「第三文明」編集部

「第三文明」編集部 月刊誌『第三文明』、「Web第三文明」の公式アカウント。『第三文明』

★1945年、第二次世界大戦末期、広島、次いで長崎で、人類史最初の核兵器が使用され、多くの犠牲者を出した。しかし、世界の核保有国はそれ以降も核の開発を続け、冷戦終結までに2000発の核兵器を爆発させた。 核実験だけでなく、原料となるウラニウ...
31/07/2025

★1945年、第二次世界大戦末期、広島、次いで長崎で、人類史最初の核兵器が使用され、多くの犠牲者を出した。しかし、世界の核保有国はそれ以降も核の開発を続け、冷戦終結までに2000発の核兵器を爆発させた。

 核実験だけでなく、原料となるウラニウムの採掘や原発事故を含めると、放射能による被害を受けた人の数は世界各地で数百万人にのぼるという。

 これほどの被害者がいたにも関わらず、歴史学ではこうした事実について全くふれないか、各国の歴史のなかで僅かに記述される程度だった。

 著者は国家を超えた惑星的な観点から、世界各地の被曝者である「グローバル・ヒバクシャ」の歴史を究明していく。疫学的な観点だけでなく、当事者の歴史的証言にも重きを置くことによって、数字に還元することができない被曝者たちの苦しみにも光を当てている。

 本書を通して痛感することは、過去の核による犠牲者以外にも、私たちの目に不可視化され苦しみ続けているヒバクシャと、核兵器および核廃棄物という巨大な負の遺産を背負った未来の人々の存在に対する、私たちの責任の重さである。

惑星的な視座からヒバクシャを可視化  本書「グローバル・ヒバクシャ」では、これまでほとんど顧みられることのなかった、世界各地に存在する被爆者の歴史と実態を追求し、核抑止力の前提を鋭く問い直すことを試み.....

★これまで創価学会は、社会的地位や学歴など世間の肩書が一切関係のないコミュニティとして、皆がフラットに付き合える関係性を築いてきたこれからは、さらに男女のジェンダーや年齢などについても、より意識的に「フラット」なまなざしを持つことが大切ださ...
30/07/2025

★これまで創価学会は、社会的地位や学歴など世間の肩書が一切関係のないコミュニティとして、皆がフラットに付き合える関係性を築いてきた

これからは、さらに男女のジェンダーや年齢などについても、より意識的に「フラット」なまなざしを持つことが大切だ

さらには、「入会している」「入会していない」にかかわらず、大事なことは縁する誰もが幸せになっていくことであり、これまでの〝あたりまえ〟を見直していくことも必要だろう

 「国」と「個人」のあいだの「中間団体」としての創価学会の役割の重要さを、多くの識者が異口同音に語っている

日本中、世界中に広がる創価学会の〝励まし〟のネットワークに、多様なかたちで連なる人が増えることが、社会における「人間の安全保障」になっていく

沖縄男子部の取り組み ――先日公開された「創価学会の日常ちゃんねる」第6弾、おもしろかったですね。学会員ではない人気ユーチューバーの方が、ニューヨークまで出かけて、SGI-USAを1日体験するという企.....

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。 第91回 正修止観章51  [3]「2. 広く解す」㊾   (9)十乗観法を明かす㊳    ⑧道品を修す(1)    (1)三十七道品の説明    (2...
25/07/2025

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。

 第91回 正修止観章51
  [3]「2. 広く解す」㊾
   (9)十乗観法を明かす㊳
    ⑧道品を修す(1)
    (1)三十七道品の説明
    (2)道品の構成

※毎月、5日、15日、25日に掲載します(土日祝の場合は、直前の平日に掲載)

第91回 正修止観章 51 [3]「2. 広く解す」㊾ (9)十乗観法を明かす㊳  ⑧道品を修す(1)  今回は、十乗観法の第六、「道品(どうほん)調適(じょうじゃく)」(三十七道品を調整すること)の段について説明する....

