「第三文明」編集部

「第三文明」編集部 月刊誌『第三文明』、「Web第三文明」の公式アカウント。『第三文明』

★本谷有希子は、もともと舞台女優で、2000年には劇団を設立し、自ら劇作・演出を手がけていた。2006年に鶴屋南北戯曲賞、2009年に岸田國士戯曲賞を受賞。2011年に野間文芸新人賞、2013年に大江健三郎賞と三島由紀夫賞を受賞し、2015...
18/09/2025

★本谷有希子は、もともと舞台女優で、2000年には劇団を設立し、自ら劇作・演出を手がけていた。2006年に鶴屋南北戯曲賞、2009年に岸田國士戯曲賞を受賞。2011年に野間文芸新人賞、2013年に大江健三郎賞と三島由紀夫賞を受賞し、2015年に「異類婚姻譚」で芥川賞を受賞した実力派である。
 異類婚姻譚は、人間と人間以外の存在、例えば、動物、神、妖怪、幽霊などとの結婚や恋愛を題材とした物語のことを指す。日本に限らず世界各地の民話や伝説、神話、文学作品に登場するわけだが、誰もが知っている日本の作品としては、鶴が人間の女性に姿を変えて男と結婚する「鶴の恩返し」や、男が亀を助けたことで竜宮城の乙姫(異界の存在)と過ごす「浦島太郎」などが有名だ。
 異類婚姻譚という説話類型名を作品名にしたことにより、読む前からこの作品がそうした物語であることを明言しているわけで、そのことによって、どこか奇妙な非現実的なストーリーを読み手がすんなりと受け入れる土壌を事前に作っている。
    ◇
 異類婚姻譚が古今東西に存在し続けているのは、異質な存在との関わりや、自己と他者との境界の曖昧さや、喪失の悲しみなど、人間にとって根源的なテーマを孕んでいるからであろう。受賞作は、こうした説話の枠の中に、現代的な風俗をうまく落とし込んでいるところに斬新さがある。
 髙樹のぶ子は、特に伝奇的・説話的な物語を指す「譚」という言葉について、ラストシーンのある種の美しさを絡めながら、こう述べている。
「『美と不気味さ』これは『譚』の成立要素であり、日本説話の伝統から流れ来る地下水脈でもある」

アイデンティティが希薄になる不気味さ 本谷有希子(もとや・ゆきこ)著/第154回芥川賞受賞作(2015年下半期) 象徴的な「蛇ボール」  本谷有希子は、もともと舞台女優で、2000年には「劇団、本谷有希子...

★1930(昭和5)年6月に出版された戸田城聖著『推理式指導算術』は、11年間も版を重ね、累計100万部を超す異例のミリオンセラーとなった。 当時の中等学校の受験をめざす小学生の自習のために書かれた、今でいう受験参考書である。21世紀の初め...
17/09/2025

★1930(昭和5)年6月に出版された戸田城聖著『推理式指導算術』は、11年間も版を重ね、累計100万部を超す異例のミリオンセラーとなった。
 当時の中等学校の受験をめざす小学生の自習のために書かれた、今でいう受験参考書である。21世紀の初めごろまでは、年配の学識者や財界人のなかにも、この本のおかげで数学が好きになってずいぶんと助けられたと語る人が珍しくなかったほどだ。
   ◇
 刊行の経緯や時期から見ても、牧口常三郎による「序」を見ても、戸田の『推理式指導算術』が牧口の創価教育学説の実践であったことは明らかである。
 ところが、『創価教育学体系』が創価教育の原点の書物として広く知られ、様々なかたちで出版されてきたのに対し、『推理式指導算術』は単なる戦前の参考書と見なされて今日では入手困難になっている。
 それは牧口と戸田の師弟が当時に抱いていた思いと乖離するのではないかというのが、著者が本書を手掛けた動機であった。
 また、『推理式指導算術』を読み解くことは、そのまま戸田城聖という人と創価教育というものを理解するうえで欠かせないと考えたという。
   ◇
 各国の教育関係者も頻繁に創価学園や創価大学を訪問し、その教育の成果を学ぼうとしている。牧口と戸田の師弟が1930年に相次いで刊行した2つの書物は、一世紀近い時間を経て、文明も宗教も越えて世界の教育界の共有する知恵になろうとしているのである。
 本書が1人でも多くの人に読まれ、やがて各国でも読まれることを切に願う。

100万部超の人気を誇った学習参考書  著者の鈴木将史氏は数学者であり、2022年から2025年まで創価大学の学長を務めた。現在は同大学顧問であり教授である。  1930(昭和5)年6月に出版された『推....

