
19/06/2025
【多草月】
皐月の別名は、多草月(たぐさづき)。草刈りの季節。
日本は草刈りが必須な国で、放置すればたちまち草に覆われるほど日本の気候風土は植物の生育に適している。イギリスの植物が1600種、固有種160種に対し、日本の植物は5300種、固有種1800種もある。
雨の多くなる季節、植物はさらに勢いを増して繁茂する。日本では長らく雑草という概念がなく、草は地上に必要なものとして認識され、種々 (くさぐさ)と呼ばれていた。
草には大地の乾燥を防ぎ、土壌を守る働きもあり、虫や蝶など人間以外の何かに貢献し互いに支え合っている。田畑のカメムシを減らすにはカマキリやジョロウグモとの共存が望ましい。
季語でいう「草刈り」とは肥料や飼料として刈る行為。ただ排除するのは「草取り」として分けている。豊かな生態系を作るには6月中に草刈りを済ませ、真夏を避けるとよい。『和暦日々是好日2025』