★この作品の概要を分かりやすく説明するのはなかなか難しい。 人生を揺るがすような出来事が起きるわけでもなく、喜怒哀楽がうねるわけでもない。世田谷という町のごく限られたエリアで起きる些細な出来事を淡々と書き連ねていくのだが、そこからは、どこか...
24/07/2025

★この作品の概要を分かりやすく説明するのはなかなか難しい。

 人生を揺るがすような出来事が起きるわけでもなく、喜怒哀楽がうねるわけでもない。世田谷という町のごく限られたエリアで起きる些細な出来事を淡々と書き連ねていくのだが、そこからは、どこか懐かしく切ない、けれども何か少し不気味な空気が滲み出すのである。

 その正体は何なのかと考えれば、新しい人が越してきて知らぬ間にいなくなり、また新しい人が越してくるという、都会ではどこにでもありそうな風景や記憶の中にあるもの――全てのものは確実に淡々と移り変わるという時の流れの寂しさやノスタルジー、あるいはそこに眠っている過去の人間たちの歴史の欠片――などが、湿り気を伴うことなくサラリと風のように物語の中に流れているからであろう。

移り変わる街の中に隠された人間の息遣い 柴崎友香(しばさき・ともか)著/第151回芥川賞受賞作(2014年上半期) 他人事のように淡々と描く  柴崎友香の「春の庭」は、『文學界』に掲載された170枚の作品...

★一人の支持者として、公明党再建へのささやかな意見と提案を申し上げることをお許しいただきたい。 まず、公明党は〝顔〟が見えない、という点について。これには二重の意味がある。 1つは、個性の立ったアイコン的なリーダーの不在。一般有権者から見て...
23/07/2025

★一人の支持者として、公明党再建へのささやかな意見と提案を申し上げることをお許しいただきたい。

 まず、公明党は〝顔〟が見えない、という点について。これには二重の意味がある。
 1つは、個性の立ったアイコン的なリーダーの不在。一般有権者から見て、ある種のタレント性を持った、存在感、熱量と親しみやすさを感じさせる幹部がいない。真面目で実直で、個が目立つことをあまり歓迎しない党の文化の帰結でもあるとも思う。

 国民民主党と参政党がこれだけ躍進した最大の要因は、党首自身がインフルエンサーとなり、アイコンとして多くの人々に認知されたからだ。それにはポピュリズム的な危うさが付きまとうことは否めないが、政治家の「人格」が見えてこそ、ファン感情や信頼感も生まれるものだ。

 もう1つの意味は、「党の理念や目指すものが見えない」ということだ。
 四半世紀にわたり政権与党の一角を担っているのに、公明党が何をめざし、何を考え、何をしているのか、大多数の国民には伝わっていないのである。
 「平和の党」「福祉の党」というイメージを持っているのは、学者など専門家と、野党時代から公明党を見てきた高齢世代くらいではないか。

 短期、中期、長期の視点にわたって、公明党はこの国と世界を、あなたの人生を、このようにしていきたいのだ――と、具体性をもって、中学生や高校生にもわかる言葉で、しかも端的に発信できないと、誰も公明党に期待をしなくなるだろう。
 わかりやすい発信力は、引き続き公明党の大きな課題だ。

 意見のもうひとつは、公明党の「支持拡大」のあり方について。
 とりわけ2013年にインターネットを利用した選挙運動が解禁されると、人々はネットで政治・選挙情報に触れるようになった。その結果、「誰かから頼まれて投票する」ということに忌避感を持つ人が徐々に増えてきたというのが、筆者の肌感覚である。

 昭和の時代は、人々がマスの情報を求めていた。ところが情報量が爆発的に増えている今の社会では、人々はむしろ多すぎる情報を遮断することに注力している。自ら能動的に好ましい情報だけを探して、取捨選択しているのである。
 国民民主党や参政党は、まさにそうした社会の変化をよく理解し、情報が拡散する仕掛け、たまたまネット等で触れた人の関心を引き込む仕掛けを上手く作って、ファンを広げてきた。

 高齢世代と、そうでない若者・現役世代で、公明党の支持拡大の取り組み方にも、変化が必要な段階にきているのではないだろうかと思う。

【本記事の概要】 ●参院選は自公の敗北であると同時に既存政党の敗北だった ●公明党は「存在感がない」「顔が見えない」という指摘 ●公明党は何をめざすのか、わかりやすく端的な発信力が必要 ●2010年代以降.....

