTocでも見ることができます。「染屋周吾」さんで検索してみてください。「甲府市の戦前戦後の古写真をAIで動画にした。」「北斎を動かしてみた。」「歌川国芳動かしてみた。」なんて作品が見られますが、ひとつ、とても気になる作品がありました。トキさんというお婆さんの動画です。実写のようにリアルなCGのトキさんが、画面の中から私たちに語りかけます。
「あらあら またAIのお婆ちゃんが流行ってるんだってねえ まぁ...かわいいこと 若い子も夢中になるわけだわ でもね 本当の思い出っていうのは そんなに簡単につくれるもんじゃないんだよ 好きな花の香り 帰り道のカレーライスの香り 毎日起こる出来事は いつかアナタの特別な思い出になるの リアルで生きているアナタも 二度と戻ってこない瞬間を大切にしてね?」

つくられた世界ばかりで満足しないよう、毎日のリアルな体験を大切にしたいですね。受け身に動画を見る、こなすばかりでなく、絵本を読むことや、一緒に読んで語り合うこと、また、絵本を読むばかりでなく、日常の中で実際に体験することや、人とのふれあいを楽しむこと、それらをたくさん積み上げた方が、最新のデジタルコンテンツに向き合うことだって、絵本に向き合うことだって、もっと楽しくなるんだよ、ということですね。

【えほん展ご報告】10月4日(土), 5日(日)静岡県静岡市清水区静岡市清水文化会館マリナート今回は静岡市清水区に行ってまいりました。清水区では11年ぶりです。憧憬社としては3回目の開催になります。実はそれ以前、私たちが別の会社に所属して活...
07/10/2025

【えほん展ご報告】
10月4日(土), 5日(日)
静岡県静岡市清水区
静岡市清水文化会館マリナート

今回は静岡市清水区に行ってまいりました。清水区では11年ぶりです。憧憬社としては3回目の開催になります。実はそれ以前、私たちが別の会社に所属して活動していた頃、まだ清水区が清水市だった頃にも、数回の開催があります。
その頃には、もうすでに本離れは進んでおりましたが、今よりは書籍を家庭内に並べることが当たり前で、私たちの所属した会社も全国に多くの社員を抱えて、各地で「世界の絵本展」と称するイベントを開催していました。何と静岡市にも10数名の社員がいる営業所がありました。今よりもはるかに絵本が売れていたのです。当然のように、子どもたちの “座って聞いてくれる” 様子も、今とはかなり違っていました。
さて、清水…。実は当時から、お客様がなかなか集まってくださらず、やや苦戦する街でした。しかし11年も時間が経ちました。私たちのPR方法も新しくなって、かつて苦戦した場所でも何とかなることが増えました。不安もありつつ、挑戦するつもりでの開催でした。

・・・ご予約はなかなか入りませんでした。追加の広告を出したり、お客様にご紹介のお願いメールもお送りしましたが、最近増えた前日当日の “駆け込みのご予約” もほとんどなく、やや残念な2日間になってしまいました。
お客様が少ない街では、やはり “子育て世代” が少なくなります。今回も、約2/3のお客様は、すでに子育てを一段落された世代の女性たちでした。日曜日の午後は、なんとお子さんは2歳の女の子がお一人のみ、という初めて経験する結果となりました。そして2日間とも、大きいお子さんがほとんど来ておらず、小学生以上のお子様は2日間で3人だけです。そしてやはり、お父さんのご来場も少なくなりました。

しかし来てくださっているお子さんたちの様子は、素晴らしいものでした。
日曜日の午前中は唯一満席となる時間でしたが、「禎子の鶴(原爆の絵本)」を読んだときの、次第に静まり返っていって、最後に張りつめたような空気になる幼児さんたちの姿を、多くの皆さんに知って欲しいです。この時間、子どもたちはみんな、まだ小学校にも行っていらっしゃらない小さなお子さんばかりでした。普段から、そういう時間が積み重なっていることがよくわかります。そんな時間を家族で共有していれば、ほんの小さな赤ちゃんでも、そうなってくれることを知って欲しいです。

同じ時間には、今回唯一の10代のお客様、高校2年生の女の子が来てくださっていました。やはり、とても落ち着いた大人らしい部分と、子どもらしい可愛らしさが同居されてる素敵な高校生でした。将来の目標もはっきり決まっていらっしゃって、それを教えていただいたときの受け答えの内容、話され方、それについてお母さんとやり取りされるときの親子の空気、とても素敵でした。

この時間には、もう一つ楽しいエピソードがありました。
「おやゆびひめ」を紹介する中で、私はいつも、子どもたちに「“モグラと結婚しなさい” って言われたらどうする?」と聞いてみます。この絵本はかなり写実的なイラストで、登場するカエルやネズミ、モグラがリアルに表現されて、おやゆびひめよりも大きく、ユーモラスながら迫力満点に表現されています。
子どもたちの反応は様々です。少し固まって首を横に振る子もいれば、ニコニコと元気よく「絶対にいやー」と叫ぶ子もいらっしゃいます。男の子には「俺ならぶっ飛ばす!」というようなお子さんもいらっしゃいます。
今回は、一番後ろに座っていらっしゃった5歳の女の子に聞いてみました。女の子は、クールな感じで少し面倒くさそうに、やや斜めを向きながら首を振って、「いやだっ!」と言いました。そして、
「だって、わたし、もう決まってるから!」
大人たちがみんなで笑ったことは言うまでもありません。「決めてるから」ではなく「決まってるから」という言い方が、とても大人びて可愛らしかったです。

