08/10/2025
2025年双十国慶節光の饗宴開幕 賴清德・総統「世界に多彩な台湾を見せたい」
今年は台湾のテレビ界の最高栄誉である「金鐘賞(ゴールデン・ベル・アワード)」創設60周年の節目の年です。これを記念し、10月10日の双十国慶節を祝うため、総統府の建物を舞台にした「2025年双十国慶節プロジェクションマッピングショー」が、総統府の指導、頼清徳・総統が会長を兼務する中華文化総会の主催、文化部影視および流行音楽産業局の共催で、7日から始まりました。
総統府全体をキャンバスに、過去60年の名作ドラマやバラエティ計87本が映し出され、台湾の映像文化の歩みを華やかに振り返ります。
賴・総統はあいさつの中で、「世界に多彩で活気あふれる台湾を見せたい」と述べ、洪水被害に見舞われた東部・花蓮の被災地を応援するメッセージ「花蓮加油(花蓮がんばれ)」も投影されました。
今年のテーマは「Stay Tuned, TAIWAN」。日本語に直訳すると、「チャンネルはそのままで、台湾」になりますが、様々な意味が込められています。
「チャンネルはそのまま!台湾から輝きを発信」
「チャンネルはそのままで、台湾にご注目ください」
「Stay Tuned, TAIWAN――これからも世界が注目する台湾」
「チャンネルはそのまま、台湾に注目です」
「チャンネルはそのままで、台湾からお届けします」
声の出演には、金鐘賞の「視帝(最優秀主演男優賞)」を女性として初めて受賞した俳優、男役の陳亞蘭さんと、金鐘賞の最多受賞記録を持つキャスターの沈春華さんが参加。10月7日から10日まで、台湾のテレビが刻んだ一甲子(60年)の記憶を国民と共にたどり、時代を越えた温かい思い出を共有します。
賴清德・総統は、点灯式で双十国慶節のプロジェクションマッピングショーを実施する目的について「明るく楽しい文化イベントを通じて、人々が総統府という百年建築の歴史と魅力を知り、台湾の民主社会の多様性、自信、そして開放性を感じてほしい」と説明しました。
また、「今年は金鐘賞60周年を記念し、80本を超える映像作品を集めて台湾のテレビの歩みを振り返る内容になった」とし、「テレビ局や制作会社の皆さんの情熱と品質へのこだわりが台湾の映像文化を豊かにしてきた。これからも素晴らしい作品を作り続け、世界に多彩な台湾を見せてほしい」と激励しました。
賴・総統はさらに、今年の光の饗宴で「花蓮加油(花蓮がんばれ)」の文字が投影されていることにも触れ、「花蓮の洪水被害で犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、負傷者の早期回復を祈るとともに、この12日間、花蓮で救援活動に尽力したすべてのボランティアや『スコップヒーロー』たちに心から感謝する」と述べました。
一方、立法院(国会)の韓國瑜・院長(国会議長)はあいさつで、「今年の双十国慶節祝賀イベントはこの光の饗宴を皮切りに、10月9日の中部・台中での夜の国慶節祝賀パーティー、10日の双十国慶節祝賀大会、そして10日夜には南投で初めて開催される花火大会へと続き、台湾全土で祝賀ムードを盛り上げる」と紹介しました。
韓・院長はさらに、「近年、韓国ドラマが国際的に注目を集めているが、台湾こそ長年にわたり華語圏のテレビドラマの先頭を走ってきた。だからこそ、今回の光の饗宴は私たちが再び立ち上がる契機となる。ぜひ多くの人に関心を持ってほしい」と呼びかけました。
中華文化総会の李厚慶・秘書長は、「金鐘賞の60年は、台湾の世代を超えた記憶そのもの。各時代の番組には、その時代独特の空気や文化が息づいている」と述べました。
たとえば、台湾初のテレビ婚活番組『我愛紅娘』は、当時としては画期的な形式で多くのカップルを誕生させましたが、いまのようにアプリが普及した時代には、その新鮮さを実感しにくいかもしれないと語りました。
また李・秘書長は、「今年のプロジェクションマッピングショーは、国籍、性別、世代、エスニックグループを超えた共感を映像で結び、観る人みんなが共に時代を体験し、同じ記憶を共有できる場をつくりたい」と強調しました。
李・秘書長はさらに、テレビの力について「台湾の物語を語るだけでなく、人々をつなぐ媒体でもある」と述べました。今回の花蓮の洪水被害でも、報道を通じて“スコップヒーロー”と呼ばれる多くのボランティアが駆けつけ、見知らぬ者同士が助け合い、被災者のために行動しました。また、寄付などを通じて支援する人も多く、このような温かい行動と国民性が、台湾と日本の間に強い友情を築く基礎になっていると指摘しました。
李・秘書長は、「日本の著名な芸術家・奈良美智さんも台湾を応援してくださった。北部・新北市金瓜石での個展の収益の一部を寄付し、さらに日本での『風とロック芋煮会』で、油性マジックペンで腕に絵を描く『マッキー・タトゥー』募金活動を行い、その収益を全額台湾へ寄付した。こうした純粋で美しい善意が報道を通じて広がり、善の循環(善の連鎖)を生んでいる」と感謝を述べました。
「2025年双十国慶節プロジェクションマッピングショー」は、10月7日から10日まで、台北市の総統府前・凱達格蘭大道で開催されています。上映時間は毎晩午後7時から9時半までで、1回約10分のプログラムです。
主催者は「この光と映像の祭典を通じて、世代を超えた台湾の映像文化をつなぎ、過去の物語を再び体験し、いまこの時代の新しい記憶をともに創りたい」と期待を示しています。
(写真:Rti王淑卿)
10月6日の試験点灯の映像をお届けいたします。
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