
28/02/2025
【新刊】『機会の構造 第三次インドシナ戦争と世界 1976-1979』
著|村主道美
A5判並製 388頁 定価9,790円
https://www.seizansha.co.jp/ISBN/ISBN978-4-88359-392-7.html
国際的対立は、1対1の対立というよりも、1対2以上、あるいは2以上対2以上のアクターが争う、変則的なバトルロイヤルとなることが少なくない。本書は1でも2でもない「3」という紛争当事者の数が小国、大国の混じる国際関係でどのような傾向、戦略、戦術をその紛争当事者の間、あるいは紛争当事者とそれ以外の世界の間に生じさせるかを、1975年、「ベトナム戦争」の終りごろからカンボジア、ベトナム、中国の間に生じたいわゆる「第三次インドシナ戦争」を題材として考察する。カンボジアでGenocideを開始したクメール・ルージュという革命勢力が、如何に自由にそれを遂行し、ベトナムはいつ、なぜこの勢力を打倒する決意をし、米-ソ連-中国-ASEAN-日本等の関係が変容する中で、中国が東南アジアの変化にどう対応したか、についての事実と選択肢が考察される。これは大国に、そもそもカンボジア人を救おうとする意思があったか、そのGenocideはどのような国際関係の変化を伴いつつ終わったか、という問題でもある。
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