実は最近、子どもむけの簡単な展開や、かわいいイラストに慣れてしまって、この絵本の世界についてこられずに、ポカンとしているお子さんも増えています。小学生のママが「モグラを知らないかもしれません。」と苦笑いされることもあります。
しっかり話の流れに乗っかって来てくれて、すべてを分かった上で「馬鹿な事聞かないで」という5歳の女の子とのやり取りは、本当に楽しい時間でした。

実はこのご家族、日曜日唯一の “お父さん” がご一緒のご家族でした。そして、お父さんは入室されてからブックトークが始まるまでの間、絵本を開いては、「あー、これ見て見て、きれいだねー」と、楽しそうにお子さんに見せてくださっていました。お母さんの方が、一歩下がられて、優しくその様子を見ていらっしゃる感じでした。またお母さんは、他の絵本をご紹介した時には、心からの涙を流して感動してくださいました。(どちらかというと大泣きという感じです。)今度はそれをお父さんが優しくサポートする様子を、お子さんも一緒にご覧になっていらっしゃいました。
ブックトーク後も長い時間過ごしてくださったこのご家族、お母さんによると、絵本展に積極的に申し込んでくださったのはお父さんだそうです。お父さんは、娘さんの結婚相手について「あとでよく聞いてみます。」と笑っていらっしゃいました。

・・・さて次回は、10月11日(土), 12日(日)、山梨県甲斐市「敷島総合文化会館」で開催いたします。実は甲斐市も、ご予約がほとんど入っていません。かなりピンチです。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】9月27日(土), 28日(日)三重県松阪市カリヨンプラザ今回は松阪市に行ってまいりました。14年ぶりとなりました。三重県では、2023年12月に津市で開催して以来1年9カ月ぶりです。実は三重県内は、他の地域に比べて会場使...
30/09/2025

【えほん展ご報告】
9月27日(土), 28日(日)
三重県松阪市
カリヨンプラザ

今回は松阪市に行ってまいりました。14年ぶりとなりました。三重県では、2023年12月に津市で開催して以来1年9カ月ぶりです。実は三重県内は、他の地域に比べて会場使用料が高めに設定されているところが多いので、ちょっと足が遠くなってしまいます。
松阪市といえば「松阪牛」がすぐに思い浮かびますね。そしてもう一つ、江戸時代には紀州徳川家の領地の中心的商業地として栄え、のちの三井財閥となる三井家など、多くの豪商(松坂商人、伊勢商人)を生んだ街ですね。織物や着物の聖地と呼ばれることもあるようです。今も、市内には往時をしのぶ文化財が随所に残っています。仕事ではなくゆっくり来てみたいと思いつつ、なかなか来られていない街の一つです。
また、開催にあたって調べてみると、ある調査による「共働き子育てしやすい街ランキング」で、県内1位になっているとのことでした。

ご予約は早くからとても順調に入ってくれました。結局、追加の広告は必要なく、お客様へのご紹介をお願いするメールを送らずにすみました。松阪市の皆様、本当にありがとうございました。
・・・しかしいつも通り、5~6歳までのお子さんがほとんどで、大きい子たちのご家庭のご予約がほとんど入っていません。また、他の地域に比べて、お父さんもご一緒の予約が少なくなってしまいました。そして、せっかくご予約いただいていても、実際には来られないお父さんが、いつもより多くなりました。
何度も書いてきましたが、大きいお子さんたちや大人の男性にとっても、絵本は、本当に心から楽しめる娯楽であることを、多くの方に知って欲しいです。そしてそれは、“小さい頃の気持ちを思い出す” というのではなく、“大人の頭と心で本当に楽しめて、大人だからこそ深く考えさせられることがたくさんある” ということだとも知って欲しいです。
しかしやはり、小さい頃から、そういった「子どもたちを子ども扱いしないもの」にたくさん出会っていないと、大きくなってから(大人になってから!)、そんな深い部分を感じて楽しむことが出来なくなってしまうようなので、小さな子たちには、できれば生まれたばかりの赤ちゃんの頃から、そういう絵本にたくさん出会って欲しいです。これはおそらく、絵本に限らず、すべての物事に当てはまることなのではないでしょうか。