★【9/15まで開催】山田淳子写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」を紹介9月15日まで、東京・新宿で山田淳子写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」が開催されている。この写真展は、北方領土で暮らした人びとの歴史を...
12/09/2025

★【9/15まで開催】山田淳子写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」を紹介

9月15日まで、東京・新宿で山田淳子写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」が開催されている。この写真展は、北方領土で暮らした人びとの歴史を後世に遺そうと、元島民100人の姿を写真に収め写真集として発刊し、さらに写真展として開催したものだ。

2025年現在、元島民の平均年齢は89歳を超える。
このままでは生活の記憶は失われ、歴史は忘却されてしまう。
写真家の山田淳子さんは、戦後80年、昭和100年を迎える今年までに、100名の元島民の方々の肖像を写真に収め、証言を聞き取った。その成果のひとつが今回の写真展となっている。

東京大空襲や広島・長崎の核の惨禍に関してはさまざまな証言が紹介され、多くの人が知っている。
しかし、北方領土の元島民の具体的な生活や苦難に満ちたその歴史は、当事者や関係者の間では知られてたが、大半の日本人に知られることはない。

写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」は、こうした貴重な歴史に触れることのできる絶好の機会であろう。

自らのルーツをたどる旅  9月15日まで、東京・新宿で山田淳子写真展「わたしの祖父母たち 北方領土・元島民の肖像」が開催されている。この写真展は、北方領土で暮らした人びとの歴史を後世に遺そうと、元島民.....

WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。 第96回 正修止観章56  [3]「2. 広く解す」54   (9)十乗観法を明かす㊸    ⑨助道対治(対治助開)(3)※毎月、5日、15日、25日に掲...
12/09/2025

WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。

 第96回 正修止観章56
  [3]「2. 広く解す」54
   (9)十乗観法を明かす㊸
    ⑨助道対治(対治助開)(3)

※毎月、5日、15日、25日に掲載します(土日祝の場合は、直前の平日に掲載)

第96回 正修止観章 56 [3]「2. 広く解す」 54 (9)十乗観法を明かす㊸  ⑨助道対治(対治助開)(3)  次に忍辱波羅蜜の説明の段では、「恨無く、怨無きこと、富楼那(ふるな)の罵られて、手を免るることを喜び [.....

★朝日新聞が運営するウェブサイト「Re:Ron」に、著者である西田亮介氏(社会学者/日本大学危機管理学部教授)の記事が掲載された。 タイトルは〈その「エモい記事」いりますか――苦悩する新聞への苦言と変化への提言〉。これは、そのまま本書『エモ...
11/09/2025

★朝日新聞が運営するウェブサイト「Re:Ron」に、著者である西田亮介氏(社会学者/日本大学危機管理学部教授)の記事が掲載された。
 タイトルは〈その「エモい記事」いりますか――苦悩する新聞への苦言と変化への提言〉。これは、そのまま本書『エモさと報道』の第1章に収録されている。

 ここで西田氏が言わんとしたのは、そうした「エモい記事」がけしからんという話ではない。ネットと違って紙の新聞は掲載できる記事の総量が決まっている。ある記事がスペースを占有することは、その分量だけ別の記事(になり得たもの)が掲載されないことを意味する。

 さらに言えば、新聞は「報道事業者」として、軽減税率の適用、記者クラブへの所属、公益通報者保護法における「内部告発」の外部通報先としての「報道機関」に指定されるなど、さまざまな特権を享受している。それは私企業ではあっても、ある種の「公益性」「公共性」を有する事業と見なされているからである。

 そのような社会的役割を与えられた新聞にあって、エビデンスを欠いたエピソード重視の「エモい記事」を1面にもってくることの意味を、西田氏は率直に問うたわけである。あくまで「エモい記事」を扱うバランスについて問題提起したのだ。
 ところが、この寄稿が予想外の論争を巻き起こしていった。賛同の声がある一方で、「エモい記事の何が悪いのか」というような擁護論も出た。
 なにより当の朝日新聞の記者や編集委員からは、やはり〝エモい記事〟の必要性を論じる声が多く出た。

 たしかに「エモい記事」は一定の〝共感〟を呼ぶ。編集部にそうした〝共感〟の声も届く。電子版ではPVも稼ぐだろう。しかし、新聞の役割はそれだけでいいのか。それで読者が回復し経営基盤が上向いていくのか。

 本書は、東浩紀・大澤聡・武田徹・山本章子・江川紹子・大治朋子・外山薫といった面々との鼎談形式で構成されている。
 ただし本書は、この「エモい記事」論争をめぐって、単に朝日新聞社に意趣返しをしたいというような本ではまったくない。
 むしろ「エモい記事」をひとつの糸口にして、今や絶滅の危機にある新聞というメディアの重要性――とりわけ民主主義の基盤としての重要性――を人々に強く喚起し、現実問題として新聞というメディアが経営的に、また機能として生き残るためには、何が必要かということを真剣に議論した一書だと言える。

https://www.d3b.jp/npcolumn/21512

#西田亮介 #エモさと報道

「エモい記事」は必要なのか  若者言葉である「エモい」は『広辞苑』にはまだ載っていないものの、2021年12月に改訂された『三省堂国語辞典』(第8版)には収録された。 【エモい】 (形)〔俗〕心がゆさぶら...