★SNSでの偽情報の拡散を使った外国勢力による選挙への不正介入。世界各地で繰り返されてきた工作活動が、生成AIの進歩によって日本の参院選でも広がっている。そんな衝撃のレポートが先日公表され、各党党首や閣僚らからも懸念の声があがった。こうした...
17/07/2025

★SNSでの偽情報の拡散を使った外国勢力による選挙への不正介入。世界各地で繰り返されてきた工作活動が、生成AIの進歩によって日本の参院選でも広がっている。

そんな衝撃のレポートが先日公表され、各党党首や閣僚らからも懸念の声があがった。

こうした外国勢力の介入工作は、選挙で特定の陣営を有利にするというよりも、左右の極端な主張やデマ情報を拡散・増幅することで、政治への不信を煽って社会を分断し、その国の弱体化を狙うのだという。

正体がわからないよう、半ば自動化された大量のボットを使って偽情報を一気に拡散させ、人々の怒りに火をつける。

いわば「人間の脳」を戦場にした「認知戦」が、すでに今回の参院選でも繰り広げられているというのだ。

各国で続く選挙への介入工作  参院選の公示日を翌日に控えた7月2日、日本経済新聞が「ロシアによる情報工作の影が日本でも広がってきた」と警告する記事を掲載した(『日本経済新聞』7月2日)。  7月15日午....

★参院選の選挙戦中盤頃から、「外国人」に関する言説が、にわかに取り沙汰されるようになった。なかには街頭演説で、事実に基づかないヘイトスピーチともとれる排外主義的な発言を公然とおこなう政党や候補もいる。 本来、自身の政策やビジョンを国民に訴え...
15/07/2025

★参院選の選挙戦中盤頃から、「外国人」に関する言説が、にわかに取り沙汰されるようになった。なかには街頭演説で、事実に基づかないヘイトスピーチともとれる排外主義的な発言を公然とおこなう政党や候補もいる。

 本来、自身の政策やビジョンを国民に訴える場を悪用して、むやみに分断を生み出す行為がなされるのは言語道断だ。すでに多くの報道でもファクトチェックがおこなわれているが、いくつかのポイントに触れておきたい。

①「外国人犯罪が増えている」というデマ
 ⇒外国人による犯罪は増えておらず、相対的には減っている
②「生活保護受給世帯の3分の1が外国人」というデマ
 ⇒外国籍の世帯数は4万7317(約約2.9%)
③「外国人留学生を日本人学生より優遇している」は不正確
 ⇒文科省の支援制度「次世代研究者挑戦的研究プログラム」対象者の6割は日本人

外国人の増加と治安の悪化は無関係  参院選の選挙戦中盤頃から、「外国人」に関する言説が、にわかに取り沙汰されるようになった。  なかには街頭演説で、事実に基づかない〝ヘイトスピーチ〟ともとれる排外主義的....

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。 第90回 正修止観章㊿  [3]「2. 広く解す」㊽   (9)十乗観法を明かす㊲    ⑦通塞を識る(3)    (3)天台家の解釈②     ②「縦...
15/07/2025

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。

 第90回 正修止観章㊿
  [3]「2. 広く解す」㊽
   (9)十乗観法を明かす㊲
    ⑦通塞を識る(3)
    (3)天台家の解釈②
     ②「縦(竪)横」の段の「横別」について
     ③「一心」について
     ④問答

※毎月、5日、15日、25日に掲載します(土日祝の場合は、直前の平日に掲載)

第90回 正修止観章㊿ [3]「2. 広く解す」㊽ (9)十乗観法を明かす㊲  ⑦通塞を識る(3)  (3)天台家の解釈②  ②「縦(竪)横」の段の「横別」について  ここに出る「横」は、共通性の意味で、『摩訶止観』の本 [...