今回、いつも感じていることが、いつも以上に重なりました。

ある絵本を紹介した時です。その絵本は、ニューヨークの街に実在する建造物から、アルファベットの形に見える部分を見つけ出して、それを写真と見間違えるほどの細密な水彩画で描いた絵本です。(写真2枚目)
いつも私は、子どもたちに「この絵の中に何が見えるかな?何でもいいよ。何が見えたかな?」と聞いてみます。・・・今は、ほんの小さなお子さんでも、私よりはるかにきれいな発音で「A」「B」「C」とか、「アルファベット」「英語」と答えくれることが珍しくありません。しかし、「A」「B」「C」がすぐに見えるお子さんたちは、それが街の風景であることに全く気付いていらっしゃらないことが少なくないのです。そしてそんなお子さんたちは、「これ “絵” だよ。描いたんだよ。写真じゃないんだよ。」と伝えても、ポカーンとしています。その凄さが今一つ伝わらないのです。一方で、「何が見える?」に対して、「お花」とか「階段のところ」と答えてくださるお子さんもいらっしゃいます。その子たちの多くは、「これ絵だよ。」に対して、「えっ、本当!」と驚いてくださって、すぐに立ち上がって近くに見に来てくれます。その子たちは、周りの子たちが「A」「B」「C」と答えるのを聞いて、そこで「あ、本当だ。」と気付いていらっしゃいます。お母さんは、「うちはまだ何もやってないもんね~。」と笑っていらっしゃいます。しかし実は、それまでの何冊かのお話を、立ち上がって動き回ることなく、飽きずにずっと聞いて、笑ったり真剣に見つめてくださっているのは、大体、「A」「B」「C」が見えなかった側のお子さんたちであることが多いのです。
・・・もちろん、早くから「A」「B」「C」を教わる、習うことが悪いのではありません。むしろ素晴らしいことです。しかし、それだけでなく、それよりももっと大切な物事や時間が、これまでにどれだけ積み重なってきたか、大人の側から考えると、どんなことを子どもたちに優先してきたかによって、子どもたちの様子は変わるのだと感じています。

同じことは、他の絵本でも現れます。
私はいつも「禎子の鶴」を紹介する時、まず最初に「原爆って知ってるかな?」と子どもたちに聞いてみるのですが、今は小学校2~3年生でも知っていらっしゃることは少なくなりました。教科書で習うまで、子どもたちが原爆と出会っていないのです。
一方で、「原爆知ってる?」に対して、「ボク、知ってるよ。あのね。」と、かなり細かい “知識” や “情報” を、とてもうれしそうに披露してくださるお子さんもいらっしゃいます。お父さんお母さんは、「知ってるよね。うちではしっかりそういうことも教育しています。」とおっしゃいます。しかし、そんなお子さんには、「禎子の鶴」の物語が始まって、まわりの子どもたちが、物語の怒りや悲しみを感じ取ってくれてお顔の様子が変わり始めても、ずっとニコニコと「知っている」ことを誇らしげに、まだ何かを披露したがっていらっしゃることが少なくありません。物語が終わって、みんながシーンと何かを考えこんでいる時にも、「それからあのね。長崎ではね・・・」と元気な声で、次の知っていることを話しかけて来られるようなことも、何度か経験してきました。

・・・今回も、お子さんたちの様子は様々でした。ブックトークの最初から最後まで、前のめりで、表情豊かに聞いてくださるお子さんも何人かいらっしゃいました。そして、そんなお子さんたちでも、まだ原爆に出合っておらず、今日始めて知るお子さんもいらっしゃいました。しかし、今日初めて知って、心で受け止めてくださって、怖がって悲しんでくださって、ブックトークのあとのフリータイムに、真っ先に「禎子の鶴」を手に取ってくださったお子さんも何人かいらっしゃいました。中には、お母さんの「どの本が一番欲しい?」に「禎子の鶴」を選んでくださった小さな女の子もいらっしゃいました。そしてそのお子さんたちの何人かが、アルファベットの絵本で「A」「B」「C」ではなく、「階段」とか「建物」と答えてくださっていたことは、全く無関係ではないように感じています。
絵本を読むとき、私は子どもたちお一人お一人に、順番に目を合わせながら読むのですが、「禎子の鶴」では、ほとんどの子どもたちは、睨みつけるようにこちらを見つめ返してくださいます。しかし、「知ってるよ。」のお子さんたちには、なぜかニコニコと、楽しそうに微笑みかけてくることが少なくありません。ちょっと得意げにも見えます。私はわざと、一瞥するように目を逸らすようにしています。「今は、笑うところじゃないよ。」と何とか伝えたいのです・・・。

「教育」だけでは届かないことがあることを、思い知らされています。

・・・さて次回は、10月4日(土), 5日(日)、静岡県静岡市清水区「清水文化会館マリナート」で開催いたします。清水では11年ぶり、まだ「清水市」だった頃から3回目のチャレンジですが、いつもお客様が集まってくださいません。今回も、かなりピンチです。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】9月19日(金)~21日(日)岐阜県土岐市セラトピア土岐(土岐市産業文化振興センター)今回は土岐市に行ってまいりました。土岐市とお隣りの瑞浪市の各教育現場にチラシをお配りし、周辺地域の “端末” をターゲットにして、SNS...
25/09/2025

【えほん展ご報告】
9月19日(金)~21日(日)
岐阜県土岐市
セラトピア土岐(土岐市産業文化振興センター)

今回は土岐市に行ってまいりました。土岐市とお隣りの瑞浪市の各教育現場にチラシをお配りし、周辺地域の “端末” をターゲットにして、SNSに広告を出しました。久しぶりの開催で少し不安でしたが、ご予約は順調に埋まってくれて、追加の広告も出さずに済みました。皆様ありがとうございました。

土岐市での開催は、なんと19年ぶりになります。19年前というと、我々が憧憬社として活動を始めて3年目です。もうすでに本離れがかなり進んでしまって、お客様はかなり少なくなっていました。しかしそれでも当時は、今よりは混みあっていました。そしてさらにそれ以前、私が別の会社にいた頃は、実は土岐市と瑞浪市は、それぞれ別々に2~3年ごとに開催しても、「外国絵本の展示会」が、十分にイベントとして成り立って、その後に企業として必要な成果も何とか得られていました。