★羽田圭介が小説家デビューしたのは、高校在学中の2003年だった。小説「黒冷水」で文藝賞を受賞し、高校生作家誕生ということで大いに注目を集めた。その後、野間文芸新人賞の候補に2度、芥川賞候補にも3度上るなどして、その才能に注目が集まる中、4...
08/09/2025

★羽田圭介が小説家デビューしたのは、高校在学中の2003年だった。小説「黒冷水」で文藝賞を受賞し、高校生作家誕生ということで大いに注目を集めた。その後、野間文芸新人賞の候補に2度、芥川賞候補にも3度上るなどして、その才能に注目が集まる中、4度目で芥川賞を受賞した。
    ◇
主な登場人物は3人。介護が必要な祖父と、その介護を担う就職活動中の孫と、その母(祖父の娘)。家族の介護を描く小説は、切実で重い空気が立ち込めるのが普通なのだろうが、この作品のおもしろいところは、作品全体にどこか不思議な可笑しさが漂っていることだ。

 「死んだ方がまし」と言う祖父の口癖を真に受けて、主人公は早く迎えが来るように奮闘する姿には、普通の成人の感覚からすると「お前はバカか」と言ってやりたくなるような軽さがある。しかも、主人公は、祖父とは対極にある自らの若い肉体の力をさらにパワーアップさせるために日々筋トレに励むことで、やがて自らにも訪れるであろう老いから遠ざかろうとする。

高齢者介護を扱う小説においては、介護のどこかにささやかな光を求めるというのがひとつの切り口になるかと思われるが、ユーモアを感じさせる、ある種飄々とした本作品は、別の意味でささやかな光になるかもしれない。

高齢者介護の現実をどこかユーモラスに描く 羽田圭介(はだ・けいすけ)著/第153回芥川賞受賞作(2015年上半期) 不思議な可笑しさ  羽田圭介が小説家デビューしたのは、高校(明治大学付属明治高校)在学中...

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。 第95回 正修止観章55  [3]「2. 広く解す」53   (9)十乗観法を明かす㊷    ⑨助道対治(対治助開)(2)※毎月、5日、15日、25日に...
05/09/2025

★WEB第三文明に、創価大学大学院 菅野博史教授の「『摩訶止観』入門」を掲載しました。

 第95回 正修止観章55
  [3]「2. 広く解す」53
   (9)十乗観法を明かす㊷
    ⑨助道対治(対治助開)(2)

※毎月、5日、15日、25日に掲載します(土日祝の場合は、直前の平日に掲載)

第95回 正修止観章 55 [3]「2. 広く解す」 53 (9)十乗観法を明かす㊷  ⑨助道対治(対治助開)(2)  次に、たとい人は円教の捨覚分の観を理解しても、何事につけ物惜しみして執著し、堅く動かず、ただ理解する [.....

★若い人たちも多忙であり、時流が〝活字離れ〟の方向にありますが、池田先生は一貫して「活字を読め」と言われ続けています。手軽な動画で済まされていく時代に、あえて青年たちが活字に挑んで学び合っていくならば、それ自体が「平和創出」「文化創造」の偉...
04/09/2025

★若い人たちも多忙であり、時流が〝活字離れ〟の方向にありますが、池田先生は一貫して「活字を読め」と言われ続けています。

手軽な動画で済まされていく時代に、あえて青年たちが活字に挑んで学び合っていくならば、それ自体が「平和創出」「文化創造」の偉大な民衆運動になっていくと思います。

活字を読むというのは、自分で言葉を解釈していくことの連続です。さらっと読んでも、すぐに理解できないこともあります。1回目はわからなかったけど、繰り返し読んでわかったという経験をした人も多いでしょう。

「すぐにわからないこと」を保留して、じっくり考えていく。別の機会から答えを探っていく。これが、活字を読むうえでは避けられません。「面倒くさい」が大事なのです。

「簡単にわからないこと」に耐える力。曖昧な状況に耐え、性急に答えを出さずに保留する力――「ネガティブ・ケイパビリティ」と呼ばれるものですが、活字を読むという行為は、この力を育んでくれるのです。

