01/02/2026
フェラ・クティの2026年グラミー生涯功労賞受賞(アフリカ出身アーティストとして史上初、死後29年目の栄誉)をきっかけに、カルロス・ムーアの『フェラ・クティ自伝』(原題:Fela: This Bitch of a Life)が今、再び注目を集めています。この本はフェラの「生の声」を最も直接的に伝える作品で、グラミーという体制側の賞がフェラの反体制遺産をようやく認めた今、読むのにぴったりのタイミングです。
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本書の概要と魅力
タイトル:フェラ・クティ自伝
著者:カルロス・ムーア(Carlos Moore)
訳者:菊池淳子
これは厳密に「自伝」ではなく、フェラ本人が長時間にわたるインタビューで語った内容を一人称で再構成した聞き書き形式のバイオグラフィーです。フェラのピジン英語風の口語体がそのまま活かされていて、まるでフェラが隣で熱く語りかけてくるような臨場感があります。1982年のフランス初版が世界にフェラを広めた原点で、英語版・日本語版もその精神を忠実に継承しています。
内容はフェラの人生を時系列で追いながら、音楽家伝記を超えた政治・社会・人間ドラマのすべてを詰め込んでいます。
- 幼少期から家族の影響:厳格な医者・牧師の父親と、女性参政権運動の闘士だった母親Funmilayo Ransome-Kutiの間で育った少年時代。母親の影響で早くから植民地主義への怒りを植え付けられた話が鮮烈です。
- ロンドン留学とジャズ時代:トランペット奏者としてスタートし、高ライフやジャズに没頭。でも「西洋の真似じゃダメだ」と気づき、アフリカ回帰へ。
- アメリカでの覚醒:1960年代、LAでSandra Isidore(後の妻)を通じてBlack Panther PartyやMalcolm X、ストークリー・カーマイケルらと出会い、パン・アフリカニズムと黒人意識が爆発。アフロビートの原型が生まれる瞬間。
- アフロビートの誕生とKalakuta Republic:1970年代、Shrineで毎日演奏。腐敗した軍事政権を「ゾンビ」に例えた名曲『Zombie』で政府と全面対決。1977年のKalakuta襲撃(母親死亡、100人以上負傷)も詳細に語られます。
- 多妻制と女性たち:27人の妻(クイーン)を持ち、ポリガミーを「アフリカ伝統」と主張。でも本書は美化せず、15人の妻へのインタビューで暴力性・嫉妬・矛盾も赤裸々に描かれています。フェラのカリスマと人間的な闇の両面が浮き彫り。
- 神秘主義と終盤:マリファナ崇拝、伝統宗教、死生観まで。1997年のAIDSによる死まで、フェラの「This Bitch of a Life」(くそくらえの人生!)という言葉がすべてを象徴しています。
ムーアはキューバ生まれのジャマイカ系で、パン・アフリカニスト。カストロ政権に反発して亡命した過去があり、フェラの反骨精神に深く共鳴したからこそ、体制批判を隠さず、でも愛情深く描けていると思います。
グラミー受賞とのタイムリーな関連(2026年現在)
フェラは生前、グラミーを「白人の賞」「帝国主義の道具」などと公然と批判していました。実際、主要部門でのノミネートすらほとんどありませんでした。
でも2025年に『Zombie』がGrammy Hall of Fame入りし、2026年1月31日のSpecial Merit AwardsでLifetime Achievement Awardを受賞(Chaka Khan、Cher、Whitney Houston、Carlos Santana、Paul Simonらと同時)。Femi、Yeni、Seun Kutiら子供たちが代理受賞し、「Thank you for bringing our father here. It’s so important for Africa...」とスピーチしました。
メディアは一斉に「反体制が体制に認められた」と報じ、皮肉で感動的な瞬間として世界中が沸騰。Al Jazeera、BBC、OkayAfrica、Euronews、Pitchforkなど、どのメディアも「long overdue(遅すぎたが待ったかいがあった)」と評価しています。
この流れの土台がまさにこの本です。ブロードウェイミュージカル『FELA!』(Tony賞受賞)も本書に大きく依拠しています。現代Afrobeats(Burna Boy、Wizkid、Davidoら)のグローバルブームが、グラミーにBest African Performanceカテゴリーを新設させたのも、フェラの遺産がようやく追いつかれた証拠だと思います。
なぜ今、この本を読むべきか
フェラの音楽はただのグルーヴではなく、腐敗への怒り、植民地主義への抵抗、アフリカの誇りを武器にした闘争のサウンドです。グラミーがそれを認めた今、この本でフェラの肉声を聞くと、「勝ったな、Fela」って胸が熱くなります。
AmazonでKindle版も安く(セール時は1,000円台)、紙の本も在庫があります。レビューでも「フェラの情熱がビビッド」「人間臭さがリアル」「アフリカ史としても必読」と高評価が続いています。グラミーの熱が冷めないうちに読めば、Afrobeatの深みが倍増するはずです。
Fela Anikulapo Kuti – He lives forever.
The fight continues. ✊🇳🇬🔥
#フェラクティ自伝 #アフロビート
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