・・・そして思い出すと、その頃の子どもたちは、多くがもっと集中してお話を聞いてくれて、小さな幼児さんたちも、もう少し長い時間座ってくれていたのです。子どもたちだけでなく大人の皆さんも、こちらがそんなに丁寧に一冊一冊紹介しなくても、それぞれ絵本を開かれて、想像し、いろんな会話が生まれて、もっと長い時間をご家庭ごとに過ごしてくださっていました。
当時はご家庭のリビングや子ども部屋に、まだ何とか、子どもたちのための絵本や図鑑、読み物全集などが並んでいることも少なくなかった最後の頃ですね。そして何より、ご家庭内に、今ほどの大きなスクリーンやゲームもなく、それぞれが持つスマホやタブレットが普及する前でした。 ・・・その後、私たちの暮らしの中に、色々な新しい魅力的なモノが増えて、毎日の時間の埋まり方が変わってきて、絵本展で私の前に座ってくださっている子どもたち、そして大人の皆さんの様子も、どんどん変わってきました。20年、30年も経つのだから当たり前ですし、今の暮らしには、今の素晴らしいことがたくさんあるのも事実ですが、やはり色々と思うことはあります。

毎週の絵本展では、各国の絵本の楽しさを紹介することはもちろんですが、それだけでなく、かつてご家庭内にもっと絵本や本が並んでいた頃の、子どもたちの、大人以上に勘が鋭く働いた、賢い反応が返ってきた様子を思い出していただくために、たくさんの経験をお伝えしています。また、それをご存じない若い世代のパパママたちには、そんな暮らし方も一つの楽しい選択肢であることを知って欲しいです。しかし最近は、「確かにそうでしたよね。」と思い出してくださる方よりも、「えぇ!そうなんですか?ちょっと想像できないです。」という方も多くなってきました。

そして、私たちの絵本を気に入ってくださって、私たちが絵本をすすめする理由を、頭では理解してくださった方でも、ご自身にそういう暮らしの豊かさの実感がないと、私たちの絵本にお金を使うことは、やはりかなりハードルが高く、かなり勇気が必要なようです。(私たちの絵本は全集としてまとまったもので、決してお安いものではなく、かなり高価です!)

私は、子どもたちの手の届くところに、しっかり選んだ絵本や本を並べてあげて、ゆっくり時間をかけて、“親子で一緒に” 楽しむような暮らし方の豊かさを知っています。毎週来てくださるたくさんのご家族に向き合っていると、その確信はどんどん強くなります。
子どもの頃のそういう時間は、その後の人生のかけがえのない財産となります。親子のいい思い出としてだけでなく、その中で感じたことや知ったこと、その過程で自然に身に付いた、ものの見方や頭の使い方は、その後の生活や仕事、学問においても遊びにおいても、大人になってからも、すべてが必ず役に立ちます。
もちろん、そういう暮らしや環境づくりには、本を並べるために、少なからずお金も必要ですが、そのお金は、子育てや家族の生活の中で、教育においても娯楽においても、いわゆる「費用対効果」というものが、もっとも高い確実なものの一つです。子育てや教育だけでなく、大人の娯楽や趣味としてもそうだと思います。

私は、自社の扱う絵本を紹介する中でこの話をするので、どうしても「私たちの絵本を買ってください。」に繋がってしまいます。なかなかうまくお伝え出来なくてもどかしいのですが、それだけではなく、他の本屋さんからでもいいので、そういうお金の使い方に積極的なご家族に増えて欲しいと、心から思っています。
「子どもたちにどんなお金を使ってあげるのか」は、「二度と戻らない子ども時代の時間を、何で埋めているのか」と直結します。これは、おもちゃや遊びだけでなく、習い事なども同じですね。
私たちのえほん展に来てくださって、私たちの絵本をお届けすることは叶わなかったけれど、「あれ以降、たくさん本を買うようになりました。」というお客様が増えてくださるとうれしいです。

・・・日曜日に、うれしいご家族が来てくださいました。ご両親に、中学3年生と小学校6年生の姉妹です。今は珍しい大きなお子さんたち、それだけでもうれしいのですが、最初に皆様に「せっかくだから前に座った方がいいですよ。」とお声がけすると、この姉妹はニコニコと最前列に座ってくださいました。もちろん、他に小さなお子さんが居らっしゃらないことを確認の上です。この年代は、照れてしまってなかなか前には座ってくださらないお年頃ですが、とても楽しそうに座ってくださいました。
その後のブックトークの中で、このお二人が、そんなこととっくに卒業されていることが分かりました。お二人の受け答えは大人の方のようでした。それも、とても感受性が豊かで、しっかり勉強もされて「この方は頭のいい方だなあ。」と思わされる、“本好きの大人の方” の感じでした。しかし、子どもらしい真っ直ぐな可愛らしい部分も残していらっしゃいました。
ブックトークが終わったあとも、ご家族で熱心に楽しそうに見てくださいました。私が新しい本を紹介する時には、ご家族で必ず聞きに集まってくださいました。ご家族で一言二言、感想を伝え合われるときの距離感もとても素敵でした。

