28/06/2021
【技術情報】(更新版)
新しいWindows11が手持ちのWindows 10にインストールできるか?
Can the new Windows 11 be installed on my Windows 10 PC?
本日2021年6月25日(日本時間)、Windows11が発表になりました。
Windows10からWindows11にアップデートするのは少しハードルが高いようです。
新しいパソコンでもインストールできない可能性があるからです。
TPMという「ハードウェア暗号化チップ」が搭載されている必要があり、バージョン2.0である必要があります。
旧バージョンの1.2でもインストールできないと思われます。
まずは、こちらのマイクロソフトのWindows11のPC正常性チェックアプリを起動し、インストールできない場合に原因を突きとめる必要があります。
https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/windows-11
この診断ツールでWindows11が入らないパソコンはマイクロソフトの提示している最小要件以外にCPUの世代がちょっとだけ古いとWindows11が入らないという制限に引っかかるとの情報が出ています。
自前のパソコンをもとにマイクロソフトの要件をパソコンの仕様に従って確認しました。
画面の写真を撮りましたので参考にして下さい。
全てWindows10の機能でチェックできる項目です。
CPUはIntelのホームページにあるのCPU仕様を確認しています。
パソコンは2種類用意しました。
1台目は【要件を満たさない】ノートパソコン
2013年発売 Sony VAIO Fit15カスタマイズモデル
2台目は【要件を満たす】Workstation
2016年発売 Lenovo ThinkStation P510
写真
1 マイクロソフトによるWindows11の最小要件
2、3 Sony VAIO Fit15のCPU
「Core i5-3337U」のコア数2と64bitCPU
【要件を満たす】
4、5 Lenovo ThinkStation P510のCPU
「Xeon E5-1603v4」のコア数4で64bitCPU
【要件を満たす】
6 Sony VAIO Fit15の
BiosモードUEFI セキュアブート有効
【要件を満たす】
7 Lenovo ThinkStation P510 の
BiosモードUEFI セキュアブート有効
【要件を満たす】
DirectXをチェックするコマンドは
Windowsの左下のCortanaの検索BOXに「dxdiag」を入力するとDirectXバージョンとドライバーモデルが確認できます。
8、9 Sony VAIO Fit15の
DirectX 12 ドライバーモデルWDDM1.3
【要件を満たさない】
10、11 Lenovo ThinkStation P510 の
DirectX 12 ドライバーモデルWDDM2.7
【要件を満たす】
12 Sony VAIO Fit15の
TPMが存在しない
【要件を満たさない】
13 Lenovo ThinkStation P510 の
TPM1.2が存在する
【要件を満たす(条件付き:TPM1.2を2.0にアップデートが必要)】
14 Sony VAIO Fit15のCPU
「Core i5-3337U」
【要件を満たさない】
15 Lenovo ThinkStation P510のCPU
「Xeon E5-1603v4」
【要件を満たす(条件付き:未確認情報でXeonプロセッサーは通るという情報もあり。通らない場合はデスクトップPCはCPUをIntelの第8世代以降に買い換えることで通す事が可能ですが、マザーボードのソケットが合わない場合もあります。その場合はマザーボードも買い替えになるので新品のPCの方が安いと思います)】
以上のようにTPMが存続するかしないかと、DirectX 12 ドライバーモデルWDDMが2.0以上であることがWindows11をWindows10が動いていたパソコンにインストールできるかの違い、CPUの世代の問題などがあります。
DirectX 12 ドライバーモデルWDDMはアップデートできるのでそれほど心配はいりませんがDirectX 12以下だとグラフィックカードの性能問題でバージョンアップ出来ない可能性が高いです。DirectX 12に出来ないと当然WDDMもアップデートできません。
次はもっと大きい壁です。
TPMはハードウェアチップなのでノートパソコンはあらかじめ付いていないと後付けできません。
デスクトップパソコンはマザーボード(基板)に後付けできるものがあります。
ご自分のパソコンのカタログや仕様に
「TPM 2.0の暗号化チップ」搭載
と書いてあるか確認する必要があります。
しかし、旧バージョンのTPM1.2の場合が多数あります。今回のLenovo ThinkStation P510はTPM1.2になりますのでそのままではWindows11は入りません。
TPMファームウェアをバージョンアップしてTPM2.0にあげる必要があります。
しかし、TPM搭載モデルでも1.2のままでファームウェアバージョンアップがされないパソコンも存在すると思いますのパソコンメーカーの対応次第では買い替えの必要が出てきます。
CPUの問題はあまりにクレームが多い場合はマイクロソフト側が対象を広げる可能性があります。まだグレーゾーンです。
(第8世代よりも古いCPUでも通るようにインストーラーを変える可能性があるということです)
以上です。
おそらく今年の秋にWindows11の入ったパソコンが販売され、企業ではOSが複数あるとマニュアルを2種類作る必要があるために入れ替える企業も出てくると思います。しかしこの互換性の問題を知らないでWindows11にアップデートできないSierも出てくると思われます。
参考にして下さい。
作業が必要な場合は有償で請け負います。
DMやメッセージ、メールでお問い合わせ下さい。
最後に、
Windows11がリリースされてもWindows10は2025年10月14日までサポートされます。
わざわざ本番用のPCをWindows11にあげる必要性は今のところ無いと思います。
OSが変わると今使っているソフトウェアが使えなくなる可能性がありますので慎重に検討してください。
アプリケーション側の方が失費がかさみます。