03/11/2025
最近では「奥渋」と呼ばれるエリアにHidden Championの事務所を構えたのが2012年。近所を歩いていると、ウィンドウにカッコ良いサインペイントが施されたバーが目に留まった。さらにブルックリンラガーの看板が見える。ビール好きの自分にとって、入らないという選択肢はなかった。それが「418KAMIYAMA」との出会いだった。
店に入ってパイントをオーダーし、フライドポテトやナチョスをつまむ。ハンバーガーも絶品だ。良い店に出会えた。事務所の場所選びは、どうやら正解だったらしい。
418KAMIYAMAの店主リョウさんは、とても気さくで優しい人。店名は渋谷区神山町4-18から取ったという。センスも良い。数回通ううちに仲良くなり、多いときには週3で通っていた時期もあるほどだ。
リョウさんは若い頃、ブルックリンに住んでいたことがある。その縁もあって、お店を始める際にタップにブルックリンラガーを選んだそうだ。当時、日本で流通していたブルックリンラガーは茨城県の木内酒造が製造を行なっていた。そこでは好みに合わせてオリジナルのビールをカスタムオーダーすることができたという。やがてリョウさんは、418KAMIYAMAのオリジナルビールを造るようになった。
「もうブルックリンラガーじゃなくて、“神山ラガー”を作って売り出した方がいいんじゃないですか?」
お店の一ファンとして、地名であり店名を冠したビールがあったら素敵だと思い、そんな夢を語りながら酔っ払っていた。
その後、コロナ禍の影響などもあり、418KAMIYAMAは「酒屋」としての顔を持つように変化していく。角打ちスタイルに切り替わるタイミングで、リョウさんから「ヨロッコビールを仕入れたい」と相談を受けた。
ヨロッコビールのアキオさんとは、友人のDJ PONY を通じて知り合った。アーティストのMayumi Yamase (彼女とはおそらく、418KAMIYAMAに最も多く一緒に行っている)の個展の際、ヨロッコビールのラベルをアートカスタムさせてもらいたくて紹介してもった。その話をリョウさんにしていたのを覚えていたのだろう。
時を経て、リョウさんが「またビールを作りたい」という想いをアキオさんに伝え、そこからHidden Championも連名で参加させてもらうことになった。そしてついに、かつて一ファンが酔いの勢いで口にした“神山ラガー”を作るチャンスが訪れたのだ。
3人での打ち合わせの際にその名前を提案したが、控えめなリョウさんは「自分の店の名前を商品名にするのは図々しい気がする」と謙遜していた。それでも話を重ね、リョウさんがホップを投入する頃には、“神山ラガー”という名は自然と定着していた。
缶のラベルは、最初に418KAMIYAMAに惹かれたきっかけでもあるウィンドウサインを手がけたNUTS ARTWORKSさんにお願いするしかないと思い、リョウさんに提案した。
そして、完璧なアートワークが完成した。NUTSさんからデータが届いた瞬間、そう確信した。後日、金属の板に描かれた原画も届き、その仕上がりに改めて「本物だ」と感じた。
そんな経緯を経て誕生した「神山ラガー」が、いよいよ発売となる。まだ味は知らない。しかし、美味いに決まっている。なにせ、ヨロッコビールが作ったんだから。
解禁は11月8日。今から飲むのが楽しみで仕方ない。
Words by from Hidden Champion
Yorocco Beer x 418KAMIYAMA x Hidden Champion
Label design by NUTS ARTWORKS
Release date: 2025.11.8 Sat