お姉ちゃんは中学3年生、半年以内に高校受験です。「私たちの高額な絵本にお金が動くタイミングではないだろうな。」と思った私は、このご家族ではなく、どちらかというと「まさに今こそ!いい時期ですよ。」という年代のお子さんのお母さん方に、積極的にお話をしておりました。しかしやはり、皆様なかなかハードルが高いようでした。
・・・その後、最後まで残られていたこのご家族、お母さんが娘さんたちに聞かれました。
「で?どうしたいの?」
姉妹は遠慮がちに笑っていらっしゃいます。
「欲しいの? 他の本も読んでみたいんだよね?」
お姉ちゃんが、今度ははっきりと嬉しそうに頷かれました。お母さんは私の方を向かれて、
「・・・だそうです。ということなので、いただけますか。」
私がお父さんのお顔を見ると、
「私も読んでみたいです。」
とニッコリ笑われました。

その後のお話の中で、「これまでもたくさん本を買っていらっしゃいますね。おうちにたくさん並んでいますよね。」とお聞きすると、ハッキリと「ハイ。並べるのが大変です。子どもたちも、本だけは買って貰えるものだと思っているようです。」と笑っていらっしゃいました。
姉妹の、とても落ち着いた利発さ、父さんお母さんとの距離感、ご家族の素敵な関係性は、そうやって暮らしてきたご家庭に特有のものです。お姉ちゃんの受験対策にも、そんなにお金は必要無さそうですね。

絵本や本に、しっかりお金を使って暮らすことに、あまり実感のない方、今一つ確信が持てない方、そして「うちの子はもう絵本は卒業の年齢なんです。」なんておっしゃる方に、この姉妹の様子を見て欲しかったです。そして、本が今よりもご家庭に入った頃、“売れていた” 頃、こういう子どもたち、ご家族が、決して少なく無かったことを知って欲しいです。

・・・さて次回は、9月27日(土), 28日(日)、三重県松阪市「カリヨンプラザ」で開催いたします。ご予約は順調に埋まってくれていますが、まだ空きはあります。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】9月12日(金)~14日(日)埼玉県幸手市アスカル幸手(幸手市民文化体育館)今回は幸手市に行ってまいりました。9年ぶりの開催です。幸手市は、埼玉県の東の端にある人口約5万人の小さな街です。江戸時代には、日光街道の宿場町とし...
16/09/2025

【えほん展ご報告】
9月12日(金)~14日(日)
埼玉県幸手市
アスカル幸手(幸手市民文化体育館)

今回は幸手市に行ってまいりました。9年ぶりの開催です。
幸手市は、埼玉県の東の端にある人口約5万人の小さな街です。江戸時代には、日光街道の宿場町として栄えました。「幸せの手」と書く名前にちなみ、「ハッピーハンド」をキーワードにした街づくりが行われており、市内各所には、“市民に感動や幸せを与えてくれた人” の手形がモニュメントとして展示されています。

秋の3連休、他へのお出掛けが優先されたのか、ご予約がなかなか入らず心配しましたが、開催中の口コミもあって、なんとか形になりました。幸手市、そして周辺の地域からも集まってくださった皆様、ありがとうございました。しかし、やはり今回も、若い子育て世代よりも、子育ては一段落した年代の女性が多くなりました。
そしてやはり、小さいお子さんたちは、「座って、待って、聞く」ことに慣れていらっしゃいません。いつもと同じです。そしてこれもいつもと同じく、若い世代のお父さんお母さん方は、そんなお子さんたちの様子に、すっかり慣れてしまっていらっしゃるようでした。今回も、始まって1分もたたずに目をそらしたり、立ち上がって歩いてしまうお子さんたちを、支えてこちらに注意を向けてくださるようにフォローするのではなく、何か別のモノを手渡されてしまったり、一緒に立ち上がってお子さんの興味のままにお付き合いされてしまう大人の方が少なくありませんでした。

何度も同じことを書きます。今よりも、子ども部屋に絵本や本が並んでいた頃、そして、子どもたちの暮らしの中に、もっと「他の人と “一緒に” 時間を過ごす遊び」や「人との対話」が多かった頃には、ほんの小さなお子さんたちも、もっと座って、時には “我慢しながら”、 ブックトークに参加してくださっていたのです。初めて聞くことや分からないことにも、もっと “分かろう” として、“一生懸命探って” 聞いてくださっていました。今は、一緒にいても別々に過ごせてしまうツール、子どもたちの退屈をすぐに埋めてしまうモノやサービスが、あまりにも便利になり過ぎて、ご家庭内にも大量に届きすぎています。

ある保育園の先生とお話したことが印象に残っています。
私は話の流れの中で、現代っ子たちの “かくれんぼ” についてお話しました。子どもたちにスマホやユーチューブが、大人からすぐに手渡されることが多くなって、小さな子たちの “かくれんぼ” が自然消滅することが増えているという話題です。
子どもたちは “ひとりで” すぐにいつでも好きなように、チェンジやデリートが出来る感覚を当たり前にしているので、オニ役の子がオニを頑張らずに、自分勝手にやめてしまうのです。隠れている子も、見つけてもらうまで待てずに、すぐに他の遊びを始めてしまいます。しかし、みんながその感覚を当たり前にしているので、そうなっても誰も怒りません。“かくれんぼ” はうやむやに終わってしまうのです。他の “ごっこ遊び” でも同じです。そしてこれは、座ってお話を聞いていられないこと、小学生になって、授業中に当たり前のように席を立つ子が増えてしまっていることと同じことです。