「米中という大国に挟まれた日本は、〝双方からうまみを得られるような〟強(したた)かな外交を展開してほしい」(高原明生氏)    ◇中国という、日本と全く異なる国家体制や価値観を持った人口14億の大国が、今や経済でも軍事でも米国に次ぐほどの国...
11/07/2025

「米中という大国に挟まれた日本は、〝双方からうまみを得られるような〟強(したた)かな外交を展開してほしい」(高原明生氏)

    ◇

中国という、日本と全く異なる国家体制や価値観を持った人口14億の大国が、今や経済でも軍事でも米国に次ぐほどの国力を持っているのだから、不安が高まるのは当然だろう

安全保障の面では多くの課題を抱えながらも、一方で中国は日本の最大の貿易相手国であり、日本企業による対中投資もきわめて多く、日中間の貿易・投資などの経済関係は非常に緊密で切っても切れないパートナーである

両国が安定した協力関係を築くことは、双方の国益に資するだけでなく、地域の平和と安定にもつながる

逆に、不用意に相手を刺激し、対話のチャンネルを閉ざされてしまうことの方がどれほど国益の損失につながるか

    ◇

『月刊Hanada』編集長・花田氏から、公明党はしょっちゅう訪中しているが、なぜ公明党は「親中」なのかとの問いに対して伊佐氏は、
「われわれが訪中するのは、別に『親中』だからではなく、『超リアリズムの外交』をやっているからだと思っています。いま日本の外交安全保障を考えたときに、中国としっかり対話できる環境をつくっておくことは非常に重要です」と明言した。

公明党は大局観に立ち、対話を基軸にしたリアリズムの対中外交を展開しているが、その平和外交の精神は「中道主義」という党の根本的な政治哲学を反映したものだ

    ◇

外交には、時々の国際情勢や国政も大きく関わってくる。中国政府においても国内向けのアピールとして、対外的な強硬なメッセージを発するということも往々にしてある
こうした要素を的確に読み解き、複数の可能性を常に考慮しながら、日本は自国の国益の最大化を図らねばならない

もちろん相手が誰であれ、党や政府として言うべきことは正々堂々と主張してしかるべきだが、相手との信頼や協力関係をむやみに損なうような言動をとる必要もまったくない

要は国益を手にし、地域と国際社会の安定を築いたものが勝者であり、そこには短期だけでなく、中長期のしたたかな戦略が求められるのだ

    ◇
多くの人が注目する場で、激しい言葉で相手国を非難する方が、強力なリーダーシップを発揮していると映るかもしれない

しかし地味ではあるが、さまざまな要素を的確に読み解き、複数の可能性を常に考慮しながら、国益の最大化を図る努力は欠かすことができない

多極化する国際社会にあって、外交の現場を知る公明党の果たす役割は非常に大きい

どのような価値観を持つ政治家や政党に、日本の外交を任せればいいのか。今一度、冷静に考えてみてほしい

海外の専門家は評価、国内世論は不満  興味深い記事を読んだ。現代中国政治・外交が専門の高原明生氏(東京女子大学特別客員教授)が、最近の月刊誌『第三文明』で次のように述べていたのである。  競争と協力を両....

★実験的で技巧的な文章にやや食傷気味だった筆者にとって、小山田浩子の「穴」は、とても読みやすく、力を抜いて小説世界に浸ることができた。村上龍が「複雑な構造の作品ではなかったことにまず好感をもった。」と評した通りだ。    ◇ 芥川賞が「感動...
09/07/2025

★実験的で技巧的な文章にやや食傷気味だった筆者にとって、小山田浩子の「穴」は、とても読みやすく、力を抜いて小説世界に浸ることができた。村上龍が「複雑な構造の作品ではなかったことにまず好感をもった。」と評した通りだ。
    ◇
 芥川賞が「感動」というものを必ずしも重視していないことは薄々感じてはいたが、本作を高く評価した高樹のぶ子が、選評で「感動」について語っていたのが興味深かった。
 概要は――、文学にとって「感動」は大事だ。どんな種類の感動かはさまざまであり、書かれている中身への共感もあるが、特別な手法に心を揺さぶられることもある。しかし手法にばかり関心が行くと「感心」はしても「感動」には至らない、というもの。
   ◇
「新しく在るべきは、手法ではなく、自分自身なのだ。(中略)文学も進化して当然だが、それは自分の五感を開き、愚鈍に深呼吸することでしか叶わない」(高樹のぶ子)

ありふれた日常の中にある異界 小山田浩子(おやまだ・ひろこ)著/第150回芥川賞受賞作(2013年下半期) 語らないことで想像をかきたてる  実験的で技巧的な文章にやや食傷気味だった筆者にとって、小山田浩...