初代会長の牧口常三郎先生、第2代会長の戸田城聖先生、第3代会長の池田大作先生。この3人には「教育者」という点のほかにも「出版人」「編集者」という〝共通点〟があります。

その三代の会長が弟子に対して「徹して学べ」「活字を読め」と言われ続けてきた創価学会です。そのことを、ゆめゆめ忘れるべきではないと思っています。

師匠の心を受け継いで、今ふたたび、「活字文化」の復興を粘り強く進めていきたいと思います。

日常の活動で「平和」を考える ――前回(第9回)では、いよいよこれからが正念場という決意で「平和の文化」を構築していくことを論じていただきました。読者からも、日常の活動のなかで一人ひとりが「平和」につ.....

★ビジネスが炎上した際、世界中のユーザーの凄まじい怒りに驚いたバノン氏は、こうした感情を政治的エネルギーとして転化できないものかと考え、辿りついたのがSNSの政治への利用であった。 現代政治の舞台裏で暗躍するとされる彼らスピンドクター(情報...
02/09/2025

★ビジネスが炎上した際、世界中のユーザーの凄まじい怒りに驚いたバノン氏は、こうした感情を政治的エネルギーとして転化できないものかと考え、辿りついたのがSNSの政治への利用であった。

 現代政治の舞台裏で暗躍するとされる彼らスピンドクター(情報を操作する者)の手法は狡猾だ。SNSでクリックされた「いいね」の数やネット上での行動動向を数値化したビッグデータを企業から買い取り、最大限かつ効率的に活用する。そこから支持者になりそうな人々を割り出し、個人向けにカスタマイズされたダイレクトメールを送信する。対象となる人数は数10万とも数100万ともいわれている。
 送られる内容に政治的一貫性はなく、効果的であれば陰謀論でも排外主義でも躊躇せず用いる。彼らの目的が政策実現にあるのではなく、自分たちの利益と権力奪取にのみあるからだ。

 「したがって、量子政治学において各自が眺める世界は、文字通り他者には見えない。よって、合意の形成はますます難しくなる。合意するには「他者の立場になって考える」必要があるが、アルゴリズムが司る現実では、この作業は不可能だ。誰もが自分の殻に閉じこもり、殻の中では、聞こえてくるのはお馴染みの声だけであり、存在するのもお決まりの事実だけだ。(本書)」

 ビッグデータの利用が、政治を取り巻く条件を劇的に変えてしまった。合意を目指すのではなく、人びとを扇動するための過激な意見を組み合わせ、怒りによって人びとを結び付ける、という政治手法が主流となりつつある。

インターネットの登場が政治を変えた  著者はフィレンツェ市の副市長やイタリア首相のアドバイザーを務め、現在はパリ政治学院で教鞭を執る政治学者。本書『ポピュリストの仕掛人』は、現在、洋の東西を問わず世界.....

本日(9/1)、『第三文明』10月号(印刷版、電子版)が発売!オススメ記事の特集「日本政治に未来はあるか」から抜粋して紹介します。◆河村和徳さん(拓殖大学教授)公明党には、かつての「戦後復興」や「高度経済成長」のように、国民の誰もが分かりや...
01/09/2025

本日(9/1)、『第三文明』10月号(印刷版、電子版)が発売!

オススメ記事の特集「日本政治に未来はあるか」から抜粋して紹介します。

◆河村和徳さん(拓殖大学教授)
公明党には、かつての「戦後復興」や「高度経済成長」のように、国民の誰もが分かりやすく、納得・共感できるナラティブ(物語)を紡ぎ出してほしい、「この道を進めば皆が安心して仲良く暮らせる」との未来像を提示してほしいと思っています。
例えば、現下のインフレ対応と「デジタル・インクルージョン(情報技術による社会的包摂)」を結び付け、日本社会にイノベーションの波を起こすべきだと私は考えています。

◆西田亮介さん(日本大学危機管理学部教授)
公明党には政権与党としての経験もありますし、大臣も輩出してきました。
また、自民党と連立を組むまでは、両党は犬猿の仲だったはずです。その自民党とも20年以上にわたって連立を組むことができた〝知恵〟があります。
これから日本の政治が多党制の方向に向かうなかで、多様な政党を1つに結集し、これまでと同じように政治と社会を安定へと導く。公明党にはそうした政界再編の軸となる役割を期待したい。