・・・その保育園の先生はおっしゃいました。
「今まで全く気にしていなかったけど、言われてみれば確かにそうですね。以前はそんなことありませんでしたよね。確かにそんなことが多くなりました。」
先生は私と同世代です。しかし、やはり「気にしてなかったけど・・・」とおっしゃっていました。ほとんどの方がそうだと思います。私も、この仕事をしておらず、30年以上も同じ形で、子どもたちに本を読んで聞いてもらう、ということを続けていなかったら、こんなことは考えなかったのだろうと思います。

家族の中にスマホやタブレットが当たり前になってから、小さなお子さんたちの様子は全く変わりました。また、そうなってからの父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃんの、ふとした場面でのお子さんへの接し方が、それらが無かった頃の大人の方とは、かなり違っていることを、若いお父さんお母さん方には、知って欲しいです。お爺ちゃんお婆ちゃん世代の皆さんには思い出して欲しいです。そして、そこに気付いた上で、今の様々なモノやサービスに向き合った方が、子どもたち自身の育ち方も、大人の大変さも、全く違ったものになることを知って欲しいです。
そして、そんな時間を取り戻す最も確実な方法として、「親子で一緒に絵本を楽しむこと」を、本当におすすめします。そして、それが日常になるためにも、子どもたちが “何か面白いことは無いかな” と手を伸ばした先に、良質な絵本や本が、ある程度の量で並んでいるご家庭に増えて欲しいです。

素敵な女の子をご紹介します。日曜日に、お母さんとお二人で来てくださっていました。13歳、久しぶりの中学生です。楽しそうにブックトークに参加してくださいました。表情の幼さには、素直さが表れていました。しかし、この年代のお子さんによくある、少し照れて構えてしまうようなところが全くなく、こちらの問いかけにもハキハキと楽しそうに答えてくださいました。(そんなことはとっくに卒業されているような、大人びた落ち着きでした。)
フリータイムになって絵本を自由に見てもらっている時に、「将来は何になりたい、とかは決まっているんですか?」とお伺いしてみました。少し考えたその子は、真っ直ぐにこちらを見て、迷いなくしっかり答えてくださいました。
「今は特にないですが、でも、ひとが幸せになるような仕事がしたいです。」
予想外の答えに、正直驚きました。また、「ひとを幸せにするような仕事」ではなく「ひとが幸せになるような仕事」と表現されているところには、“やられたな” という感覚でした。おそらくご本人は無意識でいらっしゃいますが、だからこそ凄いですね。私なら、それこそ無意識に「幸せにする」と言ってしまいそうです。とても大きなことを学ばせてもらった気持ちです。

・・・さて次回は、9月19日(金)~21日(日)、岐阜県土岐市「セラトピア土岐」で開催します。ご予約は順調に埋まってくれていますが、まだ空きはあります。お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】9月5日(金)~7日(日)兵庫県西宮市西宮市民会館今回は西宮市に行ってまいりました。憧憬社としては初めての開催です。西宮市は、大阪市と神戸市のちょうど中間の位置にあり、どちらの中心部にも電車で20分ほどで繋がる通勤通学に便...
09/09/2025

【えほん展ご報告】
9月5日(金)~7日(日)
兵庫県西宮市
西宮市民会館

今回は西宮市に行ってまいりました。憧憬社としては初めての開催です。
西宮市は、大阪市と神戸市のちょうど中間の位置にあり、どちらの中心部にも電車で20分ほどで繋がる通勤通学に便利な街です。人口も約48万人、子育て世代の人口も少なくありません。また、市内にある大谷記念美術館では、毎年夏から秋にかけて「イタリアボローニャ国際絵本原画展」が開かれています。市民の皆様の、絵本に対する関心も高いのではないでしょうか。かなり期待して開催を決めました。

おかげさまで、3日間ともほぼ満席となりました。しかし前回と同じく、半分近くが、もうすでに子育てを終えた年代の単独の女性のお客様になりました。やはり子育て世代は “本離れ” なのでしょうか。そして今回も、来てくださっている親子さんのほとんどがお母さんとお子さんで、お父さんがご一緒のご家族はかなり少なくなりました。街の人口規模や、年齢構成の若さから考えると、意外な少なさでした。しかし今回も、見ていただけたお父さん方にはとても好評で、そのご家族には、それなりに絵本をお届けできることになったので、そういう意味でも、男性の絵本好き、そうでないにしても、「とりあえず聞いてみよう」という大人の男性に増えて欲しいです。
そんな中、ひとつ気になったのは、何人かの小学校の図書館司書の方々のお言葉でした。西宮市では、司書の方が学校にいらっしゃるのは「週1日」がほとんどだそうです。これも、街の規模や若さを考えるとかなり驚かされる数字です。実は、街(国や地域)を上げて読書を推進することで、子どもたちの様々な問題が違ってきた事例が決して少なく無いことを、すべての大人の皆さん、行政の偉い方々だけでなく、お父さんお母さん、お爺ちゃんお婆ちゃん、皆さんに知って欲しいです。“みんなで読書” は、間違いなくいいことですが、そこには、各行政単位でもご家庭単位でも、「予算、収入格差は教育格差」などという、あまりにも夢がない問題を解決する方法さえ含まれています。