★創価学園・創価大学の創立者である池田大作氏は、歴史上の人物論について若き俊英たちに語る機会を幾度か持った。『歴史と人物を語る(上)』には、こうした教育機関での創立者としての講演が収められている。 一方、創価学会の第3代会長を辞した後も、創...
08/07/2025

★創価学園・創価大学の創立者である池田大作氏は、歴史上の人物論について若き俊英たちに語る機会を幾度か持った。『歴史と人物を語る(上)』には、こうした教育機関での創立者としての講演が収められている。
 一方、創価学会の第3代会長を辞した後も、創価学会名誉会長あるいは創価学会インタナショナル会長として、さまざまな機会を通して会員たちにスピーチや随筆などを贈り続けた。

 そうした創価学会内での言論でも、池田氏は古今の世界の名著を紐解き、東西の偉人たちの生き方を通して、「真に崇高な生き方とは何か」「幸福な人生とは何か」を語ることが常であった。
 多くの場合、宗教指導者の〝説法〟は、その信仰世界の内部の世界観や価値観に閉じたものになりがちだ。池田氏は、むしろそのような独善的なものにならないように、とりわけ青少年世代の会員が普遍的な知性と教養を身につけられるよう心を砕き続けた。

 本書『歴史と人物を語る(下)』は、創価学会の学術者会議での講演や聖教新聞紙上に掲載された「随想」などのかたちで、カント、ソクラテス、ナイチンゲール、トルストイ、ベートーベンについて論じた内容を収録している。

「下巻」は仏法者としての人物論  創価学園・創価大学の創立者である池田大作氏は、歴史上の人物論について若き俊英たちに語る機会を幾度か持った。『歴史と人物を語る(上)』には、こうした教育機関での創立者と.....

直近の世論調査で比例代表の投票先2位に浮上したと報じられた参政党。エビデンスのない主張や露骨な排外主義、女性蔑視の主張を繰り返していても、同党の支持が伸びているのは、代表の神谷宗幣氏のセルフプロデュースと話術の巧みさ、選挙戦略の賜物なのだろ...
07/07/2025

直近の世論調査で比例代表の投票先2位に浮上したと報じられた参政党。

エビデンスのない主張や露骨な排外主義、女性蔑視の主張を繰り返していても、同党の支持が伸びているのは、代表の神谷宗幣氏のセルフプロデュースと話術の巧みさ、選挙戦略の賜物なのだろう。

ただし、同党が掲げる「政策」のなかには、民主主義社会の前提を根底から否定し、かつての戦時体制を復活させようとするものがあり、傍観しているわけにはいかない。

とりわけ、国民の「内心の自由」「信教の自由」「表現の自由」等を認めないとする同党の思想には、それがいかに恐ろしいことか、有権者が気づくべきである。

    ◇

あの大日本帝国でさえ、半世紀近くためらっていた〝神社の国有化〟が、戦後80年の節目となる2025年の今日、国政政党の「政策」としてカジュアルに掲げられていることに驚きと失望を禁じ得ない。

神社の国有化とは、戦後日本が守ってきた「信教の自由」「政教分離」を真っ向から否定する暴挙である。戦後、GHQが最初に出したのは、国家神道を解体させる「神道指令」だった。国家神道こそ、日本を狂気の戦争に走らせた装置だと連合国が理解していたからである。

参政党が公表している独自の「新日本憲法」構想案では、「国民主権」が否定され「国家主権」(国は主権を有し)となっている。

さらに現行憲法が保障している「法の下の平等」「思想・良心の自由」「信教の自由」「表現の自由」「財産権」「黙秘権」「拷問、残酷な刑罰の禁止」なども削除されている。

ふわっとした、しかし、なにやら力強く聞こえる勇ましい言葉の向こうに、地球上のどんな独裁国家も及ばないような悲惨な光景が広がっていることに、強く警鐘を鳴らしておきたい。

「神社の国有化」掲げる政党  共同通信社による全国電話世論調査(第2回トレンド調査)で、比例代表の投票先として参政党が8.1%となり、国民民主党(6.8%)、立憲民主党(6.6%)を上回って2位に浮上した.....

住所

新宿1-23-5
Shinjuku-ku, Tokyo
160-0022

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