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★2024年を境に日本も本格的にSNSが選挙の主導権を握る時代に入った。 SNSは、まったく接点のなかった者同士が、容易に双方向の応答ができるコミュニケーションツールである。 今後、公明党の議員はもちろん、党員や支持者は、どうすれば党への信...
27/08/2025

★2024年を境に日本も本格的にSNSが選挙の主導権を握る時代に入った。
 SNSは、まったく接点のなかった者同士が、容易に双方向の応答ができるコミュニケーションツールである。

 今後、公明党の議員はもちろん、党員や支持者は、どうすれば党への信頼や理解を広げられるかに注力していくべきだろう。
 公明党がどれほど実績をあげてもメディアが取り上げないという不満は理解できる。だからこそYouTubeなど自前のメディアで効果的に発信すればいいのだ。テレビニュースは一過性だが、動画はいくらでもネット上に残せる。

 公明党に投票する人を広げていくためのヒントを求めるなら、党員でも支持者でもない人たちに率直に聞くこともあっていい。

    ◇

 もちろん日本社会に宗教に対する偏見や警戒心が強いことは承知している。
 しかし、創価学会という宗教運動から公明党が誕生し、学会員の宗教的熱情といってもいいエネルギーに支えられて、これまで60年以上にわたってさまざまな政策を実現してきたことは紛れもない事実なのである。

 また、日本の政界に「クリーンな政治」というものを持ち込んだのは公明党の功績だ。そして、それは同党議員たちと支持者の宗教的な倫理観に支えられてきたのだ。

 世界各国には、特定の宗教の理念を掲げた政党があたりまえに存在するし、政権を担当していることも珍しくない。
 そもそも日本政府との外交でも、政権に公明党がいることを「信頼」の材料にする国はあっても、宗教を理由に「懸念」する国などない。

    ◇

 ともあれ、今の公明党とその支持者にとって重要なことは、自分たちがどのような社会を築こうとしているのかを、明快に言語化し、平明な言葉で端的に伝えることに尽きる。
「多党制時代」だからこそ、あらゆる政党と建設的な対話の回路を増やしていくことだ。
 大事なことは、「同意はできなくても、理解すること」である。さしあたって共有できる目標や、合意形成できる地点を見つけていくことだ。

「地中深く打ち込まれた杭」  かつて公明党のことを「地中深く打ち込まれた杭」と評した政治学者がいた。  公明党の最大の強みは、やはり全国津々浦々で地域に根を張った支持者がいることである。  その支持者は公...

★参院選で一気に注目を浴びた参政党――。 横浜商科大学の田中辰雄教授がアンケート調査をもとに精緻な、かつ興味深い記事を公表して話題になっている。    ◇ 調査によれば、まず参政党の支持層の特徴としては、国民民主党と似ていて20代から40代...
26/08/2025

★参院選で一気に注目を浴びた参政党――。

 横浜商科大学の田中辰雄教授がアンケート調査をもとに精緻な、かつ興味深い記事を公表して話題になっている。
    ◇
 調査によれば、まず参政党の支持層の特徴としては、国民民主党と似ていて20代から40代が多いものの、他党と異なる特徴は見られず、男女比率、学歴、収入、世帯所得、いずれも他の政党と有意な差は見られないという。

 また参政党の支持層の3分の1は、ポスト安倍の自民党がリベラルに舵を切ったと見たことで自民党から離れた岩盤保守層で、もう3分の1は、これまで選挙に行かなかった、政治に関心がなかった無党派層だという。
    ◇
 選挙戦中の参政党に対する批判は、実際の投票行動にどのような影響を与えたのだろうか。
 このうち「参政党は排外主義だ」「参政党は差別主義だ」「参政党は極右だ」「外国人犯罪は増えていないという事実の指摘」「政府が外国人留学生を優遇していないという事実の指摘」については、それを聞いて投票をやめた人も一定数いたが、それ以上にむしろ参政党支持に回った人のほうが多かった。
 こうした〝正義〟によって立つ批判やレッテル貼りは、差し引きしてみると票を削る効果がなかったことになる。

 選挙戦での批判で効果があったのは、「憲法草案の危うさへの指摘」「個々の政策の根拠のなさの指摘」「過去の非科学的な主張への指摘」などだった。
 他党の支持者と変わらない〝普通の人々〟が多いからこそ、個々の政策や主張の稚拙さを冷静に指摘してあげるほうが〝効果〟があったことになる。

「石破おろし」と「石破支持」  参議院選挙から1カ月が経った。衆議院でも参議院でも与党は過半数を割り、さりとて与野党ともに、どの党も1党だけでは何も決することができない。しかし、議会に影響力を持つ〝有.....

住所

新宿1-23-5
Shinjuku-ku, Tokyo
160-0022

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