・・・もちろん、今回も来てくださっている皆様とはとても楽しくお話出来ました。今回は、私と同世代か、少し先輩世代の3人の女性をご紹介します。

今回のえほん展を見つけてくださって、娘さん親子を誘って一緒に来てくださっていた女性、ご自身の子育ての時にも、たくさん絵本を買って並べたそうです。ご家族皆様、本がお好きなご様子で、お孫さんのことを嬉しそうにお話してくださいました。
ある時お孫さんとご一緒に「恐竜展」を見に行かれた時のお話です。帰りに、恐竜の歯か爪か、本物の化石が売られていて、小学生のお孫さんがそれを欲しがられたそうです。3~4,000円、女性は買ってあげようとされたそうですが、しばらく考えたお孫さんがおっしゃったそうです。
「お婆ちゃん、買わなくていいよ。ぼくがいつか自分で発掘するから。そして見せてあげる。」
何でもポン!って買って貰おうとしないお孫さん、もしかしたら「自分で見つけたものでないと楽しくない!」と思われたのかもしれません。いい子ですね。素敵なご家族です。
「フェイスブックに書かせてください。」とお願いすると、「あら、嬉しい!」とおっしゃってくださいました。「嬉しい」とおっしゃってくださったことが嬉しいです。

2人目の女性は、たまたま一緒になられた女性に「先生」というような呼ばれ方をしていらっしゃいました。気になってお聞きしてみると、「先生なんてとんでもない。ちょっと趣味でやっていることを、皆さんにちょっとだけ・・・、ワークショップをやってます。」と、ご自身の斜め掛けのバッグを見せてくださいました。帆布のような生成りの布地に、美しい絵が描かれています。(写真3) なんと、すべて、コンビニなどでも売られている一般的な油性マジックで描かれたものだそうです。「これも、そうなんですよ。」とご自身の素敵なパンツも見せてくださいました。(写真4) 最初からすべてご自身で研究されて、滲まないものを探されて、布もマジックも、今のものに行き着いたそうです。大変な準備や片付けも必要なく簡単に出来て、こんなに美しいグラデーションも表現できるんですね。言われないと油性マジックで描いたとは思えません。実は私の勉強不足で、本当は名のあるお方なのであれば、申し訳ございません。

3人目の女性も、楽しそうにブックトークを聞いてくださって、その後もゆっくり見ていらっしゃいました。
とても素敵なバッグが気になって、「これは何か謂れのあるものですか。フェアトレードとか何かですか。」とお伺いしました。こちらのバッグも、先ほどよりは厚みのある生成りの生地の鞄に、アフリカらしき風景の写真がプリントされています。・・・「手作りです。実はこの鞄は◯◯のもの(お馴染みのメーカー)なんですが、それに、万博でいただいてきた紙袋を、自分でカットしてデコパージュして貼り付けました。」(写真5)
この写真には写っていませんが、鞄のマチの部分にも素敵な模様が小さくカットされて、センス良く並んでいました。ある国の展示館でもらった紙袋がとても美しかったので万博の思い出に、ということなんだそうですが、その完成度の高さは、是非商品化して欲しいレベルでした。女性の履かれていたスカートともマッチして、とても素敵でした。

絵本好きの方には、こんな素敵な方が多いです。そもそもこんな感性の方だから、絵本を見つけてくださっているのか、どちらにしても、本当のゆとりを感じますね。
大人になって、そうありたいですね。おそらくそれは、その方が小さな頃から少しずつ積み重なっていくものだと思います。絵本に限らず、私たちが、ご家庭の中に、子どもたちの側に、「美しいもの」を並べて欲しいと思う理由です。

・・・さて次回は、9月12日(金)~14日(日)、埼玉県幸手市「アスカル幸手」で開催します。かなり久しぶりです。関東で、一息つこうかと思っての開催ですが、ご予約が入ってきません。かなりピンチです。子どもたち、お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【えほん展ご報告】8月30日(土), 31日(日)奈良県大和郡山市やまと郡山城ホール今回は大和郡山市に行ってまいりました。金魚の産地として有名ですね。奈良市のすぐ南に隣接し、奈良市だけでなく大阪市へのアクセスもよく、住宅情報などを調べると、...
01/09/2025

【えほん展ご報告】
8月30日(土), 31日(日)
奈良県大和郡山市
やまと郡山城ホール

今回は大和郡山市に行ってまいりました。金魚の産地として有名ですね。奈良市のすぐ南に隣接し、奈良市だけでなく大阪市へのアクセスもよく、住宅情報などを調べると、「ベッドタウンとして暮らしやすく、教育環境もよくファミリー層に人気のある街」と紹介されています。初めての開催、それなりに賑やかになることを期待しました。

・・・まずまずの賑わいになりました。混みあう感じではありませんでしたが、来てくださっている皆さんがとても楽しそうに見てくださるので、充実した2日間でした。皆様ありがとうございました。
しかし7割近くのお客様は、単独、もしくは誘い合って来てくださった年配女性です。子どもだった頃に家庭内に図鑑や全集が並び、ご自身の子育てでも、それなりのお金を使って本を並べた年代の皆様です。・・・お子様連れのご家族が少なくなってしまいました。学校や幼稚園は1週間前に始まっているようなので、“夏休みの最後の土日曜日だから” ということでもなさそうです。
実は、その大人のお客様の多くが、同じフロアにある図書館の職員の方や、読み聞かせの関係者の方々でした。振り返ってみると、一般のお客様はとても少なかったことになります。そしてやはり、大きいお子さんがほとんど来ておられず、10歳以上のお子さんは2日間で3名だけでした。また、お父さんのご予約は少なく、せっかく予約いただいていても実際には来られない方も多くなりました。“本離れ” の進んだ地域の典型的な現象が、すべて現れていました。

土日2日間とも、お隣のお部屋では「ロボット教室、プログラミング教室」が開かれていました。気になって覗いてみましたが、ほとんどの生徒さんが “男の子” でした。先生は女性です。お伺いすると、やはり女の子は少ないそうです。そして、先生ご自身が、「まあ、ロボットやプログラミングといえば、男の子になりますね。」とおっしゃっていました。全国で同じようなお教室と一緒になることがありますが、最近は女の子も少なくないのですが・・・。
「“絵本” は、女性と小さい子のもの」や「“ロボット、プログラミング” は男の子」ということを無意識に受け入れてしまう感覚と「本離れ」は、私の中では、繋がった同じ現象のように思えます。
実は私たちの絵本は、研究開発者、エンジニア、プログラマー、職人さん(例えば陶芸家さん、宮大工さん)など、ものづくりに関するお仕事をなさっているお父さん方にとても評判がいいのです。美しい作り込みや、遊び心、気の利いた表現、見せ方の工夫など、子ども向けに留まらない、というよりも、子ども向けだからこそ、子どもたちを子ども扱いしない “本気の” 作品が集まっています。

私は専門家ではありませんが、さらっとネット検索してみると、プログラミング教育とは、プログラミングに関するスキルや知識を学ぶことを通して、物事を順序だてて、論理的に整理しながら考える力である「プログラミング的思考」を習得すること、と紹介されています。プログラミングを学ぶ過程を通して、「読解力」や「問題解決能力」「論理的思考力」といった様々な能力が育まれるとも紹介されています。・・・読書、本を楽しむことと一緒ですね。“やっぱり本こそが一番” ということが言いたいのではありません。同じだね、ということです。少しだけ本贔屓な言い方に変えると、本や読書を楽しめると、プログラミングだってなんだって、世の中の様々なことがもっと楽しくなる、ということだと思います。また、“プログラミング的思考” から、読書好きになることだってあると思います。

絵本や読書が、小さなお子さんや女性だけの楽しみになってしまうのではなく、また、決して古い娯楽、遊び方、頭の使い方ではないことを、すべての大人の人たちに知って欲しいです。そのためにも子どもたちには、まだ本当に自由でいられる子どものうちに、いい絵本や児童書に、たくさん出会って欲しいと思います。また子どもたちが、実は “自由” ではなくなるような、過度に刺激的な娯楽や、訓練的な勉強が多くなり過ぎないように、私たち大人は気をつけてあげたいですね。

土曜日に来てくださったお客様からうれしいメールをいただきました。
たった3人しか来ていなかった10代のうちのお一人、今回最年長の12歳のお兄ちゃんと9歳の妹さん、それにお母さんの3人のご家族です。実は、事前にお電話した際に、お母さんは「うちの子は2人とも、もう大きいのですが絵本は好きなので・・・」と少し気にされていました。
お兄ちゃんは、子どもが少ないことと、小さい子ばかりなので、最初は少し斜に構えた感じでした。しかし、すぐに楽しんでくださるようになっていました。小さい頃から、たくさん本を読んでもらった、また読んだであろうことが伝わってきます。妹さんは、最初から最後まで楽しそうでした。
メールに書かれていた内容をご紹介させていただきます。

「自宅に戻ってから、教えてくださった飛行機を、兄妹でいろんな紙を使って試してみたり、読み聞かせが懐かしくなったようで、寝る前に絵本を持って来て読んでと言うので、久々3人で寄り添いながら、本を読みました。」

紙飛行機、読書、プログラミング、すべて、頭を使う、鍛える、素晴らしい遊びです。その中でも、“親子の” 読書のいいところは、やはり親と子が “寄り添う” “心を交わしてつながる” ことが必然だということだと思います。それは、子どもたちだけでなく、私たち親にとっても、かけがえのない幸せな時間です。おそらくその後の子育ての中で起こる様々なことを乗り越えていくための財産にもなります。

・・・さて次回は、9月5日(金)~7日(日)、兵庫県西宮市「西宮市民会館」で開催します。ご予約がポツポツと入りますが、今回も“大人の女性” が多くなっています。まだかなり空きもあります。子どもたち、お好きな皆さん、是非遊びに来てください。お知り合いの方には、是非お知らせください。
詳しくは、https://www.gaikokuehon.com

【おまけ、余計な一言】
日曜日、片付けを終えて退出するとき、お隣りでは、受験のための塾の説明会が行われていました。予約制の個別面談のようで、数組のご家族がいらっしゃいましたが、すべて、お父さんがご一緒でした。“やはりそうなんだな” と、この2日間が腑に落ちました。

住所

吉祥寺本町3-4/9
Musashino, Tokyo
180-0004

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